モータースポーツ > スーパーバイク世界選手権 > 第10戦 マレーシア > 決勝

スーパーバイク世界選手権

round 10

SCHEDULE

August 2 2015, RACE FIM Superbike World Championship Malaysia

マレーシアマレーシア

ギュントーリが両レースで今季ベストの4位
ファン・デル・マークは第2レースを5位でフィニッシュ

2015年8月2日(日)・決勝  会場:セパン・サーキット  
天候:晴れ  気温:第1レース/31℃、第2レース/31℃  コースコンディション:ドライ

第10戦マレーシア大会が、7月31日(金)〜8月2日(日)までの3日間、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開催されました。セパンでスーパーバイク世界選手権が開催されるのは今年で2度目です。

  • シルバン・ギュントーリ(#1)、マイケル・ファン・デル・マーク(#60)シルバン・ギュントーリ(#1)、マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • シルバン・ギュントーリシルバン・ギュントーリ
  • シルバン・ギュントーリ(#1)シルバン・ギュントーリ(#1)
  • シルバン・ギュントーリ(#1)、マイケル・ファン・デル・マーク(#60)シルバン・ギュントーリ(#1)、マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • マイケル・ファン・デル・マーク(#60)マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク
  • カイル・スミスカイル・スミス

セパンは、一周5.548km。長いストレートとバラエティに富むコーナーを組み合わせたレイアウトは、リズム感あふれるサーキットとして選手たちに好評です。セパンでは1999年から、ロードレース世界選手権のマレーシアGPが開催されています。ここ数年、スーパーバイク世界選手権の開催を望む声が多く、シリーズの舞台としてカレンダーに組み込まれました。

今年のマレーシア大会は、鈴鹿サーキットで開催された鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)の翌週の開催となり、Pata Honda World Superbike Teamのマイケル・ファン・デル・マークとPata Honda World Supersport Teamのカイル・スミスが、鈴鹿からセパン入りしました。

2013年、14年と、MuSASHi RT HARC-PRO.から鈴鹿8耐に出場し、2年連続で優勝を果たしたものの、今年は悔しいリタイアに終わったファン・デル・マークは「昨年、おととしと違って、今年は残念な結果に終わり、がっかりしています。しかし、セパンでチームのみんなと合流し、気持ちが切り替わりました。セパンは、コースレイアウト的にも気候的にもタフですが、昨年はスーパースポーツでいいレースができ、優勝できました。今年はスーパーバイクで初めて走ることになりますが、すごく楽しみです」と、ラグナセカ・レースウェイで行われた第9戦アメリカ大会、日本で行われた鈴鹿8耐に続く、3週連続のレースに疲れた様子も見せず、気合十分で大会を迎えました。

チームメートでディフェンディングチャンピオンのシルバン・ギュントーリは「昨年は表彰台に立っていますし、今年も表彰台を目指します。セパンは高速コースで、我々にとって、とても重要な意味を持つサーキットです。このサーキットでは、これまでと異なるフロントのセッティングに挑んでみたいです」と、気合を入れていました。

ギュントーリは、初日のフリー走行で9番手。2日目に行われた3回目のフリー走行で4番手へとポジションを上げました。そして、上位12台で行われるスーパーポールでは、今季ベストの3番手に。シーズン初のフロントローを獲得しました。

ギュントーリは初日のフリー走行が終わったときに「今日は9番手でしたが、内容としては4〜5番手だったと思います」と語り、2日目のフリー走行で、それを証明しました。そしてスーパーポールでは「今日は、これまで苦労してきたスピードの物足りなさを解消できました。タイヤには厳しいレースになりそうですが、久しぶりに気持ちよく決勝を迎えられそうです」と、上り調子をアピールしました。

ギュントーリは、その勢いを決勝レースにつなげました。両レースで好スタートを切り、セカンドグループを走行したギュントーリは、ともにシーズンベストとなる4位でフィニッシュしました。第1レースは、オープニングラップで7番手。終盤には、ペースの上がらないライダーたちを次々にパスして4位まで浮上しました。第2レースは、チームメートのファン・デル・マークとレオン・ハスラム(アプリリア)の3台でし烈な4番手争いを繰り広げると、終盤には2人を突き放して4位でフィニッシュしました。

ファン・デル・マークも、久しぶりに手応えのあるレース内容となりました。初日のフリー走行は10番手。2日目のフリー走行は接戦の中で12番手に終わり、スーパーポール2へは進めませんでしたが、「スーパーバイクでセパンを走るのは初めてです。金曜日は雨が降って思うようにコースを攻略できませんでしたが、内容は悪くなかったと思います。12番グリッドから追い上げる自信があります」と語っていましたが、決勝では、その言葉通りの快走をみせました。

第1レースでは、オープニングラップの10番手から、3周目に8番手までポジションをアップ。その後、トラブルが出てペースダウンを強いられ、7周を終えた段階でピットに戻り、リタイアとなりました。しかし、第2レースでは好スタートからチームメートのギュントーリの背後に迫り、4番手争いに参加。最終的に5位でチェッカーを受けました。

これで10戦を終えて、ギュントーリは総合6位。ファン・デル・マークは総合7位。1カ月半のサマーブレイクを挟み、残りの3戦に挑むことになります。

スーパースポーツ世界選手権は、第7戦ポルトガル大会からHondaのCBR600RRに乗り換えたパトリック・ジェイコブセン(CORE" Motorsport Thailand)が、キャリア初のポールポジションから初優勝を果たしました。なお、アメリカ人選手として初の、スーパースポーツウイナーとなりました。

スーパースポーツ世界選手権への参戦2年目となるジェイコブセンは、CBR600RRに乗り換えた最初のレースである、第7戦ポルトガル大会で3位入賞。第8戦イタリア大会では2位に入り、連続で表彰台に立ちました。そして3戦目となった今大会では、CBR600RRのパフォーマンスを最大限に引き出し、ポール・トゥ・ウインを達成しました。

優勝したジェイコブセンは、今大会4位でランキングトップのケナン・ソフォーグル(カワサキ)に28点差、ランキング2位のジュール・クルーゼル(MVアグスタ)には15点差まで迫りました。残り3戦で逆転チャンピオンの可能性が存在します。

鈴鹿8耐にF.C.C. TSR Hondaから出場し、2位に入ったスミスは、今大会5位をでフィニッシュしました。以下、ロベルト・ロルフォ(Team Lorini)が6位、マーチン・カルデナス(CIA Landlords Insurance Honda)が7位、ジノ・レイ(CIA Landlords Insurance Honda)が8位となりました。

コメント

シルバン・ギュントーリ(スーパーバイク 4位/4位)
「いい週末になりました。予選タイヤで走った土曜日に、これまでよりもペースを上げることに成功しました。その結果、フロントローを獲得できました。これまで、チームとともに全力でがんばってきましたが、それをなかなか結果につなげられませんでした。それだけに、うれしい結果です。今日は2レースともに厳しい戦いでした。レースを通じてプッシュを強いられましたが、結果を残せたことで、気持ちよくサマーブレイクに入れることを、うれしく思います。4位では表彰台に立てません。しかし、表彰台は遠くなく、すぐそこにあると感じています。さらにいいパフォーマンスを得るために、これまで以上に全力を尽くします。あと3戦、いい結果を残してシーズンを終えたいです」

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク リタイア/5位)
「5位でチェッカーを受けられてうれしいです。しかし、第1レースをリタイアしているので、完全には満足していません。第2レースは、すばらしいスタートが切れましたし、シルバンといいバトルができました。そして、最終ラップにはレオン(ハスラム)をパスできました。それを考えれば、第1レースも、4位か5位を争えたと思います。それだけにリタイアは残念です」

パトリック・ジェイコブセン(スーパースポーツ 優勝)
「優勝できて本当にうれしいです。アメリカ人としては初めてだと聞き、そのこともうれしいです。厳しいレースでした。スタートからフィニッシュまで全力でした。最終ラップの最終コーナーまでどうなるか分かりませんでしたが、トップでフィニッシュできて最高の気分です。これで気持ちよく、夏休みを迎えられます。チーム、スタッフに感謝しています」

カイル・スミス(スーパースポーツ 5位)
「今日の5位という結果に満足しています。セパンは初めて走るサーキットでしたし、金曜日はスコールのために1セッションがウエットになりました。そうした状況のため、ドライコンディションではいいペースを作れず、タイヤのグリップにも課題を抱えていました。しかし、決勝では安定したペースでラップを刻めましたし、結果的に5位でフィニッシュできました。過去2戦は、転倒続きでした。それだけに、今日の結果はとてもうれしいです」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
165J.レイカワサキ16 33'33.964
27C.デイビスドゥカティ16+0.121
33M.ビアッジアプリリア16+10.695
41シルバン・ギュントーリHonda16+15.433
566T.サイクスカワサキ16+17.983
622A.ロウズスズキ16+23.758
 
RT60マイケル・ファン・デル・マークHonda7+9Laps
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
17C.デイビスドゥカティ16 33'36.466
265J.レイカワサキ16+0.091
381J.トーレスアプリリア16+5.008
41シルバン・ギュントーリHonda16+13.130
560マイケル・ファン・デル・マークHonda16+15.801
691L.ハスラムアプリリア16+15.970
スーパースポーツ
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
199パトリック・ジェイコブセンHonda14 30'21.294
216J.クルーゼルMVアグスタ14+0.091
387L.ザネッティMVアグスタ14+3.387
454K.ソフォーグルカワサキ14+3.456
5111カイル・スミスHonda14+9.507
644ロベルト・ロルフォHonda14+15.835
 
736マーチン・カルデナスHonda14+16.281
84ジノ・レイHonda14+16.298
1319ケビン・ヴァールHonda14+32.487
14 41 アイデン・ワグナーHonda14+32.890
1524マルコス・ラミレスHonda14+39.394
17 59ラタパーク・ウィライローHonda14+40.659
1810ナチョ・カレロHonda14+1'09.545
RT68グレン・スコットHonda10+4Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.レイカワサキ452
2C.デイビスドゥカティ308
3T.サイクスカワサキ295
4L.ハスラムアプリリア259
5J.トーレスアプリリア186
6シルバン・ギュントーリHonda162
 
7マイケル・ファン・デル・マークHonda125
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1カワサキ475
2ドゥカティ363
3アプリリア299
4Honda197
5スズキ127
6BMW97
7MVアグスタ62
8EBR4
ライダー(スーパースポーツ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1K.ソフォーグルカワサキ168
2J.クルーゼルMVアグスタ155
3パトリック・ジェイコブセンHonda140
4L.ザネッティMVアグスタ113
5ジノ・レイHonda88
6ロベルト・ロルフォHonda68
 
7カイル・スミスHonda67
10ラタパーク・ウィライローHonda46
11マーチン・カルデナスHonda45
15リカルド・ルッソHonda31
18ケビン・ヴァールHonda13
19 ラタポン・ウィライロー Honda11
22マルコス・ラミレスHonda8
23グレン・スコットHonda8
25 アイデン・ワグナー Honda 7
26アンディ・リードHonda6
29ルイジ・モルシアーノHonda2
30ミゲル・プライアHonda1
31キーラン・クラークHonda1
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1MVアグスタ173
2カワサキ172
3Honda152
4ヤマハ61
5トライアンフ10