round 17

October 26 2012 MotoGP AirAsia Australian Grand Prix 第17戦 オーストラリアGP
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ストーナーがトップタイム。ペドロサ2番手。Repsol Honda Teamが好調なスタートを切る

2012年10月26日(金)・1日目フリー走行  会場:フィリップアイランド・サーキット  天候:曇りのち雨  気温:14℃
コースコンディション:ドライのちウエット

第17戦オーストラリアGPのフリー走行は、強風と小雨が断続的に降り続く厳しいコンディションの中で行われ、復帰3戦目のケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がトップタイムをマーク、2番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)と、Repsol Honda Teamが好調なスタートを切りました。

  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル

ケガから復帰して3戦目、3週連続最後のレースがホームGPとなったストーナーは、午前中1回目の走行でただ一人、1分30秒台に入れる好走でトップタイム、午後の走行ではさらにタイムを短縮、ただ一人1分29秒台に入れて、復帰3戦目にして、総合首位で一日を終えることになりました。

この日は雲の流れが速く、断続的に小雨が降りました。気温も14℃までしか上昇せず、路面温度も低いという厳しい条件となりましたが、オーストラリアGPで5連覇を達成しているストーナーは、ライバルを圧倒するスピードで周回を重ね、6連覇に向けて大きく前進しました。ストーナーは今年を最後に引退することを表明しています。これが最後のホームGPとなるため、初日から大勢のファンが押し寄せています。その期待に応える見事な走りに、ファンは大喜びでした。

2番手には、総合2位につけていて、逆転チャンピオンへの闘志を燃やすペドロサが続きました。ペドロサは、フィリップアイランドでは、250cc時代に優勝していますが、最高峰クラスでは、これまで優勝の経験はありません。その理由の1つは、強風と不安定な天候にあるのですが、この日は厳しいコンディションの中で、ストーナーに続く速さを披露、初日の走行で昨年の予選タイムに匹敵する快走を見せました。

今大会、総合首位でタイトル王手のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に先着することが、最終戦バレンシアGPにタイトル争いを持ち越す条件となります。その目標に向けて気合満点の走りを見せたペドロサに、自身初の4連勝と今季7勝目の期待が膨らみます。

アルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は6番手。強風と低い路面温度の中でセットアップに集中しますが、試行錯誤の一日となりました。ストーナーとペドロサのRepsol Honda Teamにはやや後れを取りましたが、前につけるヤマハ勢とは僅差。2日目の予選では、今季2度目のフロントローを狙います。

ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、厳しい天候とバンピーな路面に苦悩して、思うようにタイムを更新できませんでした。2日目も引き続きセットアップに集中しますが、タイム差が接近しているだけに、明日はバウティスタとともにフロントローを狙います。CRTマシンで出場するミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は15番手でした。

Moto2クラスは、午前中、午後ともに、雨の影響を最も受けることになりました。午前中はセッションを通じて小雨が降り続き、午後のセッションは、終盤、短い時間ですが強い雨となり、ウエットコンディションとなりました。トップタイムをマークしたのはポル・エスパルガロ(Tuenti Movil HP 40)で、唯一1分34秒台に入れる好走となりました。

以下、スコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、トーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)、ミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)と続き、2番手のレディングから1秒差以内に15台という接戦となり、電気系のトラブルで午前中のセッションを走れなかったマルク・マルケス(Team Catalunya Caixa Repsol)が、午後の走行で7番手に浮上しました。タイトル王手のマルケスと総合2位で初日トップタイムのエスパルガロは48点差。エスパルガロは優勝だけを目標に全力を尽くすことになります。一方、圧倒的優位に立つマルケスがどんな走りを見せるのか、大きな注目が集まっています。

日本人勢は、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が12番手。前戦マレーシアGPで左足小指を負傷していますが、まずまずのスタートとなりました。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)はセッティングが決まらず26番手。小山知良(Technomag-CIP)もセッティングが決まらず30番手。ともに2日目のばん回に挑みます。

Moto3クラスは、2戦ぶりに復帰のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が3番手、総合5位でフィリップアイランドを初めて走るロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)が5番手。総合4位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)もフィリップアイランドは初めてとなりますが、転倒の影響もあって15番手と出遅れました。Honda勢は、フィリップアイランドを初めて経験する選手も多く、2日目のポジションばん回に大きな注目が集まります。藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は27番手でした。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP 1番手) 「とてもポジティブな一日になりました。ペースをつかむのも早く、正直、初日からこんなタイムを出せるとは思っていませんでした。今年は、馬力が上がっているので、タイムを出すのが思っていたより簡単でした。最初のセッションからタイムはよかったし、2回目も思っていた以上にタイムが出ました。2回目は、みんなも上げてくると思っていましたが、意外と伸びなくて驚いています。今日は、ソフトタイヤでレースディスタンスに近い距離を、いいペースで走ることができました。その後、ハードタイヤに替えて、また前進することができましたし、順調な一日となりました。右足首のコンディションは、もてぎのときよりひどくなっていますが、ここは右コーナーが少ないから、体重をあまりかけなくていいので助かっています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手) 「今日は両セッションともにドライコンディションで走ることができました。もっと天気は悪くなると思っていたし、今日はラッキーでした。初日にドライコンディションでしっかり走れたので、セットアップも進みました。今日はリアタイヤはソフトしか試さなかったので、明日はハードを試したいです。明日は、電子制御とサスペンションの別のアイデアをテストしたり、重要な一日になります。思っていた通り、ここではケーシーがとても速いです。明日もドライになることを願っていますし、いいペースを刻めるようにして、ケーシーとのギャップを縮めたいと思っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 6番手) 「今日はマシンのセッティングに集中しました。午前中はリアの動きが神経質で、そのためにマシンパワーをフルに使うことができませんでした。午後はこの問題を解決するためにいくつか違うセッティングにトライしましたが、すべて逆方向に行き、元の状態に戻さなければなりませんでした。電子制御とサスペンションのセッティングは、明日も引き続きやらなければなりません。しかし、ベースのセッティングは悪くないので、問題解決にそれほど間はかからないと思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 7番手) 「大変な一日になりました。正直、もっといいフィーリングを期待していたのですが、高速コーナーで思うように走ることができませんでした。コーナーの出口ではマシンのバランスをキープするのに苦労しました。ここの路面はとてもバンピーで、リアの跳ねを抑えるのも大変でした。今日のような状態では思うように速く走ることができないので、データを分析して、いいセットアップを見つけなくてはなりません。今より速く走るために、早く解決策を見つけたいと思います」

ミケーレ・ピロ(MotoGP 15番手) 「午前中は、濡れた芝生に入って転倒してしまい、かなり時間を無駄にしました。午後はいろいろ試すことができましたし、全体的に悪くない一日でした。マシンはまだ動きすぎる傾向がありますが、明日はもう少し改善できると思います。そしてCRT勢のトップとのギャップを縮めることができると思います」

中本修平|HRCチーム代表 「今日は天候が不安定で、難しい路面コンディションとなりましたが、ケーシーもダニも全体的によかったと思います。昨年と比べても初日のタイムは大幅に上がっていますし、順調なスタートとなりました。正直、予想していたよりタイムもよく、本当によかったと思います。明日も引き続きセットアップに集中して、決勝に向けての準備をしたいと思います」

ポル・エスパルガロ(Moto2 1番手) 「今日は風が強くて、路面のバンプにも悩まされましたが、全体的にフィーリングは悪くありませんでした。みんなより速かったし、いいプラクティスができたと思います。まだ、計算上ではチャンピオンシップに勝てる可能性はありますが、ポイント差がとても大きいので無理だと思います。しかし、まだなにがあるかわからないし、引き続き勝てるようにがんばろうと思います。今回は、フィーリングがよく、勝てるチャンスがあるかもしれません。これからみんなタイムを上げてくると思いますし、予選と決勝は今日のようにはいかないと思うので、今日以上にがんばらないといけません」

スコット・レディング(Moto2 2番手) 「午前中はかなりよかったのですが、依然として、チャタリングとバンプの乗り越えに、まだ問題を残しています。今年は、これまでよりバンプがひどくなっていて、そのためにマシンがかなり不安定になります。それでも速いラップを出すことができました。今日は新品タイヤを装着して、走り出したらすぐに雨が降り始めました。コースに出てセッティングを確認したかったので、少しフラストレーションがたまりました。最後にウエットで数周走りましたが、路面があっという間に乾き、場所によっては蒸気が上がっていたので、かなり無意味な周回となりました」

トーマス・ルティ(Moto2 3番手) 「ここまでの感触はとてもよくて、いい日になりました。最後に少し雨が降ったけれど、全体的には天気がよくてラッキーでした。まだまだマシンに取り組まなければならないけれど、週末に向けていい感じだと思います。このサーキットはとても楽しいです。ほかのサーキットに比べると特殊なコースで、マシンのセットアップがうまく決まり、思うように走れれば、もっと楽しいと思います。引き続きがんばり、今週末は優勝争いに加わりたいです」

マルク・マルケス(Moto2 7番手) 「マレーシアGPの転倒の影響で、午前中の走行は、電気系に問題が発生しました。コネクターが壊れていました。最初のセッションが終わったあと、解決することができました。午後は順調で、わずか13周でいいペースを見つけることができました。トップタイムをマークしたポル(エスパルガロ)とはタイム差はありますが、明日はタイムを縮めることができると思います。今日は十分な時間がなく、タイヤを試すことができませんでした。明日もドライコンディションになり、タイヤのテストができることを願っています。それにしても、トラブルが日曜日でなく本当によかったと思います。こういうことが起きると、チャンピオンまであと2点なんだと思います。ワールドチャンピオンシップでは、何千通りもの負けパターンがあるし、いつも100%の力を出したいと思います」

中上貴晶(Moto2 12番手) 「FP1からFP2にかけてセッティングを進めることができました。まだまだ完全ではありませんが、今日はタイヤを1セットしか使っていませんし、新品を入れればタイムを上げられることが分かっているので、12番手という順位でも、まずまずかなと思います。今日はセットアップをちょっと変えて挑んだのですが、フロントの接地感がなくなってコーナーに気持ちよく飛び込めなくなり、午後の走行はマレーシアGPの状態に戻しました。そこからセットアップを進めていったのですが、雨が降ってきてできませんでした。今日は風が強く難しいセッションでしたが、今まで苦手にしていたフィリップアイランドを楽しく走ることができました」

高橋裕紀(Moto2 26番手) 「フィーリングは悪くなかったのですが、今日は、小雨がずっと降っていて、なかなか走りに集中できませんでした。午後のセッションは、キャスターのアングルを変えて挑んだのですが、これが大失敗でタイムを伸ばすことができませでした。明日は、またマレーシアの状態に戻して、そこからセットアップを進めていきたいと思っています」

小山知良(Moto2 30番手) 「このマシンの特性は、フィリップアイランドに合っていると思ったのですが、午前中の走行は全くグリップせず、タイムを上げられませんでした。午後は、セッティングを変えて試してみたかったのですが、ダッシュボードが故障、それが直り、違うセットアップにトライしようと思ったら雨が降って、今日は終わりました。明日はいいセッティングをなんとしても見つけなければと思っています」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 3番手) 「今日はとてもいいフィーリングで、とても楽しい一日でした。寒くて雨が降ったことを除けば、走り出しからうまくいったと思います。しかし、午前中は路面温度が低く、こういうときのフィリップアイランドは難しく、転倒してしまいました。午後はうまく走れましたし、いい車体のセッティングを見つけることができました。明日は、マシンの力を最大限引き出せるようにがんばりたいです」

ロマノ・フェナティ(Moto3 5番手) 「初めて走るサーキットですが、とても好きなレイアウトでした。楽しく走ることができたし、チームも全力でサポートしてくれました。いくつかのコーナーではうまく走れなかったので、予選に向けてセットアップを続けなくてはなりません。今回はいいレースができると思います」

藤井謙汰(Moto3 27番手) 「フィリップアイランドは初めて走るサーキットですが、思っていたよりもおもしろくて、初日としてはまずまずの走りができたと思います。鈴鹿に似ているところもあり、2回のセッションをほぼドライで走れたので、1日目でコースを覚えることができました。2日目は、どこでタイムを詰めればいいのかということも分かっているので、楽しみです」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
11ケーシー・ストーナーHonda1:29.999
226ダニ・ペドロサHonda+0.885
399J.ロレンソヤマハ+1.006
435C.クラッチローヤマハ+1.368
54A.ドヴィツィオーゾヤマハ+1.459
619アルバロ・バウティスタHonda+1.617
76ステファン・ブラドルHonda+1.703
846V.ロッシドゥカティ+2.031
969N.ヘイデンドゥカティ+2.313
1014R.デ・ピュニエART+2.675
118H.バルベラドゥカティ+2.707
1217K.アブラハムドゥカティ+2.745
1341A.エスパルガロART+3.728
145C.エドワーズSUTER+3.836
1551M.ピロFTR+4.003
169D.ペトルッチIODA-SUTER+4.532
1777J.エリソンART+4.562
1822I.シルバBQR+4.747
1984R.ロルフォART+4.772
- 43K.マクラーレンBQR+8.204

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140ポル・エスパルガロKALEX1:34.578
245スコット・レディングKALEX+0.781
312トーマス・ルティSUTER+0.813
436ミカ・カリオKALEX+0.906
5 63マイク・ディ・ミリオKALEX+1.108
6 93マルク・マルケスSUTER+1.125
7 29アンドレア・イアンノーネSPEED UP+1.191
8 4ランディ・クルメンナッハKALEX+1.192
9 15アレックス・デ・アンジェリスFTR+1.255
10 3シモーネ・コルシFTR+1.372
11 30中上貴晶KALEX+1.385
12 5ヨハン・ザルコMOTOBI+1.408
13 60フリアン・シモンSUTER+1.473
14 19ザビエル・シメオンTECH 3+1.511
15 77ドミニク・エージャーターSUTER+1.599
16 80エステベ・ラバトKALEX+1.744
17 38ブラッドリー・スミスTECH 3+1.869
18 24トニ・エリアスKALEX+1.920
19 8ジノ・レイSUTER+2.306
20 49アクセル・ポンスKALEX+2.343
21 18ニコラス・テロールSUTER+2.510
22 88リカルド・カルダスAJR+2.522
23 81ジョルディ・トレースSUTER+2.563
24 14ラタパーク・ウィライローSUTER+2.650
25 72高橋裕紀FTR+2.652
26 23マルセル・シュローターBIMOTA+2.705
27 10マルコ・コランドレアFTR+4.189
28 22アレッサンドロ・アンドレオッティSPEED UP+4.195
29 75小山知良SUTER+4.642
30 82エレナ・ロセールSPEED UP+6.233
- 57エリック・グラナドMOTOBI+6.850

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
194J.フォルガーKALEX KTM1:39.213
211S.コルテセKTM+0.232
325マーベリック・ビニャーレスFTR Honda+0.282
452D.ケントKTM+0.833
55ロマノ・フェナティFTR Honda+1.054
663Z.カイルディンKTM+1.112
784ヤコブ・コーンフェールFTR Honda+1.156
87エフレン・バスケスFTR Honda+1.166
923アルベルト・モンカヨFTR Honda+1.198
1096ルイス・ロッシFTR Honda+1.249
1139L.サロンKALEX KTM+1.252
1219アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+1.412
1326エイドリアン・マーティンFTR Honda+1.413
1432アイザック・ビニャーレスFTR Honda+1.467
1542アレックス・リンスSUTER Honda+1.527
1631N.アジョKTM+1.645
1744ミゲル・オリベイラSUTER Honda+1.708
188ジャック・ミラーHonda+1.753
1927ニッコロ・アントネッリFTR Honda+2.149
2089アラン・ティーチャーTSR Honda+2.288
2161A.シシスKTM+2.300
2241B.バインダーKALEX KTM+3.028
2312アレックス・マルケスSUTER Honda+3.059
2480A.ポントーンIODA+3.193
2517ジョン・マクフィーKRP Honda+3.326
2628ジョセップ・ロドリゲスFGR Honda+3.537
2751藤井謙汰TSR Honda+3.708
2830ジュリアン・ペドネSUTER Honda+3.918
2929L.アマートKALEX KTM+4.540
309トニ・フィンスターブッシュHonda+4.592
3175リンカーン・ギルディンHonda+4.858
3299D.ウェッブMAHINDRA+5.876
3336サム・クラークHonda+6.567
- 20R.モレッティMAHINDRA+9.941