2012年9月22日(土)・予選 会場:アルガルベ・インターナショナル・サーキット 天候:晴れ 気温:27℃
コースコンディション:ドライ
第13戦ポルトガル大会がポルティマオ近郊に位置するアルガルベ・インターナショナル・サーキットで開幕しました。アルガルベは2008年にサーキットが完成。そのこけら落としとして、スーパーバイク世界選手権が開催されました。アルガルベは、一周4.592km。アップダウンに富み、ブラインドコーナーが多いために、コース攻略の難しいサーキットとして知られています。さらに、コース終盤は高速コーナーが続き、ホームストレートでは時速300km前後の最高速を記録。高速バトルが繰り広げられるスリリングなサーキットとして、観客から高い評価を得ています。
今年は昨年より1カ月早い9月中旬の開催となりました。初日、2日目ともに青空が広がり、最高気温も28℃前後まで上昇、絶好のコンディションの中でフリー走行と予選が行われました。
前戦ドイツ大会のあと、ロードレース世界選手権(WGP)サンマリノGPにケーシー・ストーナーの代役としてRepsol Honda Teamから出場したジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)は、これで3週連続で大会に挑むことになります。今大会は、MotoGPマシンからスーパーバイクへの乗り換えにやや苦戦。初日のフリー走行は9番手と少し出遅れましたが、午後の予選では4番手に浮上。2日目2回目の予選では7番手へとポジションを落としますが、着実にタイムを短縮し、「思ったよりも順調」と手応えをアピールしました。
アルガルベはレイにとって、思い出深いサーキットです。初開催となった08年にワイルドカードでスーパーバイク世界選手権に初出場。このとき、第1レースで4位と非凡な走りを見せて注目を集めました。翌09年は、スーパースポーツ世界選手権(WSS)にフル参戦しますが、最終戦はスーパーバイクにスイッチし、2位、3位と両レースで表彰台に立ちます。10年は第1レースで3位に入り、昨年は両レースで3位。このサーキットではまだ優勝経験はありませんが、レイにとっては相性のよいサーキットの1つです。予選7番手から挑んだスーパーポールでは、SP1で9番手、SP2で7番手。SP3も7番手とソフトタイヤのアタックで思うようにタイムを伸ばせませんでしたが、レースタイヤではよいタイムを刻んでいるだけに、決勝では念願の初優勝に挑みます。
チームメートの青山博一(Honda World Superbike Team)は、初めて経験するアルガルベに手こずりました。バンピーな路面と連続するブラインドコーナーに苦戦。初日の予選では18番手。2日目の予選ではスーパーポール進出にあと一歩の17番手に迫りますが、「セッション終盤のアタックに失敗。バンピーな路面でマシンが振られてオーバーランしてしまった」と、悔しい一日となりました。決勝では、追い上げのレースに挑みます。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、ブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が今季2度目のポールポジション(PP)を獲得しました。開幕戦オーストラリア大会以来、実に11戦ぶり。初日4番手、2日目の予選では、ベストタイムの1分45秒台から46秒台で周回を重ね、今季最高の状態で決勝を迎えることになりました。以下、総合2位で逆転チャンピオンに闘志を燃やすジュール・クルーゼル(PTR Honda)が3番手。総合4位のサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)が4番手とCBR600RR勢が上位につけました。個人総合では、予選7番手のケナン・ソフォーグル(カワサキ)が、クルーゼルに38点差をつけてタイトル王手。コンストラクターズでは、Hondaとカワサキが237点で並んでいます。シーズンは残り2戦。大きな注目を集めることになります。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7番手)「MotoGPマシンからの乗り換えに初日はやや苦労しましたが、思っていたよりも順調なスタートになりました。2日目も順調にセットアップは進み、レースタイヤではいいアベレージを刻めました。しかし、スーパーポールでは新品タイヤのアドバンテージを生かすことができず、思っていたようなグリッドを獲得することができませんでした。明日は、厳しいレースになると思います。しかし、ウオームアップでさらにいいセットアップを見つけて決勝に挑みたいと思っています」
青山博一(スーパーバイク 17番手)「アルガルベはバンピーで、先の見えないアップダウンなど、ブラインドコーナーが多く、コースに慣れるのに時間を必要としました。2日目はかなりコース攻略ができたのですが、アップダウンの多いセクションで、まだタイムをロスしています。今回はスーパーポールに進出できると思ったのですが、セッション終盤のアタックに失敗してタイムを短縮できませんでした。走るごとにだんだんペースを上げられているので、決勝では1つでも上のポジションを狙っていきたいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ ポールポジション)「ポールポジションを獲得できて、本当にうれしいです。今年はPPを取れそうで取れないことが多かったので、チームもとても喜んでくれました。今回はベストタイムだけではなく、ロングランでも安定したタイムが出せています。マシンの状態はとてもよくてタイヤの選択もよかったと思います。明日は、みんな同じタイヤを選択すると思うので、ウオームアップでさらにセットアップを進めて、アベレージを上げられたらと思います。今年はまだ優勝がないので、優勝を狙っていきたいです」
ジュール・クルーゼル(スーパースポーツ 3番手)「ソフトタイヤでもっといいタイムを出せるんじゃないかと期待していたので、とても残念でした。もっといけると思ったのですが、間違ったタイヤを選んでしまったのか、それともタイヤに問題があったのかもしれません。しかし、レースペースは悪くないし、コースも攻略できたと思います。明日は、ほかのライダーと比べてどこで速くて、どこで遅いかを見ながら、レースを戦いたいと思います。明日の決勝は、ベストを尽くすことが僕の目標です。できることなら優勝を目指したいです。ケナンが4位以下になることを願っています。そうすればホームラウンドのマニクールでタイトル争いをすることができますからね」
サム・ロース(スーパースポーツ 4番手)「マシンはかなりいい状態に仕上がっているし、いいレースペースもあります。決勝に向けて感触はとてもいいです。今日はハードタイヤで走り、その後予選の最後に、ソフトタイヤに換えてアタックしました。しかし、レースタイヤで出したタイムを更新することができませんでした。グリップがなくて、すぐに戻ってこなければなりませんでした。今日はもう少し上のグリッドを狙えたかもしれません。でも、レースペースでいいペースで走れているので心配していません。明日の決勝がとても楽しみです」
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 1:41.415 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:41.780 |
3 | E.ラバティ | アプリリア | 1:41.789 |
4 | M.メランドリ | BMW | 1:42.015 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:42.140 |
6 | L.ハスラム | BMW | 1:42.271 |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:42.717 |
17 | 青山博一 | Honda | 1:44.569 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ブロック・パークス | Honda | 1:45.408 |
2 | F.フォーレ | カワサキ | +0.050 |
3 | ジュール・クルーゼル | Honda | +0.051 |
4 | サム・ロース | Honda | +0.159 |
5 | S.モライス | カワサキ | +0.469 |
6 | V.レオーノフ | ヤマハ | +0.591 |
11 | マシュー・ショルツ | Honda | +1.181 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | +1.214 |
14 | ガボール・タルマクシ | Honda | +1.287 |
15 | ロバート・タンブリーニ | Honda | +1.357 |
19 | イムレ・トース | Honda | +1.709 |
20 | ローナン・クォーンビー | Honda | +1.744 |
23 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | +1.922 |
24 | ディノ・ロンバルディ | Honda | +2.129 |
25 | バラージュ・ネメス | Honda | +2.438 |
27 | ダニーロ・マランコーニ | Honda | +3.124 |
29 | マーティン・ジェソップ | Honda | +3.715 |
31 | エイドリアン・パセク | Honda | +4.334 |