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SUPER GT

round 01

SCHEDULE

April 6 2014, RACE SUPER GT Round 1

日本岡山国際サーキット

NSX CONCEPT-GTのデビュー戦で#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ組)が5位、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)が6位で、入賞を果たす。5台のNSX CONCEPT-GTがそろって完走

2014年4月6日(日)・決勝  会場:岡山国際サーキット(3.703km)  天候:晴れ、ときどき雨  気温:8℃(14:00時点)
路面温度:20℃(14:00時点)  コースコンディション:ドライ、一時セミウエット  観客:1万8000人

4月6日(日)、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにおいて、2014 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。

  • ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT
  • KEIHIN NSX CONCEPT-GTKEIHIN NSX CONCEPT-GT
  • ARTA NSX CONCEPT-GTARTA NSX CONCEPT-GT
  • RAYBRIG NSX CONCEPT-GTRAYBRIG NSX CONCEPT-GT
  • Epson NSX CONCEPT-GTEpson NSX CONCEPT-GT
  • ARTA CR-Z GTARTA CR-Z GT
  • MUGEN CR-Z GTMUGEN CR-Z GT

冷たい強風が吹くコンディションで行われた前日の公式予選では、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)と#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ組)の2台がQ2に進出し、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは7番グリッド、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは8番グリッドから決勝レースに臨むことが決まりました。そして#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮組)は12番グリッド、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)は14番グリッド、#32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)は15番グリッドをそれぞれ手にしました。

決勝日の午前9時にフリー走行が始まる直前までは、ドライコンディションでしたが、セッションの開始と前後して大粒の雨が降り始めたため、路面はすぐにウエットコンディションへと転じていきました。このため各車は、ウエットタイヤを装着して走行。ウエットコンディションでの感触を確認するとともに、ニュータイヤの表面を軽く摩耗させて素早く本来の性能が発揮できるようにする“皮むき”と呼ばれる作業を行い、決勝レースに備えました。

その後も雨が降ったり止んだりとなったフリー走行では、#32 Epson NSX CONCEPT-GTが4番手となって、Honda勢のトップに立ちました。そして#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは9番手、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは11番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは13番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは14番手のタイムを記録して30分間のセッションを終えました。

午前中は天候が安定せず、晴れ間が出たかと思うと急に雨が降り出し、ときにはあられが降ることもありましたが、昼過ぎには青空が広がり始めました。

決勝レースのスターティングドライバーは、7番グリッドの#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは金石選手、8番グリッドの#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは山本選手、12番グリッドの#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは松浦選手、14番グリッドの#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは武藤選手、15番グリッドの#32 Epson NSX CONCEPT-GTは中嶋選手が務めました。

今シーズンより導入された新型車両では、新たに採用されたカーボンブレーキのウォームアップにやや長い時間を要するため、今回はウォームラップ1周に加えて、フォーメーションラップ1周を行いました。ただし、フォーメーションラップ中に隊列を整えることができなかったことから、フォーメーションラップをさらにもう1周行ったあとに、ローリングスタートが切られました。なお、フォーメーションラップが通常より1周多くなったことを受けて、レースの周回数は予定よりも1周少ない81周となりました。

#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTに乗る山本選手は、スタートで機敏な動きを見せ、スターティンググリッドよりもポジションが2つ上の5番手となって1周目を終えました。また、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTに乗る金石選手は、スタート直後の混乱をくぐり抜け、予選順位と同じ7番手でオープニングラップを走りきりました。さらに#8 ARTA NSX CONCEPT-GTの松浦選手は12番グリッドから9番手へとジャンプアップしたほか、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの武藤選手は14番グリッドから12番手へ、#32 Epson NSX CONCEPT-GTの中嶋選手は15番グリッドから13番手へとそれぞれポジションを上げました。

その後も5台のNSX CONCEPT-GTは順調に周回を重ねていましたが、#32 Epson NSX CONCEPT-GTは後続車両に追突されたためにリアタイヤがパンク。このタイヤを交換するために16周目にピットストップを行いました。間もなく#32 Epson NSX CONCEPT-GTはコースに復帰しましたが、ボディーの一部がタイヤと接触していたためにタイヤから空気が漏れ出し、再びタイヤ交換を余儀なくされました。このため、#32 Epson NSX CONCEPT-GTは15番手に後退することになりました。

以降、新型のGT500車両は昨年のタイムを1秒から2秒も上回る1分22〜24秒の速いペースで走行しましたが、17周目前後からコースの一部で雨が降り始め、さらにその数周後には横殴りの強い雨となったため、一時は1分30秒前後までペースが落ちました。そうした中、ライバルの1台はウエットタイヤを求めてピットストップを行いましたが、5人のHondaドライバーはスリックタイヤのまま、ねばり強く周回を重ねていきます。この結果、雨が上がって晴れ間が見え始めた30周目の段階で、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは4番手まで躍進。#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは引き続き6番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは2つポジションを上げて7番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは1つポジションを上げて11番手、そして#32 Epson NSX CONCEPT-GTは引き続き15番手につけていました。

レースの折り返し地点が近づいた36周目になると、GT500クラスの中にもピットストップを行う車両が現れます。全車がピットストップを終えた50周目の段階で、Honda陣営のトップは、ドライバーがベルネ選手に代わった#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの4番手で、これに塚越選手が乗る#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの6番手、リウッツィ選手が乗る#8 ARTA NSX CONCEPT-GTの7番手、小暮選手が乗る#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの11番手、バゲット選手が乗る#32 Epson NSX CONCEPT-GTの15番手と続きます。

このあと、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTはライバルの1台にパスされて5番手へと後退。59周目には4番手のライバルに5秒近くリードされましたが、ベルネ選手の追い上げにより64周目に0.8秒差まで詰め寄りました。その後も1秒前後の間隔を保って周回を重ねていきますが、オーバーテイクのチャンスを見つけ出すことはなかなかできません。ほかの4人のドライバーも力走を続けましたが、同じく順位を上げるまでには至りませんでした。

63周目、リウッツィ選手はライバルに一瞬のすきをつかれ、8番手に後退します。

5人のHondaドライバーはさらに力走を続けましたが、結果は#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTが5位、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが6位、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが8位、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが9位でフィニッシュし、それぞれ入賞を果たしました。さらに、タイヤのパンクにより予定外のピットストップを2度行った#32 Epson NSX CONCEPT-GTも15位で完走しました。

この結果、ドライバー部門のタイトル争いでは#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの山本/ベルネ組が6点を獲得して5位、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越/金石組が5点を獲得して6位、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTのリウッツィ/松浦組が3点を獲得して8位、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの小暮/武藤組が2点を獲得して9位となっています。優勝は#37 KeePer TOM'S RC Fでした。

一方、GT300クラスは、前日の公式予選で#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が3番手、#0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)が5番手といずれも上位に食い込みましたが、決勝レースではエアリストリクター径が昨年の29.1mm×2から28.66mm×2へと縮小された影響を大きく受けたほか、路面上のタイヤかすがマシンのタイヤ表面にこびりついてグリップが低下する症状などに苦しめられた結果、#55 ARTA CR-Z GTは6位、#0 MUGEN CR-Z GTは9位でチェッカーフラッグを受けました。

第2戦は5月3日(土)、4日(日)に、富士スピードウェイで開催されます。

コメント

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
「まずは5台そろって完走できたことに満足しています。#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは5位でフィニッシュしましたが、レース後半はベルネ選手がだんだんマシンに慣れてきたことでペースが上がっていきました。結果としてミシュランタイヤを装着するマシンの中では最高位を得られたので、その意味でも現在の実力を出しきったように考えています。#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTはハンドリングの特性が安定しなかったため、あれ以上の追い上げはできなかったとの報告を受けています。一方、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTや#32 Epson NSX CONCEPT-GTには細かなトラブルが発生して、思うような結果を残せませんでした。全般的に、週末を通じてマシンが跳ねる症状を克服できず、これが上位入賞を阻む一因になったと考えています。ただし、第2戦が行われる富士では、すでにテストも行い、データも収集しているので、今回の結果も踏まえて、跳ねの症状を抑える対策を施す予定です。次のレースでは今回を上回る結果を残せるように努力していきますので、引き続きご声援のほど、よろしくお願い申し上げます」

山本尚貴(5位 #18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「スタートの混乱をうまく避けることができ、ポジションアップすることができました。途中で雨が降ってくるなど難しいコンディションの中で、ベルネ選手にきちんとバトンを渡すことができたので、自分の仕事はしっかり果たせました。まだまだマシンの改善をして、全体的にベースアップをしなければなりませんが、その中でも今日は、チームもドライバーも最善を尽くせたかと思います。ただ、Honda最上位ではあるものの、望んでいる結果ではありません。次戦の富士は苦戦した過去がありますが、Hondaチームが一丸となって、全体的に底上げを図って臨みたいと思います」

ジャン・カール・ベルネ(5位 #18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「山本選手が前半を4番手で終え、僕は5位でフィニッシュしました。僕に交代した直後は3番手のライバルともそれほど離れていませんでしたが、僕にとってSUPER GTのレースは今回が初めてだったので、特に最初は絶対にリスクを冒さないよう、注意しながら走行しました。とはいえ、NSX CONCEPT-GTはとても安心してドライブできるマシンなので、楽しみながらレースを戦うことができました。昨日の予選ではミスをしてしまったので、次回の課題は予選だと考えています。もちろん、決勝レースでのドライビングもさらに改善していくつもりですが、今回5位でフィニッシュできたことは、自分のためにも、そしてチームのためにもよかったと思います」

塚越広大(6位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「正直、厳しいレースでした。金石選手のスティントではポジションを守ることが精一杯の状況でしたし、自分に交替してからもプッシュしていきましたが、マシンのバランスが安定しない症状が出ていました。途中で雨が降りましたが、僕たちはそれを味方につけることもできませんでした。ポイントを獲得できたことはよかったですが、もっと上位を狙いたかったので、非常に悔しいレースとなりました。次の富士に向けて、もっとパフォーマンスを上げられるよう修正したいと思います」

金石年弘(6位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「前日の予選から今日のフリー走行まではいい流れで来ていたのですが、決勝ではマシンのバランスが今までと違っていて、コントロールが難しい状況でした。とにかく周回を重ねて塚越選手につなぐことを第一に考えて走っていました。今日が終わっていろいろと課題も出てきているので、もう一度マシンを見直して次の富士に挑みたいと思います」

決勝リザルト

GT500
順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 37KeePer TOM'S RC F 伊藤大輔/A.カルダレッリ 81 1'57:15.816
2 6 ENEOS SUSTINA RC F 大嶋和也/国本雄資 81 +5.026
3 12カルソニックIMPUL GT-R 安田裕信/J.P.デ・オリベイラ 81 +18.818
4 39 DENSO KOBELCO SARD RC F 石浦宏明/O.ジャービス 81 +21.475
5 18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ 81 +23.259
6 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越広大/金石年弘 81 +31.039
 
8 8ARTA NSX CONCEPT-GT ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮 81 +1'07.608
9 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 小暮卓史/武藤英紀 80 +1Lap
15 32 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋大祐/ベルトラン・バゲット 75 +6Laps
GT300
順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 4グッドスマイル 初音ミク Z4 谷口信輝/片岡龍也 77 1'58:28.101
2 7 Studie BMW Z4 J.ミューラー/荒聖治 77 +0.329
3 11 GAINER DIXCEL SLS 平中克幸/B.ビルドハイム 76 +1Lap
4 3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹/L.オルドネス 76 +1Lap
5 65 LEON SLS 黒澤治樹/峰尾恭輔 76 +1Lap
6 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 76 +1Lap
 
9 0MUGEN CR-Z GT 中山友貴/野尻智紀 75 +2Laps

ポイントスタンディング

ドライバー

GT500
順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 37 伊藤大輔/A.カルダレッリ KeePer TOM'S RC F 20
2 6 大嶋和也/国本雄資 ENEOS SUSTINA RC F 15
3 12 安田裕信/J.P.デ・オリベイラ カルソニックIMPUL GT-R 11
4 39 石浦宏明/O.ジャービス DENSO KOBELCO SARD RC F 8
5 18 山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 6
6 17 塚越広大/金石年弘 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 5
 
8 8 ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮 ARTA NSX CONCEPT-GT 3
9 100 小暮卓史/武藤英紀 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 2
GT300
順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 4 谷口信輝/片岡龍也 グッドスマイル 初音ミク Z4 20
2 7 J.ミューラー/荒聖治 Studie BMW Z4 15
3 11 平中克幸/B.ビルドハイム GAINER DIXCEL SLS 11
4 3 星野一樹/L.オルドネス B-MAX NDDP GT-R 8
5 65 黒澤治樹/峰尾恭輔 LEON SLS 6
6 55 高木真一/小林崇志 ARTA CR-Z GT 5
 
9 0中山友貴/野尻智紀MUGEN CR-Z GT 2

チーム

GT500
順位 チーム 総合ポイント
1 LEXUS TEAM KeePer TOM'S 23
2 LEXUS TEAM LeMans ENEOS 18
3 TEAM IMPUL 14
4 LEXUS TEAM SARD 11
5 ウイダー モデューロ 童夢 レーシング 9
6 ケーヒン リアル レーシング 8
 
8 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 6
9 チームクニミツ 4
15 エプソン・ナカジマレーシング 1
GT300
順位 チーム 総合ポイント
1 GOODSMILE RACING & TeamUKYO 23
2 BMW Sports Trophy Team Studie 18
3 GAINER 14
4 NDDP RACING 11
5 LEON RACING 9
6 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 8
 
9 チーム 無限 3