ソルトレイクシティ近郊のミラー・モータースポーツ・パークで5月28日から30日までの3日間、第5戦アメリカ大会が行われます。今年で4年連続の開催となるミラー・モータースポーツ・パークは、ロッキー山脈を背景にするすばらしいロケーションにあり、中速コーナーが連続する1周4.907kmのコースは選手たちからも好評を得ています。今年は21台が参加。初日は21℃まで気温が上昇する絶好のコンディションの中で行われましたが、2日目の予選とスーパーポールは雨という、難しいコンディションとなりました。
今大会に先立ち、Castrol Honda World Superbike Teamは22日と23日の2日間、ミラー・モータースポーツ・パークで事前テストを行いました。今季、Castrol Honda World Superbike Teamは同サーキットをテストサーキットに指定。ヨーロッパをベースに活動するチームとしては異例のことですが、昨年、最も苦しんだサーキットだけに、このサーキットで改善策を見いだして、アメリカ、アラゴン(スペイン)とキャラクターの似たサーキット2戦で好成績を残すことが狙いです。
このテストに、Castrol Honda World Superbike Teamは新しいスイングアームとフロントサスペンションを持ち込みました。2日間のうち1日は天候に恵まれませんでしたが、テストの結果は上々で、期待が膨らむ中で本番を迎えました。
ドライコンディションとなった予選初日はジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)がフリー、予選ともに6番手。チームメートのルーベン・チャウスはフリー走行で11番手、予選14番手で、テストの結果を反映するスタートとなりました。しかし、2日目はあいにくの雨。初日の予選タイムは更新されず、レイ6番手、チャウス14番手からスーパーポールに挑むことになりました。
午後3時から行われた上位16台によるスーパーポールは、気温8℃、路面温度11℃という厳しいコンディションとなりました。降り続いた雨は上がり、コース上の水量が次第に減っていくという全体的にタイムが向上する条件でしたが、レイとチャウスはタイヤのグリップと格闘することになり、レイが13番手、チャウス14番手とスーパーポール2進出を果たせませんでした。
レイはミラー・モータースポーツ・パークを初めて走った2009年の大会では5位/3位とすばらしいパフォーマンスを発揮していますが、昨年は14位/8位と低迷。今大会ではその雪辱と2年ぶりの表彰台に闘志を燃やして臨みましたが、予選は雨に翻弄される結果となりました。事前テストの成果で、予選1日目に今季最も手応えある走りができたというチャウスも、ウエットコンディションと格闘して14番手。グリッドはともに4列目となり、今大会は追い上げのレースに挑みます。
今大会、スーパースポーツ世界選手権は行われず、スーパーバイクのみの開催。決勝はアメリカの祝日である30日、月曜日に行われます。
ジョナサン・レイ(13番手) 「予選の結果にはとてもがっかりしています。今日はうまくマシンを走らせることができませんでした。ウエットコンディションでは、特にコーナーの入り口とマシンを傾けた時のグリップに苦しみました。クラッチの調整を含むエンジンブレーキングの問題が出てしまいました。しかし、明日の決勝に向けて準備します。明日がどんなコンディションであっても、いいレースにしたいです。グリッドから考えると楽なレースにはならないと思いますが、せめてトップ5を目標にベストを尽くしたいと思います。ドライコンディションで走れた昨日の予選は6番手でした。これまで抱えていた問題も解消に向かっているし、いいリズムで走れました。昨日の時点では表彰台もいけるんじゃないかと思っていました。決勝はコンディション次第というところもありますが、最後まであきらめずに全力を尽くします」
ルーベン・チャウス(14番手) 「昨日はよかったけれど、今日は雨が降って僕もジョナサンも同じ問題をかかえてしまいました。僕のメインの問題はアクセルを開け始めたときのグリップでした。タイヤが温まっていない時にすべての左コーナーと3カ所の右コーナーで起きました。ドライコンディションで走れた初日は何もかもがうまくいき、今年になって最もうれしい一日になりました。みんながソフトタイヤでタイムを出している時に、僕はハードタイヤでうまく走れましたからね。このままドライコンディションでいてくれればと思いました。今日は雨になって昨日の続きにはなりませんでしたが、今大会は大きく前進できています。決勝がウエットコンディションになったときに備えて、解決策を探りたいと思います」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:58.315 |
2 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:58.390 |
3 | M.メランドリ | ヤマハ | 1:58.609 |
4 | E.ラバティ | ヤマハ | 1:58.860 |
5 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 1:59.069 |
6 | T.コルサー | BMW | 1:59.262 |
13 | ジョナサン・レイ | Honda | 2:03.232 |
14 | ルーベン・チャウス | Honda | 2:03.382 |