2012年9月23日(日)・決勝 会場:アルガルベ・インターナショナル・サーキット 天候:雨のち晴れ
気温:第1レース/21℃、第2レース/25℃ コースコンディション:第1レース/ウエット、第2レース/ドライ
第13戦ポルトガル大会決勝は、目まぐるしくコンディションが変わる、不安定な天候となりました。午前中は断続的に強い雨が降り、ウオームアップはウエットコンディション、第1レースはウエットからドライへと変化していく難しいコンディションとなりました。しかし、午後になると青空が広がり、第2レースは完全なドライコンディションとなりました。今大会、7番グリッドから決勝に挑んだジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)は、ウオームアップでトップタイムをマーク。アルガルベ・インターナショナル・サーキット初制覇に期待が寄せられました。その期待には一歩及びませんでしたが、両レースでトップグループの戦いに加わり、第1レースでは6位、第2レースでは2位でフィニッシュ。6戦ぶりの表彰台獲得を果たしました。
決勝前日、最高気温が28℃前後まで上昇したポルティマオ。青空が広がる絶好のコンディションでフリー走行と予選が行われましたが、決勝当日は明け方から強い雨となり、朝のウオームアップは水しぶきが巻き上がるフルウエットコンディションとなりました。その後、雨脚は次第に弱まり第1レースは、ウエットコンディションでスタートしました。しかし、7周目に転倒したマシンからコース上にオイルが出たため、赤旗中断となりました。レースは16周で再開となり、序盤トップグループにつけたレイは、乾いていく路面とタイヤのグリップの消耗に苦戦しますが、我慢の走りで6位でフィニッシュしました。
完全にドライコンディションとなった第2レースは、好スタートから序盤にはユージェーヌ・ラバティ(アプリリア)、マックス・ビアッジ(アプリリア)とトップグループを形成します。中盤には、ビアッジをかわして2位に浮上、ラバティを追撃します。最終ラップにはラバティの背後に迫りますが、わずかに届かず2位でフィニッシュしました。
シーズン中盤戦から後半戦にかけて好走を見せるも、なかなか表彰台に立てなかったレイですが、6戦ぶりの表彰台に満面の笑み。MotoGPクラスへの代役出場するなどハードスケジュールとなっていますが、疲れも見せず、元気な走りをファンに披露しました。今大会は、Honda World Superbike Teamと来季の契約を済ませて決勝に挑みました。そして、幸先よく表彰台を獲得し、チームスタッフも大喜びしました。来季のタイトル獲得に向けて、手応えあるレースを見せたレイは、これでアルガルベ・インターナショナル・サーキットでは4年連続、通算6回目の表彰台獲得となりました。
チームメートの青山博一は、17番グリッドから決勝に挑みました。第1レースはセッティングに失敗しますが、赤旗中断になったことで流れを変えることに成功します。「ウオームアップから第1レースにかけて変更したセッティングが失敗でした。赤旗中断で救われました」とセットアップをやり直し、再開された第1レースでは、今季ベストタイの8位でフィニッシュしました。ドライコンディションとなった第2レースは、スタート直後に電気系と思われるトラブルが発生、4周を終えてピットに戻り、リタイアとなりました。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、予選3番手から決勝に挑んだジュール・クルーゼル(PTR Honda)と、ケナン・ソフォーグル、ファビアン・フォーレのカワサキ勢、今季2度目のポールポジションから決勝に挑んだブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)の4台によるし烈な優勝争いとなり、クルーゼルが今季3勝目を達成しました。2位はソフォーグルで、個人総合タイトルを獲得しました。今季初優勝に闘志を燃やしたパークスは、中盤までトップを走りますが、終盤、転倒寸前の滑りを経験したことで集団から遅れ、4位でフィニッシュしました。中盤までトップグループに加わったサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)も、序盤、難しい路面に転倒寸前の滑りを経験して遅れます。その後、ペースを回復して追い上げますが、5位でチェッカーを受けました。
シーズンは最終戦フランス大会を残すのみ。HondaCBR600RR勢は、スーパースポーツ世界選手権のコンストラクターズタイトルに王手をかけて挑む大会となります。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 6位/2位) 「昨日のスーパーポールでアドバンテージを得ることができなかったので、今日の結果には満足しています。両レースともに、とても感触はよくて、特に第1レースは、赤旗が出るまでとても快適でした。残念ながら、その後再開されたレースでは、路面が乾き出して、水たまりもなくなりました。マシンのセッティングは、もっと濡れていることを想定していましたし、乾いていく路面にはちょっとソフトすぎるセッティングでした。だから終盤は完走することに目標を切り替えました。第2レースもかなりよくて、序盤の混戦の中で(ユージェーヌ)ラバティにギャップを少し広げられてしまいましたが、前がクリアになってからは、少しずつ彼に追いつくことができました。もう少し周回があったらと思いましたが、納得のいく一日でした」
青山博一(スーパーバイク 8位/リタイア) 「ウエットコンディションとなったウオームアップを終えて、第1レースに向けてセッティングを変更しました。これがよくなくて、全くペースを上げることができませんでした。しかし、赤旗中断になり、セッティングを変更することができましたので、再スタートした第2レースではペースを上げることができました。今日は、ロリス・バズ(カワサキ)やミッシェル・ファブリッツオ(カワサキ)とバトルをすることができてよかったです。アルガルベは初めてのサーキットで、攻略が難しいコースでしたが、とても楽しいコースです。完全にドライとなった第2レースも楽しみにしていましたが、スタート直後に電気系と思われるトラブルが発生してペースを上げることができませんでした。残念でしたが、4周を終えてピットに戻ることにしました」
ジュール・クルーゼル(スーパースポーツ 優勝) 「自分のキャリアの中で、こんなに厳しいレースはありませんでした。だから優勝することができて、とてもうれしいです。序盤は、ブレーキング時のバランスに問題があってうまく走れませんでしたが、落ち着いて走ることができました。その後、徐々に状態はよくなり、終盤はリラックスして、いいラップタイムを出すことができました。目標はベストを尽くすことでしたし、こうして優勝することができてとてもうれしいです。レース中、チャンピオンシップのことは考えていませんでした。ケナン(ソフォーグル)にタイトルが決まったので、ホームレースとなる最終戦は、もっとリラックスして戦えると思います。最終戦はたくさんのファンが来てくれると思うので、いい結果を出したいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 4位) 「かなりいいスタートが切れました。そして、序盤のフィーリングもよくて、みんなと同じペースで走ることができました。トップが何度も入れ替わる激しい戦いでしたが、マシンのフィーリングはとてもよかったです。しかし、(ファビアン)フォーレが僕を抜いていったあと、最終コーナーで転倒しそうになり、ほかのライダーたちと離れてしまいました。今日はマシンの感触がとてもよかったので、表彰台に立てず残念でした」
サム・ロース(スーパースポーツ 5位) 「最高のスタートではありませんでしたが、マシンの感触はよかったし、序盤はうまく走ることができました。その後、危うく最終コーナーで転倒しそうになり、肩を痛めてしまいました。その遅れを取り戻すのにかなり時間がかかりました。最後は少し苦戦しましたが、それ以外はいい走りだったと思います。雨が降ったあとで、路面があまりよくないコンディションになったことが残念でした。そのため、ペースはプラクティスよりかなり遅かったですし、運がなかったなと思います。最終戦のマニクール・サーキットは、最も表彰台の高いところでシーズンを終えたいです」
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 16 | 31:42.011 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 16 | +0.300 |
3 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 16 | +2.732 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 16 | +11.564 |
5 | B.マコーミック | ドゥカティ | 16 | +11.771 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 16 | +11.792 |
8 | 青山博一 | Honda | 16 | +29.581 |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | E.ラバティ | アプリリア | 22 | 38:35.105 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | +0.162 |
3 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +3.766 |
4 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 22 | +10.440 |
5 | C.チェカ | ドゥカティ | 22 | +20.153 |
6 | A.バドビーニ | BMW | 22 | +23.152 |
RT | 青山博一 | Honda | 9 | +13Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジュール・クルーゼル | Honda | 20 | 36:05.886 |
2 | K.ソフォーグル | カワサキ | 20 | +0.645 |
3 | F.フォーレ | カワサキ | 20 | +0.969 |
4 | ブロック・パークス | Honda | 20 | +1.035 |
5 | サム・ロース | Honda | 20 | +3.905 |
6 | S.モライス | カワサキ | 20 | +5.936 |
9 | ローナン・クォーンビー | Honda | 20 | +23.121 |
10 | マシュー・ショルツ | Honda | 20 | +23.740 |
15 | ガボール・タルマクシ | Honda | 20 | +27.667 |
17 | ミゲル・プライア | Honda | 20 | +30.246 |
18 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 20 | +30.584 |
20 | イムレ・トース | Honda | 20 | +32.093 |
21 | バラージュ・ネメス | Honda | 20 | +52.261 |
22 | マーティン・ジェソップ | Honda | 20 | +1:13.403 |
24 | ダニーロ・マランコーニ | Honda | 20 | +1:18.998 |
RT | アドリアン・パセク | Honda | 14 | +6Laps |
RT | ディノ・ロンバルディ | Honda | 8 | +12Laps |
RT | ロバート・タンブリーニ | Honda | 0 | - |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 347 |
2 | T.サイクス | カワサキ | 316.5 |
3 | M.メランドリ | BMW | 308.5 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 278.5 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 255.5 |
6 | E.ラバティ | アプリリア | 241.5 |
18 | 青山博一 | Honda | 59.5 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | アプリリア | 422.5 |
2 | BMW | 394 |
3 | ドゥカティ | 375 |
4 | カワサキ | 356.5 |
5 | Honda | 270.5 |
6 | スズキ | 130.5 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 218 |
2 | ジュール・クルーゼル | Honda | 185 |
3 | F.フォーレ | カワサキ | 160 |
4 | サム・ロース | Honda | 152 |
5 | ブロック・パークス | Honda | 135 |
6 | S.モライス | カワサキ | 94 |
8 | ローナン・クォーンビー | Honda | 84 |
12 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 50 |
13 | ガボール・タルマクシ | Honda | 37 |
16 | ロレンソ・ランツィ | Honda | 25 |
19 | マシュー・ショルツ | Honda | 19 |
20 | イムレ・トース | Honda | 16 |
22 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 15 |
24 | バラージュ・ネメス | Honda | 13 |
26 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 10 |
33 | ルーカス・ペセック | Honda | 6 |
34 | トーマス・カイアーニ | Honda | 4 |
35 | パトリック・ジェイコブセン | Honda | 3 |
37 | ディノ・ロンバルディ | Honda | 2 |
38 | キーラン・クラーク | Honda | 2 |
40 | マーティン・ジェソップ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 262 |
2 | カワサキ | 257 |
3 | トライアンフ | 115 |
4 | ヤマハ | 102 |
5 | スズキ | 6 |