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November 8 2014, QUALIFIYING Japanese Championship SUPER FORMULA Series Round 7
鈴鹿サーキット
2014年11月8日(土)・予選 会場:鈴鹿サーキット(5.807km) 天候:曇り 気温:18℃(14:00時点)
路面温度:19℃(14:00時点) コースコンディション:ドライ
11月8日(土)、三重県鈴鹿市稲生町にある鈴鹿サーキットにおいて、2014年 全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦(最終戦)の公式予選が開催されました。
燃費効率が高くて環境に優しい新開発の2リッター直列4気筒直噴ターボと、こちらも新開発となる車両、SF14によって競われてきた今シーズンのスーパーフォーミュラも本大会が最終戦となります。
今回は、名誉あるJAFグランプリのタイトルがこの最終戦にかけられることとなりました。JAFグランプリは、国内最高峰のレースに設定されるもので、昨年まではスーパーフォーミュラとSUPER GTの公式戦後に開催される富士スプリントカップがその対象となっていました。しかし、今年は富士スプリントカップが開催されなかったこともあり、スーパーフォーミュラの最終戦である本大会にJAFグランプリがかけられました。なお、1970年代後半から1986年にかけては、鈴鹿サーキットで開催される国内トップフォーミュラカーレースの最終戦にJAFグランプリが設定されていたため、今年はその歴史が28年ぶりに復活したともいえます。
最終戦は昨年同様、2レース制で開催されます。このうち、本日は午前9時15分から1時間にわたってフリー走行を行った後、午後1時30分からノックアウト方式による公式予選が行われました。ノックアウト方式の公式予選は、全20台が出走するQ1の上位14台がQ2に出走し、Q2の上位8台が最終セッションのQ3にするという形で競われます。このうち、レース1のスターティンググリッドはQ1の結果で決定しますが、レース2のスターティンググリッドは、1〜8番グリッドはQ3の結果、9〜14番グリッドはQ2の結果、そして15〜19番グリッドはQ3の結果に基づいて決めます。
また、第4戦もてぎ大会、第5戦オートポリス大会、第6戦SUGO大会では、安全性などに鑑みて燃料の流入量が本来の100kg/hよりも10kg/h低い90kg/hの燃料リストリクターが採用されてきましたが、本大会ではこれが100kg/hに戻されました。この点も見どころの1つになると期待されています。
チャンピオン争いのドライバー部門では、トップと21点差の12点で9番手につけている#1 山本尚貴選手(TEAM 無限)がHonda勢のトップとなっています。ただし、最終戦で獲得できるポイントは最大18ポイントなので、Hondaドライバーが今シーズンのチャンピオンに輝く可能性は残念ながら残されていません。
午前中に行われたフリー走行では、1分39秒146を記録して8番手となった#41 武藤英紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がHonda勢のトップでした。これに続いたのは11番手の#11 ヴィタントニオ・リウッツィ選手(HP REAL RACING)で、さらに#10 塚越広大選手(HP REAL RACING)は12番手、#1 山本選手は13番手、#40 野尻智紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は14番手、#34 伊沢拓也選手(DRAGO CORSE)は15番手、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)が16番手、#2 中山友貴選手(TEAM 無限)は17番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は18番手のタイムをそれぞれ記録しました。
20分間で競われるQ1は午後1時30分にスタートしました。多くのドライバーは1度コースインしてからピットに戻り、マシンの状態をチェック。その後、タイミングを見計らいながらタイムアタックを行いました。20名のドライバーが最初のアタックを終えた段階で、トップに立ったのは1分38秒932をマークした#1 山本選手でした。そのほか、#41 武藤選手は8番手、#2 中山選手は9番手、#40 野尻選手は10番手につけていました。
その後、各ドライバーはいったんピットに戻り、コースコンディションがさらに改善されるのを待ちます。そしてセッションが残り6分を切ったところで各車ともコースインを開始し、2回目のタイムアタックを行いました。その結果、1分38秒474までタイムを縮めた#1 山本選手の6番手がHonda勢のトップとなりました。以下、#10 塚越選手は9番手、#2 中山選手は12番手、#40 野尻選手は13番手、#41 武藤選手は14番手、#32 小暮選手は15番手、#34 伊沢選手は16番手、#31 中嶋選手は17番手、#11 リウッツィ選手は18番手となりました。これでレース1のスターティンググリッドが確定するとともに、#1 山本選手、#10 塚越選手、#2 中山選手、#40 野尻選手、#41 武藤選手の5名はQ2に進出することとなりました。
セッションが7分間と短いQ2では各ドライバーが続々とコースインし、タイムアタックを行いました。この結果、1分38秒375をマークした#10 塚越選手の9番手がHonda勢のトップとなり、以下、#1 山本選手は11番手、#40 野尻選手は12番手、#2 中山選手は13番手、#41 武藤選手は14番手となりました。この結果、残念ながらHonda勢のQ3進出はなりませんでした。
なお、#1 山本選手、#2 中山選手、#10 塚越選手、#41 武藤選手の4名は今回のレースに先立ってエンジン交換を行いましたが、このうち第6戦SUGO大会で7位に入賞した#1 山本選手のみ、本大会のレース1で10グリッドダウンのペナルティーが科せられることになります。この影響で#1 山本選手は16番グリッドからのスタートとなるほか、#10 塚越選手、#2 中山選手、#40 野尻選手、#41 武藤選手、#32 小暮選手、#34 伊沢選手はQ1の結果より1つ上のポジションからスタートすることになります。
決勝は9日(日)に行われ、20周で競われるレース1は午前10時10分、28周で競われるレース2は午後3時にそれぞれスタートが切られます。
佐伯昌浩(Masahiro Saiki)|「HR-414E」開発責任者
「結果的にライバル陣営に上位グリッドを独占される格好となりましたが、ドライバーに聞いてもエンジニアに聞いても、フィーリングは決して悪くないという答えが返ってきます。どうやら各セクションでほんの少しずつ負けており、それが1ラップになったときに目に見える形になって表れたようです。HR-414Eの開発に際し、シーズン中の3戦は燃料の流入量が90kg/hになることがあらかじめ分かっていたので、Hondaは100kg/hと90kg/hのそれぞれでベストになるように設計したのに対して、ライバル陣営は100kg/hにより重点を置いた開発をしていたのかもしれません。いずれにしても、今日の結果をよく解析し、打てる対策は講じた上で明日の決勝レースに臨むつもりです」
塚越広大選手(9番手 #10 HP REAL RACING)
「今回は最終戦なので、今シーズンの集大成といえるようなレースにしたいと意気込んでやってきました。僕たちは第5戦オートポリス大会からマシンの調子がよくなっていて、今回もその延長線上でマシンを用意してきたので感触はよく、午前中のフリー走行でもコースコンディションにきちんとセッティングを合わせることができました。Q3に進出できなかったのは残念でしたが、自分たちとしてはきっちりと戦うことができました。結果としてHonda勢の最上位になれたので、その意味では満足しています。明日の決勝レースでは雨が降る見通しですが、そうしたコンディションに惑わされることなく、しっかり順位を上げてゴールしたいと考えています」
中山友貴選手(13番手 #2 TEAM 無限)
「今日は走り始めの段階からマシンの調子がよく、フリープラクティスではセッティングの細かい詰めを行っていましたが、その途中でマシンをクラッシュさせてしまいました。ただし、チームが時間内にしっかりと修復してくれたので、予定どおり公式予選に臨むことができました。Q1では2セットの新品タイヤを投入してタイムを狙いました。さらにQ2に向けては路面コンディションがさらによくなると予想してセットアップをアジャストしましたが、この状況にドライビングの面で十分に対処ができず、このためQ3進出はできませんでした。今回はQ3進出を狙っていたのでこの結果は残念ですが、それでもシーズン中に徐々にパフォーマンスが向上してきたことには満足しています。明日はウエットレースになるとの予報ですが、雨のレースは嫌いではないので、混戦のなかでしっかり順位を上げられるよう、がんばるつもりです」
野尻智紀選手(12番手 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「今日は、セットアップの面で周囲のドライバーにやや後れを取っているような印象があり、このため期待したような結果が得られず、とても残念に思っています。マシンとしては、リアグリップの粘りがいま一つ足りない印象でした。今シーズンはレースを通じて雨が降り続いたことがまだ一度もないので、明日のレースについては予想が難しい部分もありますが、僕たちは第4戦もてぎ大会でレース中に雨が降り始めたときは速かったので、この点についてはポジティブにとらえています。まずは落ち着いてレースを戦いたいと思います」
山本尚貴選手(11番手 #1 TEAM 無限)
「同じく鈴鹿で開催された開幕戦のときに比べるとマシンは確実によくなっていますが、進歩しているのは自分たちだけでなく、ほかのドライバーも同じようによくなっているので、逆転するのは容易なことではありません。予選では、セットアップにしても自分のドライビングにしても、少しずつ不足している点があったのは事実ですが、たとえそれらが完ぺきだったとしてもポールポジションを狙える状況ではなかったと思います。その意味では、Hondaとしてレベルアップを図っていくことが必要だと考えています。明日は2レースとも後方からのスタートとなりますが、与えられた条件のなかでベストを尽くし、ポイントを獲得して帰ってこられるようなレースを演じたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | 中嶋一貴 | トヨタ | 1'37.507 |
2 | 8 | L.デュバル | トヨタ | 1'37.671 |
3 | 36 | A.ロッテラー | トヨタ | 1'37.717 |
4 | 39 | 国本雄資 | トヨタ | 1'37.862 |
5 | 38 | 石浦宏明 | トヨタ | 1'37.900 |
6 | 19 | J.P.デ・オリベイラ | トヨタ | 1'38.000 |
9 | 10 | 塚越広大 | Honda | 1'38.375 |
11 | 1 | 山本尚貴 | Honda | 1'38.434 |
12 | 40 | 野尻智紀 | Honda | 1'38.823 |
13 | 2 | 中山友貴 | Honda | 1'39.010 |
14 | 41 | 武藤英紀 | Honda | 1'39.142 |
15 | 32 | 小暮卓史 | Honda | 1'39.450 |
16 | 34 | 伊沢拓也 | Honda | 1'39.630 |
17 | 31 | 中嶋大祐 | Honda | 1'39.705 |
18 | 11 | ヴィタントニオ・リウッツィ | Honda | 1'39.729 |