round 11

September 25 2011, RACE
FIM Superbike World Championship Italy
第11戦 イタリア

レイ今季2勝目を達成。チャウスも第2レースでポイントを獲得する

第11戦イタリア大会決勝は、シーズン中盤のケガから復帰して2戦目を迎えるジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)が、第1レースで優勝。第2レースもトップを快走しましたが、惜しくもリタイアに終わりました。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ファビアン・フォーレファビアン・フォーレ
  • サム・ロースサム・ロース

今大会のレイは、初日から好調で、予選ではPP争いを繰り広げて2番手、今季2回目のフロントローから決勝に挑むことになりました。好スタートを切ったレイは、オープニングラップはトム・サイクス(カワサキ)、カルロス・チェカ(ドゥカティ)に続いて3番手につけると、3周目にチェカをかわして2番手に浮上。さらに、5周目にサイクスをパスしてトップに浮上すると、首位を快走しました。終盤、2番手に浮上した芳賀紀行(アプリリア)がレイの背後に迫りましたが、落ち着いた走りで芳賀の追撃を振り切り、第3戦オランダ大会の第1レースで優勝して以来の勝利を達成。シーズン中盤のケガで苦しい時期を過ごしたこともあり、感激の優勝となりました。

この優勝で勢いに乗ったレイは、第2レースはオープニングラップに首位に浮上すると独走態勢に持ち込みました。しかし、ラスト5周となった17周目にバッテリーのコネクターが破損するマイナートラブルでスローダウン、惜しくもリタイアとなりました。2レース完全Vを逃したレイですが、今大会投入の新しい電子制御によってCBR1000RRのポテンシャルを存分に引き出すことに成功。ラスト2戦でのさらなる活躍に期待がふくらみます。

第8戦チェコ大会でケガをして以来、3戦ぶりに復帰したルーベン・チャウス(Castrol Honda World Superbike Team)は、2カ月ぶりの実戦で予選は20番手でした。しかし、第1レース17位、第2レースでは徐々に試合勘を取り戻して11位でフィニッシュ。復帰戦で見事、ポイントを獲得しました。今大会は、レイとともに新しい電子制御のセットアップに集中しました。大きな手応えを感じる復帰戦となり、ラスト2戦での巻き返しに気合を入れていました。

第1レースの2位は芳賀、3位はチェカ。第2レースは、チェカが優勝、芳賀2位、レオン・キャミア(アプリリア)3位という結果でした。

スーパースポーツは激しい戦いとなり、予選で12番手とポジションを落としていたファビアン・フォーレ(Hannpre Ten kate Honda)が、オープニングラップ11番手からポジションを上げて、ラスト3周でトップに浮上。今季初優勝を達成しました。今回の優勝を含めて今季6回目の表彰台の立ったフォーレは、今大会をリタイアした総合首位のチャズ・デービス(ヤマハ)との差を35点と縮めました。シーズンは残り2戦。連戦となるフランス大会は、フォーレのホーム大会となるだけに、逆転チャンピオンに向けて重要な戦いとなります。

予選8番手から、フォーレとともに猛列に追い上げたサム・ロース(Parkalgar Honda)は、トップとわずか0.166秒差の2位で今季5回目の表彰台を獲得、今季2回目のフロントローから決勝に挑んだフローリアン・マリーノ(Hannpre Ten kate Honda)はベストリザルトとなる4位。ジェームス・エリソン(Bogdanka PTR Honda)は予選15番手から追い上げて6位。ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)は8位でフィニッシュしました。今大会は28台が出場、完走17台という厳しい戦いになりました。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 優勝/リタイア) 「ケガをしてから、ここまで来るのは長い旅だったので、第1レースでは結構感情的になりました。昨シーズン、僕はここでシーズンを終えてしまいました。だから、こうして優勝できるまで僕の力になってくれた家族や友人、ガールフレンド、そしてチームに感謝したいです。昨年の失望を、今日は大きなモチベーションにしました。第2レースも悪くなかったので、完走できなくて残念です。僕の後ろにいるライダーたちがプッシュしているのは知っていましたが、僕はトップを快適に走っていまた。しかし、ここまでの長い道のりを考えたら、第2レースのことは考えないことにします。原因は、1ユーロのバッテリーコネクターでしたし、心の中では本当にいいレースができたと思っています。今大会での好走の一番の要因は、これまで開発を続けてきた新しい電子制御でした。開発を続けながら、チームが持ち続けてきた僕への信頼に対して本当に感謝しています。電子制御だけでなく、ほかの部分でも引き続き前進していきたいです。そして、自信をもって来週のフランス・マニクールに挑みたいと思います」

ルーベン・チャウス(スーパーバイク 17位/11位) 「先週のテストと、ここイモラで続けてきた新しい電子制御のおかげで、いい走りができると信じていましたが、ケガのために2カ月間バイクから離れていたことで、ペースを上げることはそう簡単ではありませんでした。チームメートのジョニーがいい結果を出しているときに僕が苦しんでいるのはつらいですが、プロフェッショナルとして、できる限りがんばろうとしました。レース2は、エンジンブレーキングなどのセッティングを変えたらフィーリングがよくなり、ラップタイムを上げることができました。レースタイムで15秒くらい上げられました。まだまだ十分ではありませんが、大きな進歩でした。来週のマニクールでは、もっと前進できるようにがんばりたいです」

ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 優勝) 「決勝に向けて大きな変更をしました。最初はあまりいいフィーリングではなく、思いきりプッシュすることができませんでした。まるで初めてのマシンに乗るような気分でした。でもだんだん、そのフィーリングに慣れ、プッシュすることができて、トップグループに追いつくことができました。こうして、また優勝することができてとてもうれしいです。今週末は奇妙でした。金曜日はすべてうまくいっていたのに、昨日は厳しい一日になりました。そして今日、優勝できるマシンに仕上げてくれたチームに心から感謝したいです」

サム・ロース(スーパースポーツ 2位) 「初日の予選でセッションのほとんどを無駄にしてしまったことで難しい週末となりました。しかし、チームはすばらしい仕事をしてくれましたし、決勝までにマシンをよくしてくれました。思い通りのスタートはできませんでしたが、集中して戦うことができました。予選8番手から2位になれて本当にうれしいです。来週のマニクールが楽しみです」

フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 4位) 「今日はできる限りプッシュしましたし、最後まで限界ギリギリで走れてとてもうれしいです。これ以上の走りはできませんでした。何度もコースから飛び出しそうになりましたからね。ファビアンが僕をパスしたとき、彼についていくことはできないと思いました。でも、できるだけついていこうとがんばりました。マシンのいい感触を取り戻してくれたチームに感謝したいです。今シーズン、あと2回表彰台に立つチャンスはあります。一生懸命がんばってこの目標を達成したいです」

ジェームス・エリソン(スーパースポーツ 6位) 「予選の15番手というポジションを考えると、最終的に6位まで追い上げることができてうれしいです。厳しい戦いで、なかなか前にいけませんでしたが、ほかのライダーが疲れてくるのを待ってからグループを抜きました。自己ベストラップをラスト3周か4周の時に出せました。予選のポジションがもっとよかったらと悔しかったです。今回はフロントのフィーリングがよくなくて、予選ではアタックに失敗しました。そのため、決勝まで思うようにペースを上げられませんでしたが、何とか最後に調子を上げることができました。次のマニクールは好きなサーキットなので楽しみにしています」

ミゲル・プライア(スーパースポーツ 8位) 「いいレースでした。とてもいいスタートが切れて、順位をかなり上げることができました。そしてペースもよかったです。レース中盤に少しタイムが落ちて、前のグループから離されてしまいました。でも、19番手からスタートして、シーズンベストタイの8位でフィニッシュできたことはとてもうれしいです。今日はうまく乗れました。この結果をチームスタッフに捧げたいです。彼らがマシンに施してくれたセッティングによってこの結果が出せました。本当に感謝しています」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1ジョナサン・レイHonda2138:03.396
2芳賀紀行アプリリア21+0.111
3C.チェカドゥカティ21+9.449
4T.サイクスカワサキ21+9.792
5E.ラバティヤマハ21+14.699
6S.ギュントーリドゥカティ21+16.820
     
17ルーベン・チャウスHonda21+44.547

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1C.チェカドゥカティ2138:04.538
2芳賀紀行アプリリア21+4.631
3L.キャミアアプリリア21+15.159
4E.ラバティヤマハ21+17.195
5L.ハスラムBMW21+17.388
6M.メランドリヤマハ21+18.533
     
11ルーベン・チャウスHonda21+28.600
RTジョナサン・レイHonda17+4Laps

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1ファビアン・フォーレHonda1935:56.214
2サム・ロースHonda19+0.166
3B.パークスカワサキ19+2.499
4フローリアン・マリーノHonda19+3.833
5D.サロンカワサキ19+6.325
6ジェームス・エリソンHonda19+21.872
     
8ミゲル・プライアHonda19+27.553
11ジノ・レイHonda19+32.212
12パウェル・スコペックHonda19+32.845
13パトリック・ボスタレクHonda19+33.402
14オンドレイ・ジュゼクHonda19+42.637
15イムレ・トースHonda19+43.177
16カタリーン・カツァークHonda19+1:49.642
RTアレクサンダー・ルンドHonda14+5Laps
RTバラージュ・ネメスHonda11+8Laps
RTミッチェル・ピロッタHonda6+13Laps
RTバスティン・シェゾーHonda0-
RTロビン・ハームスHonda0-
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.チェカドゥカティ417
2M.メランドリヤマハ320
3M.ビアッジアプリリア281
4E.ラバティヤマハ256
5L.ハスラムBMW187
6L.キャミアアプリリア171
 
11ジョナサン・レイHonda138
16ルーベン・チャウスHonda49
31ヴィクトル・キスパタキHonda1
32アレクサンダー・ロウズHonda1
33ファブリッツォ・ライHonda1

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ドゥカティ441
2アプリリア376
3ヤマハ375
4BMW232
5カワサキ192
6Honda162
7スズキ158

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.デイビスヤマハ171
2ファビアン・フォーレHonda136
3D.サロンカワサキ123
4B.パークスカワサキ120
5サム・ロースHonda109
6L.スカッサヤマハ96
 
7ジェームス・エリソンHonda72
8フローリアン・マリーノHonda71
9ジノ・レイHonda67
12ロビン・ハームスHonda59
13ミゲル・プライアHonda40
15バラージュ・ネメスHonda31
17アレクサンダー・ルンドHonda24
18イムレ・トースHonda13
19ウラジミール・イワノフHonda12
20イラリオ・ディオニジHonda11
21パウェル・スコペックHonda11
22オンドレイ・ジュゼクHonda9
25バスティン・シェゾーHonda6
28パトリック・ボスタレクHonda3
29アレッシオ・ベリーニHonda3
31ローマン・スタムHonda2
32ロベルト・ムレシャンHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ヤマハ201
2Honda194
3カワサキ161
4トライアンフ30