round 8

July 16 2010, PRACTICE:13:55-(local)/June 4 20:55-(JST)
MotoGP ENI MOTORRAD GRAND PRIX DEUTSCHLAND
第8戦 ドイツGP

ペドロサが初日トップタイム
シモンチェリが今季最高のスタートとなる5番手

ザクセンリンクで開幕した第8戦ドイツGPのフリー走行は終日青空が広がり、最高気温36℃、路面温度が55℃まで上昇する厳しいコンディションとなった。その中でダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が好調なスタートを切ってトップタイム。以下、1秒差内に13台という大接戦となり、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が今季ベストの5番手、電気制御のセットアップに集中したランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が8番手、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が9番手と続いた。セッション序盤、電子制御に手間取ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が10番手とやや出遅れたが、トップ10に5台のHonda勢が名前を連ねる好調なスタートとなった。第5戦イギリスGPで転倒負傷した青山博一の代役として今大会出場のアレックス・デ・アンジェリス(Interwetten Honda MotoGP)は17番手だった。

オランダGPとカタルニアGPで連続2位。2戦連続で今季2勝目にわずかに届かなかったペドロサが、今大会好調なスタートを切った。気温も路面温度も高い厳しいコンディション。しかし、快調なスタートを切ったペドロサは、タイヤテストに集中するなど充実した1時間を過ごした。ベースのセッティングがしっかりしていることを感じさせる初日のスタート。ベストラップはもちろんのこと、アベレージでもライバルを圧倒。ザクセンリンクでは250cc、MotoGPクラスで通算3勝を挙げているペドロサだが、2年ぶりの優勝に向けて絶好のスタートを切った。

ここ数戦、上り調子のシモンチェリは今季ベストリザルトとなる5番手で初日を終えた。オランダGP、カタルニアGPでは「5番手以内でフィニッシュできたはず」と語っていたが、その言葉を証明するリザルトに満面の笑みだった。ザクセンリンクは250cc時代に2度の優勝を経験している得意のサーキット。今大会は今季ベストリザルトと、MotoGP初表彰台の期待も膨らむすばらしいスタートとなった。

7戦を終えて総合5位のデ・ピュニエは、新たな電子制御のセットアップにトライして一日を終えた。過去3戦連続でフロントローに並び、前戦カタルニアGPでは表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュしている。今季、もっとも安定した速さを見せているライダーの1人だけに、予選、決勝でどんな走りを見せるのか、大きな注目が集まっている。

第6戦オランダGPで右肩を脱きゅうしたメランドリが初日9番手につけた。前戦カタルニアGPでは、痛みをこらえて9位でフィニッシュした。今大会は依然として痛みは残っているが、125cc、250ccで優勝経験のある得意のサーキットで、肩の回復を上回る快走となった。

今季7戦を終えて4回の表彰台、総合3位につけるドヴィツィオーゾはセッション序盤に電気系のセッティングに時間がかかり、この日は10番手とやや出遅れたが、2日目のタイム短縮とポジションアップは必至の状況。ペドロサとともにフロントローを狙う意気込みだ。

4チーム6台が出場しているHonda勢。今大会初日はHonda勢5台がトップ10入りと好調な走りを見せた。

過去2戦、青山博一の代役として出場した秋吉耕佑からバトンを受ける格好で参戦のデ・アンジェリスは、MotoGPクラスでは今季初走行とはいえ、トップのペドロサから1.580秒差の17番手とまずまずの走りを見せた。MotoGPクラスに参戦していた昨年は5位。2日目のタイム短縮とポジションアップが期待される。

Moto2クラスは、シモーネ・コルシ(JIR Moto2)がトップタイム。以下、1秒差以内に19台という相変わらずの大接戦。さらに、トップから2秒差に34台という大混戦となった。2番手にはガボール・タルマクシ(Fimmco Speed Up)。3番手にアレックス・バルドリーニ(Caretta Technology Race Dept)。以下、フリアン・シモン(Mapfre Asper Team)、トニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)と続き、富沢祥也(Technology-CIP)が0.586秒差で9番手。前戦カタルニアGPで優勝の高橋裕紀(TECH 3 Racing)は転倒を喫し24番手、JIR Moto2から2戦連続で代役出場の手島雄介は、2戦連続ぶっつけ本番の走行となり39番手だった。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 1番手)「すばらしいスタートが切れた。今年は初日に苦戦することが多かったが、こうして金曜日にトップタイムをマークできて、大きなステップを刻めた。今日は本当にいい仕事ができたし気分もいい。明日の予報が雨なので、それを考えれば今日は最高の一日となった。今日はタイヤテストに集中して、ソフトもハードにもトライした。本当なら、もう一日ドライで走りたいが、明日は少なくともどちらかのセッションはウエットになりそうな感じだ。サスペンションと電子制御は、もっとやれることがある。明日も引き続きセットアップに集中したい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 5番手)「トップから1秒差に大勢の選手がいるけれど、今日の5番手という結果はとてもうれしい。明日もこのポジションをキープしたい。この数戦、リアのグリップ不足という課題を抱えていて、今回もそれは変わらない。しかし、明日はそれを解決するために新しいセットアップにトライしてみたい。今日は本当にいいスタートが切れてうれしい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 10番手)「今日は電子制御に問題があって15分くらい時間をロスしてしまった。そのため、今日予定していたメニューを消化できなかった。もし、明日もドライで走れるなら、いい状態に仕上げる自信がある。今日のダニはズバ抜けて速かった。明日はその差を縮められるようにしたい。今日は10番手だったが、明日は上位を狙える自信がある」

山路敏幸|Repsol Honda Team 監督「今日は路面温度が非常に高く、タイヤの合わせ込みを重点的に行った。ダニに関しては、全体的にいいスタートが切れたし、フロントとリアのバランスをもう少し詰めたい感じだ。明日もドライなら、このままセットアップを進めていく。アンドレアは、セッション序盤に電気系のセットアップにやや時間を費やしてしまったが、終盤はいつも通りの状態になった。明日の予選ではフロントローを獲得できるようにしたい。明日は雨の予報だが、今年は開幕してからここまでウエットで走ったことがないので、もし、ウエットコンディションなら、決勝がどっちになってもいいようにセットアップを進めたい」

富沢祥也(Moto2 9番手)「今日は湿度が高く、日本のような暑さですごく疲れた。今回から新しいシャシーを使っているのだが、全体的にポテンシャルは上がっていると思う。今日はセットアップをまとめきれなかった。今週の月曜日にニューシャシーのテストをしているが、本番ではこれが初めて。まずまず、いい感じでスタートが切れた。今日は気温と路面温度が高くて、セッションの終盤は転倒車が多く、最後は慎重に走った。明日はフロントローに並べるようにがんばりたい」

高橋裕紀(Moto2 24番手)「セッション中盤過ぎに、1コーナーで転んでしまった。ブレーキングでリアが浮いて、リアが着地したときに振られてハイサイドになってしまった。ちょっと原因が分からないので、データを調べて、どうしてそうなったのか調べたい。今回は、前回の金曜日まで使っていた車体に補強を入れて走っている。前回のレースで使ったフレームをさらに一歩前進させたものになっているはずだが、今日の段階では、どっちがいいのか分からなかった。明日は天気が崩れるという予報なので、ちゃんと走っておきたかった。明日もドライで走れることを願っている」

手島雄介(Moto2 39番手)「今回もぶっつけ本番で初日を迎えることになったが、とにかく、コースを覚えることに集中した。カタルニアに比べて、ここはかなり難しい。前半のスローセクションと後半の高速セクションでどうバランスを取ったらいいのか、今日はまるでつかめなかった。しかし、チームメートのコルシが今日はトップタイム。バイクはこのコースに合っていると思うし、後は自分がどう走るかだけだと思う。8耐のテストから休みなしで来たので、今日はゆっくり休んで、明日はフリー、予選としっかり走りたい」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
126ダニ・ペドロサHonda1:22.521
227C.ストーナードゥカティ+0.274
369N.ヘイデンドゥカティ+0.462
411B.スピーズヤマハ+0.668
558マルコ・シモンチェリHonda+0.683
699J.ロレンソヤマハ+0.703
746V.ロッシヤマハ+0.723
814ランディ・デ・ピュニエHonda+0.739
933マルコ・メランドリHonda+0.769
104アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.879
1136M.カリオドゥカティ+0.901
1241A.エスパルガロドゥカティ+0.909
135C.エドワーズヤマハ+0.919
1465L.カピロッシスズキ+1.068
1540H.バルベラドゥカティ+1.078
1619A.バウティスタスズキ+1.499
1715アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.580

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
13シモーネ・コルシMOTOBI1:26.306
22ガボール・タルマクシSPEED UP+0.218
325アレックス・バルドリーニI.C.P.+0.306
460フリアン・シモンSUTER+0.452
524トニー・エリアスMORIWAKI+0.520
66アレックス・デボンFTR+0.554
740セルジオ・ガデアPONS KALEX+0.563
844ロベルト・ロルフォSUTER+0.567
948富沢祥也SUTER+0.586
1029アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.612
1117カレル・アブラハムFTR+0.633
1263マイク・ディ・ミリオSUTER+0.660
1350 ダミアン・カドリン PONS KALEX +0.680
1465ステファン・ブラドルSUTER+0.705
1512トーマス・ルティMORIWAKI+0.787
1619ザビエル・シメオンMORIWAKI+0.878
1710フォンシ・ニエトMORIWAKI+0.916
1852ルーカス・ペセックMORIWAKI+0.956
1941アルネ・トードSUTER+0.961
2045スコット・レディングSUTER+1.005
2135ラファエレ・デ・ロサTECH 3+1.008
2277ドミニク・エージャーターSUTER+1.030
2368ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+1.072
2472高橋裕紀TECH 3+1.110
2555ヘクトル・ファウベルSUTER+1.185
2614ラタパーク・ウィライローBIMOTA+1.190
274リチャード・カルダスBIMOTA +1.564
2861ウラジミール・イワノフMORIWAKI+1.573
298アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+1.629
305ホアン・オリベPROMOHARRIS+1.701
3132サッシャ・ホメルKALEX +1.781
3295マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+1.835
3316ジュール・クルーゼルSUTER+1.949
3459ニッコロ・カネパFORCE GP210+1.981
3571クラウディオ・コルティSUTER+2.079
3621ウラジミール・レオーノフSUTER+2.117
379ケニー・ノイズPROMOHARRIS+2.538
3853バレンティン・ドゥビーズADV+2.553
3911手島雄介MOTOBI+2.581
4039ロベルティーノ・ピエトリSUTER+3.568
4188ヤニック・グエラMORIWAKI+3.608

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ1:27.435
244P.エスパルガロデルビ+0.833
37E.バスケスデルビ+1.190
494J.フォルガーアプリリア+1.237
511S.コルテセデルビ+1.283
671小山知良アプリリア+1.495
712E.ラバトアプリリア+1.630
838B.スミスアプリリア+1.684
935R.クルメンナッハアプリリア+1.696
1099D.ウェッブアプリリア+1.898