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全日本選手権スーパーフォーミュラ

round 07

SCHEDULE

November 8 2015, RACE 2015 Japanese Championship SUPER FORMULA Round7

日本鈴鹿サーキット

ポールポジションからスタートした#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)がレース2で優勝
Hondaのエンジン「HR-414E」搭載のマシンが最終戦で今シーズン初優勝を果たす
#16 山本選手はJAFグランプリのタイトルも獲得

2015年11月8日(日)・決勝  会場:鈴鹿サーキット(5.807km)  天候:雨  気温:レース1/15℃(10:00時点)、
レース2/15℃(15:00時点)  路面温度:レース1/17℃(10:00時点)、レース2/17℃(15:00時点)  
決勝レース:レース1/20周、レース2/27周  コースコンディション:レース1/ウエット、レース2/ウエット  
観客:1万6000人(主催者発表)

11月8日(日)、三重県鈴鹿市稲生町の鈴鹿サーキットにおいて、2015年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第7戦(最終戦)の決勝レースが開催されました。

  • 山本尚貴選手山本尚貴選手
  • 山本尚貴選手(中央)山本尚貴選手(中央)
  • 山本尚貴選手山本尚貴選手
  • 山本尚貴選手山本尚貴選手
  • 山本尚貴選手山本尚貴選手

最終戦となる本大会は2レース制で開催されます。20周で行われるレース1はタイヤ交換の義務がなく、28周で行われるレース2はタイヤを途中で4本交換しなければならない点も昨年と変わりありません。ただし、レインタイヤでスタートするコンディションとなった場合は、タイヤ交換の義務はなくなります。

7日(土)の予選は、レース1のスターティンググリッドはQ1の結果で決め、レース2のスターティンググリッドはQ1〜Q3の順位に応じて決定する形で行われました。レース1の予選では#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)の6番手を筆頭に、#34 小暮卓史選手(DRAGO CORSE)は8番手、#41 ナレイン・カーティケヤン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は9番手、#40 野尻智紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は10番手、#11 伊沢拓也選手(REAL RACING)は12番手、#65 ベルトラン・バゲット選手(NAKAJIMA RACING)は15番手、#10 塚越広大選手(REAL RACING)は16番手、#64 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は18番手となりました。ただし、#41 カーティケヤン選手と#64 中嶋選手は、エンジン交換を行った関係で10グリッドダウンのペナルティが科せられました。

そしてレース2の予選では、#16 山本選手がポールポジションを獲得し、#40 野尻選手が3番手、#34 小暮選手は9番手、#11 伊沢選手は12番手、#41 カーティケヤン選手は14番手、#65 バゲット選手は15番手、#10 塚越選手は16番手、#64 中嶋選手は18番手の各グリッドからスタートすることが決まりました。

本日の鈴鹿サーキットの上空は、あいにくの雨雲に覆われました。雨脚は強くないものの、昨晩から降り続いた影響で路面は濡れており、フォーミュラカーが走行すると水煙により、視界が遮られるコンディションとなりました。このため、午前10時に始まるレース1は、セーフティカーに先導されてスタートが切られることになりました。

2周目を終えたところでセーフティカーが退去し、競技が本格的に始まりました。ただし、水煙が予想以上に激しく、どのドライバーも慎重に周回を重ねていきました。

3周目に、9番手の#40 野尻選手が、目の前を走る#34 小暮選手に猛チャージをかけます。激しい攻防を繰り広げる2台は、シケインで軽く接触したものの、#40 野尻選手がオーバーテイクに成功して8番手に浮上し、#34 小暮選手は9番手に後退しました。

その後、7番手を走るライバルが6番手の#16 山本選手に急接近し、7周目のシケインで2台が接触します。この影響で、ライバルはヘアピンでコースアウトし、レースを終えましたが、#16 山本選手は7番手に後退して走行を続けました。

11周目に、#64 中嶋選手は直前を走る15番手のライバルに迫ります。1コーナーでインに飛び込もうとしたところ、2台は接触してコースアウト。幸いにも2人のドライバーにケガはありませんでしたが、2台ともここでリタイアとなってしまいました。

レースが後半に入ると、雨脚がやや強まり、さらにコースアウトを喫するドライバーが出ました。その影響もあって、5番手まで順位を上げていた#16 山本選手ですが、ゴール目前の19周目にスローダウンし、ピットに戻ってレースを終えます。これはレース序盤のバトルでライバルと軽く接触した影響で、右後輪のホイールナットが緩み、走行を続けられなくなったのが原因でした。

結果として、Honda勢では#40 野尻選手の5位が最上位となり、#34 小暮選手は6位、#11 伊沢選手は8位、#10 塚越選手は9位、#65 バゲット選手は11位、#41 カーティケヤン選手は12位でフィニッシュしました。19ラップを周回して完走したと認定された#16 山本選手は14位となりました。

雨はレース1のあとにいったん上がりましたが、午後3時に予定されていたレース2のスタート時刻が近づくと再び降り始め、レース2はレース1と同様のコンディションとなりました。このため、全車がレインタイヤを装着してスターティンググリッドに整列することとなり、レース中のタイヤ交換は義務づけられないことになりました。

1周のフォーメーションラップが終わって、スタートの合図であるレッドシグナルが消え始めたところ、ライバル陣営のマシンから小さな火の手が上がったため、スタートはやり直しとなります。この影響でレースの周回数は当初の28周から27周に減算されました。

15分間のインターバルのあと、1周のフォーメーションラップに続いてスタンディングスタートが切られ、27周の決勝レースが始まりました。ポールシッターの#16 山本選手は、順当にトップを守って1コーナーに進入。#40 野尻選手も3番手のポジションを守りきったほか、スタート時にトラブルを起こしたドライバーが、最後尾からスタートすることになった影響もあって、#34 小暮選手は7番手、#10 塚越選手は12番手、#65 バゲット選手は13番手、#11 伊沢選手は14番手、#64 中嶋選手は16番手でオープニングラップを終えました。なお、#41 カーティケヤン選手は、スタート直後にライバルのマシンと接触して、フロントウイングにダメージを負った影響でピットストップを行い、19番手へと後退しました。

最後尾を走る#41 カーティケヤン選手は、目の前に行く手を遮るドライバーがいないこともあって、ペースアップを図り、4周目に1分55秒809のベストラップを記録します。このタイムはレース2全体のファステストラップとなりました。

トップを走る#16 山本選手のペースは速く、2番手のドライバーとの差を2周目に2.0秒、5周目に3.9秒と次第に広げていきます。

6周目、#40 野尻選手はシケインで後続のドライバーに攻略され、4番手へと後退しました。その後も#40 野尻選手のペースは上がらず、10周目のシケインで、ライバルの一人に追突されると、そのままピットロードに駆け込みます。このとき、#40 野尻選手のマシンは電気系のトラブルにより、ギアチェンジができない状態に陥っており、ここでリタイアに追い込まれました。

13周目のシケインでライバルの一人に追突された#34 小暮選手は、それまでの5番手から7番手へと後退しましたが、その後はペースを取り戻し、順調に周回を重ねていきます。

14周目に2番手を5.2秒リードしていた#16 山本選手は、ここからペースアップを図り、16周目には6.2秒差、18周目には7.0秒差とライバルを突き放していきます。

22周目に、ヘアピンコーナーの手前で#65 バゲット選手は電気系トラブルに見舞われてペースが鈍り、コースサイドにマシンを停めることとなります。#65 バゲット選手はここでリタイアを喫しました。

24周目に、#10 塚越選手はシケインでライバルに攻略されてポジションを落とし、チームメートの#11 伊沢選手は25周目に2つ順位を落とし、#10 塚越選手は10番手、#11 伊沢選手は15番手となります。

#16 山本選手は最後まで安定したペースで走りきり、2番手を5.7秒引き離して優勝。Honda勢に今シーズン初優勝をもたらしました。これに続いたのは7位入賞を果たした#34 小暮選手で、さらに#64 中嶋選手は10位、#10 塚越選手は11位、#41 カーティケヤン選手は14位、#11 伊沢選手は15位でフィニッシュしました。

なお、最終戦で獲得した選手権ポイントの合計で競われるJAFグランプリのタイトルは、#16 山本選手とレース1で優勝した#2アンドレ・ロッテラー選手(トヨタ)が9点で並びましたが、規定により周回数の多いレース2の成績が優先され、#16 山本選手にタイトルが贈られることになりました。

これで2015年 全日本選手権スーパーフォーミュラの全日程が終了しました。今後、Hondaはタイトル奪還を目指し、2016年シーズンに向けた開発に全力を投じることとなります。

コメント

佐伯昌浩|「HR-414E」開発責任者
「今シーズンは、予選結果はよくてもスタートが決まらなかったり、オープニングラップのアクシデントに巻き込まれるなど、これまで結果を残せませんでしたが、今回は#16 山本選手と#40 野尻選手の2人がスタートを決めてくれたおかげで、このような成績を収めることができました。#16 山本選手は、レースを通じて速いペースで周回しましたが、これはドライバーとチームの努力によるところが大きかったと考えています。本当は、シーズンのもっと早い段階でこのような結果が出せればよかったのですが、最終戦で優勝できてうれしく思っています」

山本尚貴選手(レース1/14位 レース2/優勝 #16 TEAM 無限)
「優勝できて素直にうれしく思っています。レース1ではマシンの調子があまりよくなく、レース2に不安を持っていましたが、エンジニアがすばらしいマシンを作ってくれたおかげで、本当に気持ちよく走ることができました。スタートも不安があり、練習は何度も行いましたが、本番でも何が正解なのか分からない中で、なんとか無難にスタートを決められました。走っている最中はいろいろなことを考えず、攻めることでしか集中できないと思っていました。それが最後までラップタイムを落とさずに走って勝てた要因だと思います」

野尻智紀選手(レース1/5位 レース2/リタイア #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「ポイントランキングの5位争いが拮抗していて、その争いをしているライバルの上にいきたいと思っていました。レース1では、ギリギリではありましたが、序盤で#34 小暮選手をオーバーテイクできて、5位でチェッカーを受けられたのはよかったです。レース2は、最初の感触がよくて『そのまま行ってやろう』と思っていたのですが、序盤で電気系トラブルが起きてしまいました。運が悪かったです。シーズンオフにはしっかり運をつけて、来シーズンはチャンピオンを狙います」

小暮卓史選手(レース1/6位 レース2/7位 #34 DRAGO CORSE)
「レース1は前が見えず、ヘルメットも曇ってしまうコンディションだったので、厳しいレースとなりました。もう少しいいレースができたとは思いますが、ポイントが獲得できたことはよかったです。レース2は途中で追突があるなど残念なことがあり、ペースも上げられませんでした。レース1よりも気持ちよく走れませんでしたが、仕方がないです。今シーズンはチームとして大きな成長がありました。その経験を来年につなげたいと思います」

決勝

レース1

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
12A.ロッテラートヨタ2042'03.785
238石浦宏明トヨタ20+5.895
38小林可夢偉トヨタ20+6.632
41中嶋一貴トヨタ20+36.779
540野尻智紀Honda20+47.378
634小暮卓史Honda20+51.243
 
811伊沢拓也Honda20+54.903
910塚越広大Honda20+55.939
1165ベルトラン・バゲットHonda20+1'00.699
1241ナレイン・カーティケヤンHonda20+1'01.638
1416山本尚貴Honda19+1Lap
RT64中嶋大祐Honda10+10Laps

レース2

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
116山本尚貴Honda2752'32.553
21中嶋一貴トヨタ27+5.712
319J.P.デ・オリベイラトヨタ27+11.324
438石浦宏明トヨタ27+30.889
57平川亮トヨタ27+35.407
618中山雄一トヨタ27+45.852
 
734小暮卓史Honda27+46.989
1064中嶋大祐Honda27+56.658
1110塚越広大Honda27+57.212
1441ナレイン・カーティケヤンHonda27+1'08.591
1511伊沢拓也Honda27+1'14.369
RT65ベルトラン・バゲットHonda 21 +6Laps
RT40野尻智紀Honda 10 +17Laps

ポイントスタンディング

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
138石浦宏明トヨタ51.5
21中嶋一貴トヨタ45.5
32A.ロッテラートヨタ40
419J.P.デ・オリベイラトヨタ34
516山本尚貴Honda26
68小林可夢偉トヨタ20
 
740野尻智紀Honda19
1064中嶋大祐Honda7
1141ナレイン・カーティケヤンHonda6
1311伊沢拓也Honda4.5
1534小暮卓史Honda2.5
-10塚越広大Honda
-65ベルトラン・バゲットHonda