第11戦イタリア、イモラ大会が9月23日に開幕しました。フリー走行と予選が行われた金曜日と土曜日は、ともに天候に恵まれ、最高気温28℃と絶好のコンディションとなりました。今大会を前にCastrol Honda World Superbike Teamは、イタリア・ミサノで2日間のテストを実施。電子制御のテストと、新たに使用が認められた「ライド・バイ・ワイヤシステム」のテストに取り組み、イモラ大会に挑みました。
今季、マシンのセットアップに苦しんできたCastrol Honda World Superbike Teamですが、ニューパーツの投入でCBR1000RRのパフォーマンスを引き出すことに成功しました。さらに、ケガから回復、復帰2戦目を迎えるジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)が、初日の予選でトップタイムをマーク。2日目の予選でも2番手につける好走を見せ、スーパーポールではポールポジション争いに加わり、2番手につけました。
すでに来季も同チームからスーパーバイク世界選手権に参戦することが決まっているレイは、来季のタイトル獲得を視野に入れ、マシンのセットアップに取り組みました。1週間前のミサノテストでは、新しい電子制御のテストに集中。今大会も引き続き、セットアップに取り組みました。その結果、ブレーキングの安定性が増し、コーナーの進入速度が上がり、PP争いに加わることになりました。スーパーポールでは、タイムアタックに失敗して、カルロス・チェカ(ドゥカティ)の記録にわずかに届きませんでしたが、欠場したレースを含めて、実に7戦ぶりのフロントロー獲得。第3戦オランダ大会以来の表彰台と、優勝が期待される好グリッドとなりました。
チームメートのルーベン・チャウスも、7月上旬の第8戦チェコ大会で足を負傷、第9戦イギリス大会、第10戦ドイツ大会と欠場していましたが、今大会から復帰。レイとともにイタリア・ミサノのテストに参加して、イモラ大会に挑みました。ミサノテストでは、新しい電子制御のテストに取り組み、今大会もセットアップに集中しました。チャウスは、ニューパーツのポテンシャルには手応えを感じながらも、今大会はイモラの2カ所のシケインをうまく攻略できず、初日の17番手から2日目、20番手にポジションを落とし、スーパーポール進出は果たせませんでした。しかし、チームメートのレイが好走を見せているだけに、決勝に向けてさらにセットアップに取り組み、追い上げのレースに挑みます。
スーパースポーツは、フローリアン・マリーノ(Hannspree Ten Kate Honda)が3番手、サム・ロース(Parkalgar Honda)が8番手、ジノ・レイ(Step Racing Team)が9番手、ファビアン・フォーレ(Hannspree Ten Kate Honda)が12番手という結果でした。
イモラは一周、4.936kmのテクニカルコース。アップダウンに富み、ハードブレーキングを必要とするコーナーが多く、ライダーのテクニックはもちろんのこと、マシンのバランスが要求されます。今大会は、午前中の走行に比べて、午後の走行では気温も路面温度も上がり、多くの選手がセッティングに苦労しました。
今季2度目のフロントローから決勝に挑むマリーノは初表彰台、2列目のロースは2戦連続、今季5回目の表彰台と、初優勝を狙います。ジノ・レイも3戦ぶりの優勝に全力を尽くします。初日4番手から2戦連続、今季3度目のPPを狙ったフォーレは、アタックが決まらず12番手へと順位を落としましたが、決勝では追い上げのレースに期待されます。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2番手)「もう少しでポールポジションを獲得できたかと思うと、残念です。SP3の最初のアタックでミスをしてしまいました。そのアタックで、ほとんどタイヤを使いきってしまったので、そのあとは完ぺきなアタックができませんでした。しかしこうして、フロントローに戻ってこれたことがうれしいんです。明日の決勝レースが楽しみです。ここまでは長い旅でした。6月にミサノでケガをしてから、医療スタッフと家族の支えで、なんとか回復することができました。チームも新しいシステムを投入して、一生懸命に仕事をしてくれました。初日のトップタイムはすごくうれしかったです。ライド・バイ・ワイヤシステムを取り入れる決断は正しかったと思います。これでエンジンブレーキとコーナーの進入がすごくスムーズになりました。明日の決勝がとても楽しみです。2012年に向けて一歩前進した、とひそかに思っています」
ルーベン・チャウス(スーパーバイク 20番手)「新しいシステムを使っての大会だったので、今日もまた忙しい一日でした。ジョニー(レイ)と一緒に、いい仕事をしています。でもいくつか問題があって、僕の方はあまりうまくいってはいません。決勝に向けて、取り組まなければいけないインフォメーションがたくさんあります。でも今週末は、このシステムのテストになることが分かっていました。昨日、今日と、2つのシケインで苦労しています。パワーデリバリーが決まっていない感じです。今夜、データを見て、あした試せることがないかを考えたいです。いい状態にして、追い上げのレースをしたいと思います」
フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 3番手)「今日はまずまずでした。でも予選は難しかったです。『さあ、アタックしよう』と思うたびに、赤旗が出ました。実際には2回だったけれど、あまりにもタイミングが悪すぎました。それで予定が狂ってしまったんです。少しフラストレーションがたまりましたけれど、最後はやっと、スペースと時間を見つけて、フロントローに並べるタイムを出せました。マシンの状態はいいです。昨日に問題があった最後のセクターで、ラインを変えてみたところ、よくなりました。もっといろんなラインを使って走ってみたいと考えています。明日はトップグループに加わって、逃げきりたいですね」
サム・ロース(スーパースポーツ 8番手)「フロントローに並びたかったんですが、2列目に終わって残念でした。しかし、それほど悪い位置ではないですし、まずまずだったかもしれません。昨日は転倒して、セッションのほとんどを無駄にしてしまい、出遅れてしまいました。決勝に向けて、まだ前進できる部分がいくつかあると思うので、ウオームアップで最後の調整をしたいと考えます。決勝は接戦になると思います。ベストを尽くしたいです」
ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 12番手)「転倒してタイムを出せなかったということもあるのですが、今日は何が悪かったのか、よく分かりません。いい一日ではありませんでした。すべてうまくいかなかったんです。そして、なにも進展しませんでした。昨日はとても快適でした。気温が上がると乗りにくかったのですが、今日はその課題を改善しようと思っていました。しかし、こういう時もあります。今夜、セッティングを見直して、決勝に備えたいです。そう簡単ではありませんが、とにかく、ベストを尽くしたいです」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:47.196 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:47.274 |
3 | 芳賀紀行 | アプリリア | 1:47.442 |
4 | T.サイクス | カワサキ | 1:47.468 |
5 | E.ラバティ | ヤマハ | 1:47.929 |
6 | L.ハスラム | BMW | 1:48.081 |
20 | ルーベン・チャウス | Honda | 1:49.595 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | B.パークス | カワサキ | 1:51.594 |
2 | L.スカッサ | ヤマハ | +0.075 |
3 | フローリアン・マリーノ | Honda | +0.143 |
4 | C.デイビス | ヤマハ | +0.258 |
5 | D.サロン | カワサキ | +0.526 |
6 | R.タンブリーニ | ヤマハ | +0.546 |
8 | サム・ロース | Honda | +0.949 |
9 | ジノ・レイ | Honda | +1.172 |
12 | ファビアン・フォーレ | Honda | +1.462 |
13 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +1.520 |
14 | ロビン・ハームス | Honda | +1.839 |
15 | ジェームス・エリソン | Honda | +2.086 |
16 | オンドレイ・ジュゼク | Honda | +2.181 |
19 | ミゲル・プライア | Honda | +2.315 |
20 | パウェル・スコペック | Honda | +2.398 |
21 | パトリック・ボスタレク | Honda | +2.629 |
22 | バスティン・シェゾー | Honda | +2.938 |
23 | イムレ・トース | Honda | +3.047 |
24 | バラージュ・ネメス | Honda | +3.362 |
27 | カタリーン・カツァーク | Honda | +6.028 |
28 | ミッチェル・ピロッタ | Honda | +6.192 |