round 2

March 27 2011, RACE
FIM Superbike World Championship Europe
第2戦 ヨーロッパ

レイ、チャウスともにトップ10フィニッシュ

ドニントンパークで開催された第2戦ヨーロッパ大会決勝は、両レースともに気温が10℃以下の寒さとなり、路面温度も8℃前後という厳しい条件の中で行われた。その中で、Castrol Honda World Superbike Teamのジョナサン・レイとルーベン・チャウスは、ともに両レースで完走し、ポイントを獲得した。

地元大会に闘志満々。予選8番手から優勝を目指したレイは、第1レース5位、第2レース6位と、惜しくも表彰台に届かなかった。第1レース、第2レースともにレイは、気温も路面温度も低いことからソフトタイヤをチョイスした。その選択は決して悪くなかったのだが、中盤以降、厳しい走りを強いられた。

第1レースは、まずまずのスタートから序盤はトップグループに加わった。今大会は、タイヤの選択が難しく、目まぐるしくポジションが入れ替わった。ソフトを選択した選手は後半順位を落とし、ハードを選択した選手は追い上げのレースをする。そのようなレース展開の中で両レースともにソフトをチョイスしたレイは、後半苦しい走りを強いられることになるが、ラップタイムを大きく落とさない巧みな走りを見せた。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ルーベン・チャウスルーベン・チャウス
  • ジノ・レイジノ・レイ
  • ロビン・ハームスロビン・ハームス
  • フローリアン・マリーノフローリアン・マリーノ
  • サム・ロースサム・ロース
  • マシンに描かれた日本応援コメントマシンに描かれた日本応援コメント

チャウスは、第1レース12位、第2レース10位という結果だった。ハードをチョイスした第1レースは、スタートからゴールまで、思うようにペースを上げられず、苦しい走り。そのため第2レースはソフトをチョイス。それでペースを取り戻し、レース中盤までは5位になったホアン・ラスコルツ(カワサキ)とバトルを繰り広げ、チームメートのレイの背後に迫り、6番手まで順位を上げることに成功していた。しかし、後半はタイヤの消耗でペースを落とし、10位だった。

両レースともに厳しいコンディション。その厳しいコンディションの中で、フリー、予選とエンジンブレーキのセッティングなどに苦しみ、完ぺきな状態を作れないまま決勝に挑んだ両選手だったが、粘り強い走りで両レースともにトップ10フィニッシュを果たした。次戦オランダ大会は、チームのホーム大会。今大会のデータを生かし、今季初表彰台、初優勝を目指すことになる。

第1レースで優勝したのはマルコ・メランドリ(ヤマハ)。第2レースはカルロス・チェカ(ドゥカティ)だった。

スーパースポーツ世界選手権は、予選6番手から追い上げのレースを見せたジノ・レイ(Step Racing Team)が今季初表彰台となる3位。レイとし烈な戦いを繰り広げたロビン・ハームス(Harms Benjan Racing Team)が4位でフィニッシュした。予選3番手から中盤まで3番手を走ったサム・ロース(Parkalgar Honda)は、オープニングラップ6番手から猛烈な追い上げを見せる。中盤にはファステストラップを刻んでトップグループに迫ったが、惜しくもトラブルでリタイアとなった。そのロースと3位争いに加わったジェームス・エリソン(Bogdanka PTR Honda)も転倒リタイアと、CBR600RR勢にとっては激しい戦いとなった。優勝したのはルカ・スカッサ(ヤマハ)だった。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 5位/6位)「5位と6位という結果は、ここまでの状態を考えれば決して悪いわけではないが、自分が望んだリザルトではなかった。もっといい結果を残そうとがんばった。第2レースはミスもなく全力を尽くせただけに残念だった。レース序盤、できる限りプッシュした。それなのに簡単に引き離されてしまった。今日はソフトタイヤをチョイスした。しかし、レース中盤でタイヤは消耗してしまった。それも終盤遅れた理由の1つだった。今日のレースを終えて、いくつか感じたのは、これは電気的なものだが、スローコーナーからの立ち上がりを改善しなくてはいけないということ。次戦のアッセンは、同じようなセクションがあるので、この部分をよくする必要がある。これ以上、トップグループとのギャップが開かないように、そして、その差を縮めていかなければならない。これからを考えれば、もっともっとがんばらないといけない」

ルーベン・チャウス(スーパーバイク 12位/10位)「第1レースは、タイヤの持ちを考えてハードタイヤで挑んだが、まだCBR1000RRで2戦目ということもあり、うまく使いこなせなかった。寒かったこともあって、ブレーキングの立ち上がりもいいフィーリングを得られなかった。とにかく、1カ月前のオーストラリアは暖かかったし、あれから1カ月が経って、この寒さの中でパフォーマンスを発揮するのは、決して簡単ではなかった。第2レースはソフトをチョイスした。そのためフィーリングはよかったし、ラスコルツを追いかけ、その後、ジョニー(レイ)の後ろで数周走ることができた。しかし、タイヤのグリップが落ちてペースを落とし、3、4人のライダーに抜かれてしまった。それからは完走するための走りに徹した。両レースでポイントを獲得できたことはよかった。トップグループとの差も縮めることができた」

ジノ・レイ(スーパースポーツ 3位)「今日のレースは、ちょっとラッキーだった。予選まではあまりいい状態ではなかった。どこまでやれるか自信もなかった。開幕戦オーストラリアで転倒しているし、とにかくポイントを獲得したかった。それが3位で終われて、なんて言ったらいいのか分からない。ただびっくりしている。一生懸命がんばってくれたチームに本当にお礼を言いたい。本当にすばらしい気分だ」

ロビン・ハームス(スーパースポーツ 4位)「チャンピオンシップでは、Honda勢のトップとなる3位。これはいいことだけれど、今日は表彰台に立ちたかった。終盤、3位争いの中で、コーナーでワイドになってしまいグラベルを走らざるを得なかった。それで6位まで落ちてしまい、なんとかポジションを回復した。表彰台には立てなかったけれど、ベストを尽くしたと思う。チームにとってもベストリザルト。次戦もがんばりたい」

フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 6位)「厳しいレースになると思っていたが、その通りになった。予選ではいいバランスを見つけ、マシンの感触もよかった。でも決勝は気温が低いので、違うタイヤをチョイスした。結果的にそれがうまくいかなかった。何度もハイサイドになり、序盤には、転倒しかけて腕を強く打ってしまった。それからあまり強くプッシュできなかったが、ポイントを獲得できてよかった」

サム・ロース(スーパースポーツ リタイア)「先頭の2人に近づいているときにクラッチに問題が出てしまった。とても残念。あのまま走っていれば優勝できるレースだった。リタイアする直前にラップレコードを出した。本当にがっかりしている。母国ファンの前で本当に優勝したかった。ポジティブなこととしては、速さを見せられたこと。アッセンでは、この埋め合わせをしたい」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1M.メランドリヤマハ2334:33.189
2J.シュムルツドゥカティ23+2.455
3C.チェカドゥカティ23+5.839
4L.ハスラムBMW23+6.176
5ジョナサン・レイHonda23+9.039
6芳賀紀行アプリリア23+9.215
     
12ルーベン・チャウスHonda23+28.378

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1C.チェカドゥカティ2334:21.537
2M.メランドリヤマハ23+3.397
3L.キャミアアプリリア23+5.902
4L.ハスラムBMW23+13.842
5J.ラスコルツカワサキ23+14.253
6ジョナサン・レイHonda23+19.413
     
10ルーベン・チャウスHonda23+24.907

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1L.スカッサヤマハ2233:40.762
2C.デイビスヤマハ22+0.270
3ジノ・レイHonda22+20.374
4ロビン・ハームスHonda22+23.469
5B.パークスカワサキ22+24.872
6D.サロンカワサキ22+32.001
     
8フローリアン・マリーノHonda22+43.826
10アレクサンダー・ルンドHonda22+55.956
11ミゲル・プライアHonda22+1:00.717
13オンドレイ・ジュゼクHonda22+1:06.106
14バラージュ・ネメスHonda22+1:08.528
16イムレ・トースHonda21+1Lap
17ミッチェル・ピロッタHonda21+1Lap
RTジェームス・エリソンHonda21+1Lap
RTパウェル・スコペックHonda18+4Laps
RTバスティン・シェゾーHonda14+8Laps
RTサム・ロースHonda12+10Laps
RTウラジミール・イワノフHonda3+19Laps
NSロベルト・ムレシャンHonda0  
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.チェカドゥカティ91
2M.メランドリヤマハ72
3L.ハスラムBMW53
4M.ビアッジアプリリア49
5J.シュムルツドゥカティ42
6ジョナサン・レイHonda38
 
14ルーベン・チャウスHonda16

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ドゥカティ95
2ヤマハ74
3アプリリア66
4BMW53
5Honda38
6カワサキ32
7スズキ27

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1 L.スカッサヤマハ50
2 B.パークスカワサキ31
3 ロビン・ハームスHonda24
4 D.サロンカワサキ23
5 C.デイビスヤマハ20
6 フローリアン・マリーノHonda17
 
7 ジノ・レイHonda16
8 サム・ロースHonda16
10 アレクサンダー・ルンドHonda13
11 ジェームス・エリソンHonda10
13 オンドレイ・ジュゼクHonda7
15 ミゲル・プライアHonda5
18 バラージュ・ネメスHonda4
19 バスティン・シェゾーHonda3
21 イムレ・トースHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ヤマハ50
2Honda32
3カワサキ31
4トライアンフ7