モンツァで開催される第4戦イタリア大会の予選は、2日連続で好天に恵まれ、ハイスピード、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。モンツァは最高速が時速320kmを超える高速サーキット。さらに昨年、スピードの急下降を要するレイアウトのため事故が多発した第1シケインを改修。以前より高速化することで安全性が高まり、アベレージでも200km/hを超えるハイスピードサーキットへと生まれ変わった。
昨年は不安定な天候に悩まされたイタリア大会だったが、今年は連日青空が広がり、気温も上昇した。午前中は20℃前後でも、午後になると25℃以上まで上がる。そのため路面温度も急激に上がるため、タイヤの選択が難しい2日間となった。
このため、モンツァ初表彰台、初優勝を狙うジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)は、2日間を通してレース用セッティングに重点を置いた。1日目の予選は5番手。2日目、2回目の予選では8番手。トップから1秒差以内に16台という接近戦の中で、決勝を想定したロングランを実施。トップから0.4秒差以内につける快走だった。そして、ソフトタイヤでアタックに挑んだスーパーポールでは、見事、3番手に浮上、今季初フロントローを獲得した。
チームメートのルーベン・チャウスは、初日の予選で16番手。チャウスも大接戦の中でレース用セッティングに重点を置き、まずまずのスタートを切った。初日はブレーキングの安定性を増すために時間を割いた。2日目はさらに違うセットアップに挑んだが、思ったほどタイムを更新できず、17番手。わずかの差でスーパーポール進出を逃した。しかし、レースをこなすごとに着実に調子を上げているだけに、決勝では追い上げのレースが期待される。
PPを獲得したのはマックス・ビアッジ(アプリリア)。今大会は22台が出場。予選ではトップから17番手のチャウスまで1.282秒差という大接戦だった。
スーパースポーツは、サム・ロース(Parkalgar Honda)が2番手。ファビアン・フォーレ(Hannspree Ten Kate Honda)4番手と、CBR600RR勢が2台、フロントローを獲得した。前戦オランダ大会で転倒リタイアに終わっているロースは、ルーキーながら4戦連続フロントローとすばらしい走りを見せている。過去2戦は不運なレースが続いているだけに、今大会は開幕戦以来2回目の表彰台と初優勝を狙う。調子を上げているフォーレは、2戦連続表彰台に気合満点。以下、フローリアン・マリーノ(Hannspree Ten Kate Honda)7番手、ジェームス・エリソン(Bogdanka PTR Honda)8番手、ジノ・レイ(Step Racing Team)9番手と、トップ10に5台のCBR600RRが名前を連ねた。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 3番手) 「正直言って、とてもうれしい。そしてフロントローに並べる気持ちよさを、今年初めて味わうことができた。なぜならこれまでの3戦は、予選が終わったときは、気分がよかったり落ち込んだりの週末だったからね。この2日間、明日の決勝に向けて本当に一生懸命、がんばってきた。そして気温の変化も激しいので、タイヤの選択が難しかった。しかし、決勝に向けて最も重要なことなので、真剣に取り組んだ。トップグループで戦うにはフロントローはとても大事になる。決勝はおそらく、ちょっとした大きなグループが形成されると思う。モンツァの目標は、表彰台に立つこと。このサーキットで表彰台に立てたら、とてもうれしい。だから明日は一生懸命がんばって、その目標を達成したい」
ルーベン・チャウス(スーパーパイク 17番手) 「今日は残念な一日だった。そしてコメントすることも、あまりない。マシンに乗った感触は悪くないのだが、ベースのセットアップをよくするために、いくつかのことを試したのだが、それが間違った方向へいってしまった。チーム一丸となってがんばっている。いいときと同じように、悪いときも、みんなで受け止めていきたい。今日はまだブレーキの問題が解決せず、トラクションの問題も解決できなかった。昨日はそれほど悪くはなかったし、その状態でもう少しリズムに乗れるように時間を費やせばよかった。とにかく、明日のウオームアップでいい状態を見つけたい。そしてレースではベストを尽くしたい」
サム・ロース(スーパースポーツ 2番手) 「開幕から4戦連続フロントロー。きょう再び、フロントローを獲得できて、とてもうれしい。この2日間、レースペースで一生懸命がんばってきた。そして明日は、力強いレースをしたい。肩は少し痛むけれど、痛み止めは飲まなかった。完全ではないが、かなり回復していると思う。モンツァを走るのは08年以来。モンツァのような高速サーキットは大好きだし、フロントローからいいスタートを切って、優勝争いに加わりたい」
ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 4番手) 「昨日の予選は、中途半端な感じでセッションが終わってしまった。アタックしている周回にミスをしてしまい、そのままチェッカーを受けてしまったからね。でも、昨日からフィーリングはよかったし、今日はフロントローに並べるような気がしていた。その通りの結果になって、うれしい。マシンもチームも大変よく働いてくれている。だから明日のウオームアップでは、少しだけ微調整をして決勝に挑みたい。どんなレースができるのか楽しみだ」
フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 7番手) 「今日はセットアップもポジションも上げることができて、うれしい。特にブレーキングのセッティングが決まった。また、いいラップタイムも連続でマークすることができたので、明日のレースに向けて自信がついた。今日はなかなかクリアラップが取れず、遅いライダーにつかまってしまい、フロントローに着けなかった。でも明日、トップグループと一緒に逃げられれば、アッセンでのレースのように、前方でいい戦いができると思う」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:41.745 |
2 | E.ラバティ | ヤマハ | 1:42.393 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:42.614 |
4 | T.コルサー | BMW | 1:42.688 |
5 | M.メランドリ | ヤマハ | 1:42.714 |
6 | L.ハスラム | BMW | 1:42.723 |
17 | ルーベン・チャウス | Honda | 1:44.216 |
21 | ファブリッツォ・ライ | Honda | 1:45.739 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | C.デイビス | ヤマハ | 1:47.809 |
2 | サム・ロース | Honda | +0.242 |
3 | B.パークス | カワサキ | +0.380 |
4 | ファビアン・フォーレ | Honda | +0.538 |
5 | R.タンブリーニ | ヤマハ | +0.559 |
6 | L.スカッサ | ヤマハ | +0.659 |
7 | フローリアン・マリーノ | Honda | +0.750 |
8 | ジェームス・エリソン | Honda | +1.271 |
9 | ジノ・レイ | Honda | +1.344 |
11 | ミゲル・プライア | Honda | +1.523 |
12 | ロビン・ハームス | Honda | +1.813 |
15 | オンドレイ・ジュゼク | Honda | +2.075 |
17 | イムレ・トース | Honda | +2.111 |
18 | ウラジミール・イワノフ | Honda | +2.193 |
20 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +2.805 |
22 | バラージュ・ネメス | Honda | +3.362 |
23 | パウェル・スコペック | Honda | +3.368 |
24 | ロベルト・ムレシャン | Honda | +3.748 |
27 | ミッチェル・ピロッタ | Honda | +5.071 |
29 | ジョバンニ・アルトモンテ | Honda | +6.161 |