round 8

July 17 2010, QUALIFYING:13:55-(local)/20:55-(JST)
MotoGP ENI MOTORRAD GRAND PRIX DEUTSCHLAND
第8戦 ドイツGP

ペドロサ3番手で今季5回目のフロントロー獲得
ドヴィツィオーゾも4番手と、Repsol Honda Teamの両選手が好位置から決勝に挑む

気温が36℃まで上昇した初日から一転、ドイツGPの予選は、最高気温24℃という涼しいコンディションの中で行われた。朝方に降った雨のために、125ccクラスのフリー走行はウエットコンディションとなったが、その後のMotoGPクラスからはドライコンディションとなり、以後、すべてのセッションがドライで行われた。

この日は、終日雲の多い天候となった。最高気温も24℃までしか上がらず、路面温度も30℃前後と、初日より20℃近く下がった。そのため、タイヤのチョイス、サスペンションのセッティングなど、路面コンディションに合わせる作業を強いられることになったが、ダニ・ペドロサが3番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾは4番手と、 Repsol Honda Teamの両選手が順調なスタートを切った。

以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)7番手、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)8番手、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)10番手。負傷欠場の青山博一の代役として出場したアレックス・デ・アンジェリス(Interwetten Honda MotoGP)は17番手だった。ポールポジションはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2番手はケーシー・ストーナー(ドゥカティ)だった。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • アレックス・デ・アンジェリスアレックス・デ・アンジェリス

初日にトップタイムをマークし、2日目の予選でPPを狙ったペドロサは3番手だった。この日は、大幅に気温と路面温度が下がり、コンディションの変化に合わせてセッティングを変更。決勝がどんな天候になってもいいように準備を進めていった。午後の予選では、快調にラップを刻んだが、PPタイムにわずかに届かず3番手。フロントローに並んだ3選手が、わずか0.131秒差という大接戦だった。今季2回目のPPを逃したペドロサだが、3戦ぶり、今季5回目のフロントローを獲得。3年ぶりのドイツGP優勝に向けて絶好のグリッドを獲得した。

ペドロサ同様、フロントロー獲得を狙ったドヴィツィオーゾは、ペドロサから0.315秒差の4番手。初日10番手とやや出遅れたが、2日目のフリー走行で7番手に浮上。午後の予選ではさらにポジションを上げ、4番手につけた。この日の走行には、明らかにタイムをロスしている区間があり、そこを改善するセッティングに時間を費やした。明日のウオームアップでそれが改善できれば、フロントローに並ぶ3選手とともに優勝争いに加われると自信を見せた。ドヴィツィオーゾは7戦を終えて4回の表彰台を獲得し、現在総合3位。今大会では、5回目の表彰台と今季初優勝に挑む。

この日の予選では、セッション中盤にロレンソのマシンにトラブルが発生。コース上にオイルが出て、ベン・スピーズ(ヤマハ)とデ・ピュニエが転倒を喫し、赤旗中断となった。幸いにも両選手に大きなケガはなかったが、中断時点でトップ5につけていたデ・ピュニエは、再開された後半セッションを走行できず、7番手までポジションを落としてしまった。フリー走行でも5番手につけるなど、順調にセットアップを進めていただけに、悔しいグリッドになった。

初日5番手と好調なスタートを切ったシモンチェリは、2日目のフリー走行で転倒を喫し、それが影響して予選では8番手だった。セッティングが思うように進まなかったメランドリは10番手だったが、両選手ともにザクセンリンクを得意とするだけに、決勝ではデ・ピュニエとともに追い上げのレースが期待される。

青山の代役として出場しているデ・アンジェリスは、セッションをこなすごとに着実にタイムを短縮。しかし、予選で痛恨の転倒を喫し、17番手だった。しかし、レギュラー組の選手とタイム差はわずか。MotoGPクラスにフル参戦していた昨年は5位になっているドイツGPだけに、本番での巻き返しが期待される。

Moto2クラスは、アンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed up)が3戦連続、今季4回目のPPを獲得。ホームGPに闘志を燃やすアルネ・トード(Racing Team Germany)が今季ベストグリッドとなる2番手。トニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)、フリアン・シモン(Mapfre Aspar Team)と続き、この4選手がフロントローを獲得した。富沢祥也(Technomag-CIP)は8番手。高橋裕紀(Tech 3 Racing)は13番手だったが、ともに決勝では追い上げのレースが期待される。2戦連続代役出場の手島雄介(JIR Moto2)は30番手だった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手) 「ザクセンリンクは、コース前半にタイトなコーナーが続くので、予選ではフロントローに並ぶことが目標だった。それを果たせてとてもよかった。フロントローからスタートすることでスタート直後のアクシデントを回避できるのはうれしい。このサーキットはいつも厳しいレースになるし、明日もきっと、そういう戦いになると思う。今日の天気予報は雨だったけれど、フリーも予選もドライで走れて、本当にラッキーだった。おかげでセットアップも進み、アベレージも上げることができた。赤旗中断となった転倒は見ていないけれど、煙がすごかったので、きっとオイルが出ているんじゃないかと思った。転ばなくて運がよかった。決勝は30ラップ。このコースは休むポイントがないので、最後まで集中しなければならない。とにかく、ベストを尽くしたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4番手) 「フロントローには並べなかったが、トップから0.4秒差の4番手だったので、とてもうれしい。フリー、予選と着実にセットアップも進み、昨日に比べたら格段にいい状態に仕上がった。このサーキットは、どのカテゴリーでも苦戦してきたが、こうして速いペースを刻むことができた。予選4番手は今季ベストで2回目。一発のタイムだけじゃなく、アベレージがよくてうれしい。今日は、トップの3人に比べてわずかに遅れているが、いくつかのポイントで改良できれば、優勝争いに加われると信じている。明日のウオームアップで、タイムをロスしていた部分を改良したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 7番手) 「今日の予選について、何をどう話せばいいのだろうという気持ちだ。とにかく、骨折がなくて本当にラッキーだった。今回は新しいソフトウェアのセットアップが順調に進んで、フリー走行は順調だった。予選ではハードタイヤでロングをこなし、さあ、これからソフトを履いてタイムを出そうとピットに入ろうと思っていた。そのときにホルヘ(ロレンソ)のバイクがエンジンブローを起こした。僕はコース上のオイルに乗って転んでしまった。反応することができなかったし、コース上を転がりながらスピーズのバイクに衝突してしまった。左足首がすごく痛くて、骨折しているんじゃないかと不安だったが、骨には異常がなかった。しかし、ひどい打撲で痛みがある。明日は100%の走りはできないと思うが、最後までベストを尽くしたい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 8番手) 「今日は2列目までに並びたかったが、8番手だった。これで3戦連続で同じグリッド。悪くはないけれど、すごくうれしいわけでもない。正直、昨日は5番手だったし、このポジションをキープしたかった。しかし、フリー走行で転倒して、課題になっているリアのグリップを改善することができなかった。明日のウオームアップで最後のセットアップに挑み、レースペースを改善したい。この数戦、走りはよくなっているし、今回は結果につなげたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 10番手) 「昨日から前進しようとチーム全体で努力したが、セッティングの方向性を見つけることができなかった。最終的に昨日の状態に戻ってしまった。コーナーの進入で、もう少し安心感が欲しいのだが、それをなかなか実現することができない。オランダGPで痛めた右肩の状態はよくなっている。前戦カタルニアに比べたら、格段にいい走りができると思う。しかし、このサーキットは体力的に厳しいサーキットなので、どうなるか分からない。とにかくウオームアップでさらにセッティングを進め、ベストを尽くしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 17番手) 「この2日間だけでは、自分の好みの状態に仕上げることができなかった。しかし、ほかのライダーたちとの差はつめていける自信がある。今日は転倒してしまったが、ケガもなく、レースに向けて自信もあるので、明日はいいレースができると信じている。17番手という結果にはがっかりしている。明日はみんなが喜んでくれるリザルトを残したい」

山路敏幸|Repsol Honda Team 監督 「今日の予選は、両選手がフロントローに並ぶことが目標だった。最終的に、3番手と4番手という結果だったが、まずまずの予選だったと思う。昨日に比べて今日は、気温も路面温度も大幅に下がった。路面温度は15〜20℃も下がり、セッティングを変えなければならなかった。両選手ともに、フリー、予選のアベレージはよいので、明日はいいレースをしてくれるはずだ。また、今大会ではバレンティーノ(ロッシ)が復帰した。いいレースをしてくれることを期待しているし、彼が戻ってきてくれたことで、MotoGPクラス全体に活気が出たと思う。Honda勢としては、デ・ピュニエがアンラッキーな転倒でケガをしたのが残念。骨折しなかったのは幸いだし、明日はいいレースを期待している」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ポールポジション) 「3戦連続、今季4回目のPPを獲得できて本当にうれしい。この数戦、安定して速く走れているし、今回も順調だった。もし、カタルニアGPでミスをしなければ、チャンピオンシップでもっと上位にいけたはずだ。今回は、ミスをしないようにして、いいレースをしたい。しかし、ここは接戦になるし、厳しい戦いになると思う。最後まで全力で挑みたい」

アルネ・トード(Moto2 2番手) 「まさかフロントローに並べると思っていなかったし、自分でも今日の結果に驚いている。ホームGPなので大勢の地元ファンの声援を受けて最高の気分だった。チームは全力を尽くしてくれたし、すばらしいバイクに仕上げてくれた。フリー走行から予選にかけてセッティングが進み、とても気持ちよく走ることができた。明日もみんなに喜んでもらえるレースをしたい」

トニー・エリアス(Moto2 3番手) 「カタルニアGPの後に行われたアラゴン・テストで、いいセットアップを見つけることができた。しかし、このサーキットに合わせるのは、そう簡単ではなく、いろいろやらなければならなかったが、最終的にいい状態に仕上がった。リズムよく乗れていたが、転倒したのは残念だった。明日は、優勝するためには、イアンノーネについていかなければならない。とにかく、ベストを尽くしたい」

富沢祥也(Moto2 8番手) 「今日はリアのセッティングが決まらず、フリー、予選と、そのセットアップに集中した。今日はフロントローに並ぶことが目標だったが、それを果たせず残念だった。しかし、PPのイアンノーネを除けば、すごい接戦なので、いいスタートを切ってトップグループで戦いたい。この数戦、本当に悔しいレースが続いているので、明日はそのうっぷんを晴らしたい。明日は何としても表彰台を狙っていきたい」

高橋裕紀(Moto2 13番手) 「今日の天候がどうなるか分からなかったので、昨日、チームと相談して、前戦カタルニアGPの決勝で使った車体に戻すことにした。こっちの方がとりあえず普通に乗れるのだが、相変わらずピンポイントな車体で、なかなかいいバランスを見つけることができなかった。グリップさせると跳ねる。それを消していくと今度は曲がらない。予選も、パートパートではいい走りができているのだが、それが結果につながらない。ウオームアップで最後の調整をしたい。決勝は全力を尽くすだけだ」

手島雄介(Moto2 30番手) 「昨日からセッションごとに1秒、タイムを短縮してきたのだが、なかなか順位を上げることができなかった。予選が終わって、まだ30番手なのか、という気持ちだ。あと1秒タイムを上げたら5番手に入れると思うとすごい。明日も接戦になると思うので、しっかりと走りきって、ポイントを獲得したい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:21.817
227C.ストーナードゥカティ+0.024
326ダニ・ペドロサHonda+0.131
44アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.446
546V.ロッシヤマハ+0.578
640H.バルベラドゥカティ+0.637
714ランディ・デ・ピュニエHonda+0.793
858マルコ・シモンチェリHonda+0.807
941A.エスパルガロドゥカティ+1.093
1033マルコ・メランドリHonda+1.100
1136M.カリオドゥカティ+1.144
125C.エドワーズヤマハ+1.209
1311B.スピーズヤマハ+1.211
1465L.カピロッシスズキ+1.223
1569N.ヘイデンドゥカティ+1.273
1619A.バウティスタスズキ+1.376
1715アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.698

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
129アンドレア・イアンノーネSPEED UP1:24.982
241アルネ・トードSUTER+0.673
324トニー・エリアスMORIWAKI+0.682
460フリアン・シモンSUTER+0.776
52ガボール・タルマクシSPEED UP+0.790
63シモーネ・コルシMOTOBI+0.848
765ステファン・ブラドルSUTER+0.936
848富沢祥也SUTER+0.985
977ドミニク・エージャーターSUTER+1.046
106アレックス・デボンFTR+1.122
1117カレル・アブラハムFTR+1.128
1244ロベルト・ロルフォSUTER+1.132
1372高橋裕紀TECH 3+1.138
1468ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+1.174
1545スコット・レディングSUTER+1.264
1625アレックス・バルドリーニI.C.P.+1.292
1710フォンシ・ニエトMORIWAKI+1.337
1814ラタパーク・ウィライローBIMOTA+1.338
198アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+1.338
2063マイク・ディ・ミリオSUTER+1.480
2112トーマス・ルティMORIWAKI+1.510
2250ダミアン・クドリンPONS KALEX+1.540
2371クラウディオ・コルティSUTER+1.551
2435ラファエレ・デ・ロサTECH 3+1.618
2519ザビエル・シメオンMORIWAKI+1.618
264リチャード・カルダスBIMOTA +1.688
2755ヘクトル・ファウベルSUTER+1.754
2861ウラジミール・イワノフMORIWAKI+1.773
2932サーシャ・ホメルKALEX+1.779
3011手島雄介MOTOBI+1.842
3116ジュール・クルーゼルSUTER+1.849
3240セルジオ・ガデアPONS KALEX+1.999
3352ルーカス・ペセックMORIWAKI+2.069
345ホアン・オリベPROMOHARRIS+2.098
359ケニー・ノイズPROMOHARRIS+2.162
3653バレンティン・ドゥビーズADV+2.189
3721ウラジミール・レオーノフSUTER+2.198
3839ロベルティーノ・ピエトリSUTER+2.700
3959ニッコロ・カネパFORCE GP210+2.819
4095マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+3.164
4188ヤニック・グエラMORIWAKI+3.808

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ1:26.053
244P.エスパルガロデルビ+0.543
338B.スミスアプリリア+1.325
411S.コルテセデルビ+1.334
535R.クルメンナッハアプリリア+1.427
67E.バスケスデルビ+1.594
771小山知良アプリリア+1.771
814J.ザルコアプリリア+2.016
912E.ラバトアプリリア+2.022
1099D.ウェッブアプリリア+2.271