round 17

October 25/26/27 2013 MotoGP Grand Prix of Japan 日本GP

SCHEDULE

日本GPプレビュー

マレーシアGP、オーストラリアGPに続く第17戦日本GPが、10月25日(金)から27日(日)までの3日間、栃木県のツインリンクもてぎで開催されます。今年の日本GPは、シーズン終盤の3連戦最後の戦いで、3クラスともにタイトル王手で迎えることになり、チャンピオン決定戦となります。MotoGPクラスは、前戦オーストラリアGPから引き続き、総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がタイトル王手で今大会を迎えます。

日本GP プレビュー

マルケスは、フィリップアイランドで行われたオーストラリアGPを終えて、22日(火)に日本に到着しました。23日(水)には、チームメートのダニ・ペドロサとともに、Honda本社で開催されたイベントに参加。さらにその足で、本田技術研究所朝霞研究所(埼玉県)で行われた壮行会に出席し、夜には都内にあるスペイン大使館で行われた「日本スペイン交流400周年」の式典に出席するなど、多忙な一日となりました。しかし、疲れた表情を見せることなく、タイトル決定戦に挑みます。

前戦オーストラリアGPでは、路面改修でグリップが大幅に上がり、タイヤトラブルが出たことから、レース周回数が27周から19周に短縮されました。さらに、安全のために1レースで2本のタイヤを使うことになり、レース中にマシンをチェンジする“フラッグ・トゥ・フラッグ”が採用される異例の大会となりました。予選2番手から決勝に挑んだマルケスは、トップグループに加わり、快調にラップを刻んでいましたが、チームのミスで指定されたマシンチェンジの周回にピットインできず、失格となりました。

マルケスは、総合2位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に43点差をつけてオーストラリアGPを迎えましたが、終わってみれば18点差へと大幅にポイントが短縮されました。しかし、依然としてタイトルに王手の状況は変わりません。HondaのホームGPでのタイトル決定の期待が膨らんでいます。日本GPでのマルケスは、125ccクラスで2010年に優勝。Moto2クラスでは、11年に2位、12年に優勝と、もてぎを得意としています。今大会は、前戦の悔しさと最高峰クラスでの史上最年少チャンピオン獲得を日本GPで果たす意気込みです。

マレーシアGPで今季3勝目、続くオーストラリアGPで2位になったペドロサは、総合2位のロレンソと16点差、総合首位のマルケスと34点差で今大会を迎えます。ペドロサは、ツインリンクもてぎで02年の125ccで優勝、04年には250ccで優勝しています。そして最高峰クラスでは、2011年に初優勝を達成。12年にも優勝し、2年連続で日本GPを制していて、今年も優勝候補の筆頭です。オーストラリアGPを終えて22日(火)に日本に到着したペドロサは、マルケスとともにイベントや壮行会に出席し、大きなエールを送られていました。

ツインリンクもてぎは、一周4.801km。2カ所の立体交差が設けられたストップ&ゴーのサーキットで、マシンにもライダーにもレベルの高い走りが要求されます。マシンには、ハードブレーキングと鋭い加速が求められます。ライダーには、加減速の激しさをコントロールする高い集中力と体力が要求されます。今大会は、気力、体力ともに充実のマルケスとペドロサの優勝争いと、Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュが期待されています。

後半戦に入って調子を上げているアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、得意としているツインリンクもてぎで今季初表彰台を狙います。マレーシアGP、オーストラリアGPでは5位でフィニッシュ。両レースともにし烈な争いに加わって、表彰台まであと一歩に迫っているだけに、3連戦最後の大会では、今季初表彰台を狙います。昨年は予選、決勝ともにアベレージの高い走りを披露して、見事に3位表彰台を獲得しました。これまでにツインリンクもてぎでは、125cc時代の06年に2位、250cc時代の08年に2位に入り、09年には優勝と、もてぎでは3クラスで表彰台に立ってきました。ブレーキングを得意とする選手だけに、今大会の走りに注目されます。

3連戦最初の大会、マレーシアGPで右足のくるぶしを骨折したステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、今大会で復帰を目指します。前戦オーストラリアGPでは、金曜日のフリー走行への出場は認められましたが、右足の回復が十分ではないということで、予選、決勝への出場許可が下りませんでした。今大会はHondaのホームGPとなるだけに、復帰に闘志を燃やしています。

CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、前戦オーストラリアGPで失格になりました。マルケス同様、マシンチェンジの周回数をミスしたためですが、ホームGPで失格と悔しいレースに終わっているだけに、今大会はその雪辱に挑みます。

Moto2クラスは、前戦オーストラリアGPで今季5勝目を挙げたポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)がタイトル王手で迎えます。オーストラリアGPでは、それまで総合首位にいたスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)が、予選で転倒して左手首を骨折、オーストラリアGP決勝を欠場し、連戦となる今大会も欠場します。レディングは、チャンピオンシップでは、エスパルガロから16点差の2位ですが、今大会の欠場が決まっているため、エスパルガロが7位以内でフィニッシュすればタイトルが決まります。

後半戦に入って調子を上げていた総合3位のエステべ・ラバト(Tuenti HP 40)は、前戦オーストラリアGPで8位に終わり、チャンピオン獲得の可能性はなくなりました。これから2戦では総合2位を狙います。ホームGPを迎える総合6位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、マレーシアGPで8位、前戦オーストラリアGPはジャンプスタートのペナルティーで22位に終わる悔しいレースでした。念願の初優勝の期待が寄せられる今大会は、今年一番の視線が集まる中で、大きなプレッシャーとの戦いになります。

Moto3クラスは、前戦オーストラリアGPで優勝争いに加わって5位でフィニッシュした総合7位のジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が、今季初表彰台を狙います。ミラーとともにオーストラリアGPで優勝争いに加わった総合8位のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)の走りにも注目されます。渡辺陽向(TASCA RACING)は、ホームGPで今季初ポイント獲得を狙います。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)「フィリップアイランドは残念な結果でした、こうしたことは、ときに起こるものです。重要なことは、トップ争いができたことです。そして、強いレースができたことです。今はそのこと(失格)は忘れて、もてぎに集中しなければなりません。もてぎの路面コンディションはとても変わりやすいです。ハードな加速とブレーキングが必要なため、一生懸命にセットアップを進めていかなければなりません。この部分では、これまで確実に前進してきましたので、今大会もいつものようにプログラムをこなし、オーストラリアのミスをリカバーするために100%プッシュします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)「オーストラリアのレースは奇妙でしたが、すばらしい仕事をしてくれたチームに、本当に感謝しています。そして2位を獲得することができました。もてぎはHondaにとって重要なレースですし、いつも楽しみです。これが3連戦最後のレースです。皆が疲れていますので、集中することが重要です。このサーキットは強いブレーキングと加速を要する区間が多くあり、ブレーキング時の安定性とコーナー出口でのいいトラクションが必要です。いいセットアップを見つけなければならないので、初日から全力で取り組みます」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング6位)「オーストラリアGPの前は、これほどいい状態でもてぎに向かうことになるとは思ってもいませんでした。オーストラリアGPでは、ハードタイヤだけのレースとなり、そのためにマシンがあまりうまく機能していませんでしたが、チームのすばらしい努力のおかげで、うまくいくようになりました。ほんのわずかの差で表彰台を逃してしまったのは残念ですが、もてぎではその埋め合わせをしたいです。昨年のもてぎでは、表彰台に立つことができました。最近のセットアップの進展具合と、Hondaのホームサーキットということで、さらに前とのギャップを縮められると思います。(今回は)昨年のもてぎのいい思い出と、すばらしいデータがあります。今シーズンのレベルは高いですが、昨年の結果を繰り返せるようにベストを尽くします。最初のセッションからいいセッティングを見つけられるように集中します。そして自分自身も楽しみたいです。このサーキットではブレーキングがとても重要になってきます。この部分で問題が出ないようにベストを尽くします」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング7位)「もてぎでは、レースに出場したいと思います。オーストラリアでは出場が認められませんでした。木曜日にメディカルチェックがありますので、クリニカモバイルのスタッフと毎日2度の理学療法を行っています。もしメディカルチェックにパスできたら、彼らに感謝しなければなりません。もう松葉杖は使わなくても大丈夫です。もちろんまだ100%ではありませんが、レースをしたいです。フィリップアイランドに比べると、もてぎはハードブレーキングと低速コーナーが多くありますので、走れたとしても、厳しいレースになると思います」

ブライアン・スターリング(MotoGP ランキング25位)「ホームレースでのミスは本当に残念でした。正しい周回でピットに入らず、失格になりました。弁解はできません。今週末のもてぎで埋め合わせをしたいです。このサーキットはハードブレーキングゾーンがあって大変です。それにセッティングを合わせるのは簡単ではありません。今シーズンは残り2レースですので、なるべくいい結果でシーズンを終えたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング1位)「日本では、可能な限り速く走れるようにがんばらなければなりません。そして、優勝してチャンピオンを獲得したいです。さらに、レースも楽しみたいです。ずっと世界チャンピオンになることを夢見てきました。今大会が夢をかなえる場所になるかもしれません」

スコット・レディング(Moto2 ランキング2位)「(前戦で)転倒したことは、本当に残念でした。リアタイヤが滑って振られ、転ばないようにこらえているときに、すでに手首を骨折していました。運の悪い骨折でしたが、起きてしまったことは仕方がありません。手術は成功しました。すばらしい手術をしてくれた医師に感謝したいです。プレートと6本のスクリューが入っていますが、今できることは、なるべく早くマシンに乗れるようになるためにがんばることです。まだチャンピオンシップを失ったと決まったわけではありません。チームをサポートするために日本へ行きますが、レースをするより、見ているだけの方がつらいです」

エステベ・ラバト(Moto2 ランキング3位)「もてぎは大好きです。昨年のもてぎでは、このチームで初めての表彰台を獲得することができ、すばらしい思い出になりました。オーストラリアのことは非常に残念です。日本とバレンシアでは自分自身も楽しみ、ベストを尽くせるようにがんばります」

中上貴晶(Moto2 ランキング6位)「マレーシア、オーストラリアと、思うような結果を残せず、正直、自分が思っていたような形で日本GPを迎えることができませんでした。しかし、マレーシアでもオーストラリアでも、セッティングが決まらず、さらに自分のミスでペナルティーを科せられた中で、しっかり最後まで走れたことはよかったと思います。日本GPは、もちろん優勝を目標に全力を尽くします。『今度こそ』という思いをぶつけたいと思います」

ジャック・ミラー(Moto3 ランキング7位)「もてぎは相性がいいサーキットです。ブレーキングではいつも、一番うまいライダーになろうとがんばっています。そして、ここはハードブレーキングが多くあります。ブレーキングでかなりタイムを縮めることができますので、楽しみです」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング8位)「もてぎはこれまで、あまりいい成績を残していませんが、好きなサーキットです。Hondaのサーキットですので、Honda勢でトップになることができたらうれしいです。加速が必要なので、フィリップアイランドより難しいと思います。しかし、ライバルが得意とするサーキットでうまく走れたこともありますし、今回もどうなるか分かりません。とにかく、全力を尽くします」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング13位)「昨年は10位でした。金曜日と土曜日に転倒してしまったことが影響しました。今週は、天候があまりよくないと聞きました。荒れた天候になれば、チャンスがあるかもしれません。相性がいいサーキットというわけではありませんが、チャンピオンシップはなにが起こるか分かりません。最後まであきらめずにがんばります」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント)「台風が接近していますので、荒れた天候の中でのレースウイークになるかもしれません。しかし、コースを知っている分、天候が荒れれば、自分には有利かもしれません。これまで日本GPではワイルドカードで2度出場していますが、今年はレギュラーライダーとしての出場なので、日本人勢で最上位、さらにポイント獲得を目標にがんばります」