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全日本ロードレース選手権

round 07

SCHEDULE

September 28 2014, RACE All Japan Road Race Championship Okayama

岡山国際サーキット岡山国際サーキット

JSB1000、2位に高橋巧、3位に山口辰也で、Honda勢がダブル表彰台を獲得
J-GP2では渡辺一馬が今季初優勝、2位に高橋裕紀、3位浦本修充
ST600は小林龍太が優勝でランキングトップを死守
J-GP3で山田誓己が2勝目を挙げ、総合首位に浮上。2位作本輝介と3位伊達悠太は初表彰台

2014年9月28日(日)・決勝  会場:岡山国際サーキット  天候:晴れ  気温:25℃  観客:5500人

MFJ全日本ロードレース選手権第7戦は、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。今大会は全クラス開催となり、JSB1000は6戦目、他クラスは5戦目の戦いとなります。JSB1000で初のタイトル獲得に挑む高橋巧(MuSASHi RTハルクプロ)は、ランキング2位から逆転を目指し、ランキング7位につける山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)も上位進出を狙います。

  • 高橋巧高橋巧
  • 高橋巧高橋巧
  • 山口辰也山口辰也
  • 山口辰也山口辰也
  • 渡辺一馬渡辺一馬
  • 小林龍太小林龍太
  • 山田誓己山田誓己

9月27日(土)に開かれた予選はノックアウト方式で行われ、ポールポジション(PP)は中須賀克行(ヤマハ)。2番手に津田拓也(スズキ)。高橋巧は3番手につけ、山口は4番手スタートとなりました。

28日(日)の決勝レースのホールショットは中須賀。中須賀はオープニングラップから飛ばし、それについていこうとした津田がダブルヘアピンで転倒。高橋巧は、そのあおりを受け、トップの中須賀と差ができてしまいます。中須賀はファーストラップで2番手の高橋巧に1秒8ものアドバンテージを築き、周回ごとに広げます。高橋巧、山口、柳川明(カワサキ)が2番手争いを繰り広げながら中須賀を追いかけましたが届かず、中須賀は今季3勝目を挙げました。高橋巧は2位でチェッカー。3位に山口が入り、今季初表彰台を獲得しました。ポイント争いは中須賀がトップで、2番手の高橋巧が7ポイント差で追う展開となり、タイトル争いは最終戦で決着します。

J-GP2クラスは渡辺一馬(テルル&Y!★KoharaRT)がクラス初のPPを獲得します。予選で、ランキングトップの高橋裕紀(Moriwaki Racing)は転倒してしまい、アタックのタイミングを逃して7番手。しかし、決勝朝のウォームアップでは1分31秒576を記録し、このタイムが予選で記録できていれば2番手という速さを示し、決勝グリッドにつきました。

決勝のホールショットは岩田悟(NTS T.Pro Project)が決めますが、ヘアピンでは井筒仁康(カワサキ)が前に出ます。すぐさま高橋裕紀が井筒を捕らえ、首位に立ちます。高橋裕紀、井筒、岩田、渡辺、浦本修充(MuSASHi RTハルクプロ)がトップ集団を形成し、5台による争いとなります。高橋裕紀がペースアップし、2番手以降を引き離そうとスパート。井筒、渡辺がそれを追いかけます。上位3台が抜け出し、浦本、岩田は4番手争いを繰り広げました。10ラップ目に井筒が1コーナーで高橋裕紀を捕らえ、首位に浮上しますが、ダブルヘアピンの1つ目で転倒し、リタイア。代わって高橋裕紀が首位に立ったものの、その背後に付けていた渡辺が高橋裕紀を捕らえてトップに浮上。そのまま逃げきり、うれしい今季初優勝を飾りました。2位に高橋裕紀、3位には浦本が入り、Hondaマシンを駆る3人が表彰台に上がりました。高橋裕紀のランキングトップは変わらず、最終戦でのタイトル獲得に挑みます。

ST600クラスでは、小林龍太(ミストレーサwithHARC-PRO.)が初のPPを獲得しました。小林はホールショットを奪ってレースをリードします。3番手の國川浩道(TOHO Racing Powered by MORIWAKI)は大崎誠之(ヤマハ)に襲いかかりますが、ヘアピンでオーバーラン。転倒は免れましたが、5番手に後退します。小林は逃げ、それを伊藤勇樹(ヤマハ)、大崎、近藤湧也(ヤマハ)、國川が僅差で追ってトップ集団を形成します。6ラップ目には大崎が2番手に浮上。9ラップ目に國川が転倒して戦列を離れ、トップ争いは4台へと絞られました。小林はレース終盤にかけ、ペースアップして2番手以下を引き離し始めます。2番手争いは大崎と伊藤で争われました。14ラップ目に伊藤が前に出て小林を追いかけますが、首位の小林は2番手に約1秒5のビハインドを持って周回を重ねて差を広げ、うれしい2勝目を飾りました。2位には大崎が逆転して入り、3位に伊藤となりました。小林はランキングトップを守り、初のチャンピオン獲得に挑みます。

J-GP3クラスは、17歳の高校生ライダー作本輝介(Club PARIS RSC)が初のPP獲得。決勝ホールショットは作本で、2番手に山田誓己(リベルト PLUSONE&ENDURANCE)、大久保光(Hot Racing)が続きます。3ラップ目に大久保がトップを奪い、レースを引っ張ります。トップ集団は9台の大混戦。そこから、4ラップ目には再び作本が首位に立ち、5ラップ目には2番手の大久保が作本に迫ります。7ラップ目には山田が一気に前に出て首位に立ち、大久保、作本と3台によるトップ争いに。セカンドグループに徳留真紀(Tome Team PLUSONE) と伊達悠太(犬の乳酸菌jp/プリミティブR.T&バトルF)、鳥羽海渡(TEC2&TDA&NOBBY)、水野涼(MuSASHI RTハルクプロ)が争います。11ラップ目に鳥羽が4番手へ浮上し、12ラップ目には水野が5番手、6番手に伊達、7番手徳留とポジションが入れ替わります。水野、伊達はベストタイムを記録してトップ集団に迫り、優勝争いは6台に膨れ上がります。15ラップ目のヘアピンで、大久保と鳥羽が転倒し、トップ集団から離脱。トップ争いは山田、作本、伊達、水野、徳留の5台に。そこから、山田と作本が抜け、一騎打ちの戦いとなります。最終ラップの攻防を制したのは山田で、僅差で作本、3位には伊達が入りました。山田は今季2勝目でランキングトップに返り咲きました。作本と、15才の伊達は、ともに初表彰台を獲得しました。

なお、9月27日(土)の予選終了後には、J-GP2に参戦中の亀谷長純(MuSASHi RTハルクプロ)の引退会見が開かれました。亀谷は「来季からは後進の指導に専念したい」と今季限りでライダー生活に終止符を打つことを発表しました。全日本ロードレース最終戦鈴鹿がラストランとなります。

コメント

高橋巧(JSB1000 2位)
「レース序盤に目の前で津田選手が転倒して中須賀さんとの差ができてしまい、最後まで、その差を詰めることができませんでした。勝てなかったのは悔しいですが、岡山国際は一度も表彰台に上がったことがないサーキットだったので、そこで2位になれたことはよかったと思います。中須賀さんとのポイント差を詰めることができず、最終戦の鈴鹿は追いかける立場での勝負になりますが、自分を信じて最大限の努力をして、チャンピオン獲得に挑みたいと思います」

山口辰也(JSB1000 3位)
「岡山国際はチームにとっては地元なので、いい結果を残したいと思っていました。しかし、ST600では転倒し、J-GP2もいい結果が残せなかったので、自分ががんばらなければと思っていました。前戦のオートポリスでトップグループとの差を詰めることができていたので、前にいきたいと狙っていました。高橋巧選手のすぐ後ろを走っていて、パスできるチャンスもあったのですが、生かしきれませんでした。周回遅れが出てからは、マシンの条件では同じ馬力なので、パスできるポイントが難しくなりました。もっともっとマシンのポテンシャルを上げ、自身の腕も磨いて上位を目指したいと思います」

渡辺一馬(J-GP2 優勝)
「最初から逃げたかったのですが、スタートを失敗。序盤戦のバトルは激しく、何度かマシンがぶつかる場面もあり、高橋裕紀選手との差が2秒くらい開いてしまいました。ただ、自分の走りをすることができれば前にいける自信があったので、19ラップを戦ったあとに前にいればいいと思っていました。高橋選手に勝つことは最大の目標だったので、ドライコンディションで勝つことができて、本当にうれしいです」

高橋裕紀(J-GP2 2位)
「今回は渡辺選手にかなわなかったですが、MotoGP日本GP参戦に向けての準備は整いました。テストから新しいシャシーを投入して、いい感触を得ています。J-GP2の代表として戦おうと思っています。みんなの目標となるような結果を残したいです」

浦本修充(J-GP2 3位)
「事前テストからうまく走れず、やっと予選で兆しが見え、決勝朝のウォームアップランで煮詰まってきたという状況でした。セッティングを違う方向で進めていることに気が付くのが遅かったことが、反省としてあります。最終戦は得意な鈴鹿なので、勝ちにいきます」

小林龍太(ST600 優勝)
「気温が上がり、路面温度が上昇したことで、考えていたような走りができませんでしたが、後半になれば優位に戦うことができる自信がありました。10ラップ過ぎにはスパートしようと決めていて、その通りに逃げることができたのですが、周回遅れが絡むなど予測のできない展開もあり、最後まで気を抜けませんでした。ランキングトップを守ることができたので、最終戦はタイトルを取りにいきます」

山田誓己(J-GP3 優勝)
「序盤からタイムアップしていく作戦でしたが、思うようにペースが上がらず、落ち着いて前に出ていきました。最終ラップのダブルヘアピンを抑えることができたので、そこからしっかりと締めて走りきりました。勝ってポイントを加算することができたので、最終戦はポール・トゥ・ウインでV2を決めたいです」

作本輝介(J-GP3 2位)
「最後までトップ争いをして走りきることができました。後ろのことは気にせずに自分の走りのことだけを考えていました。もう少しで勝てたと思うと、ものすごく悔しいですが、結果が欲しいと思っていたので、2位になれてよかったです。山田誓己選手を超えるライダーになれるように、がんばります」

伊達悠太(J-GP3 3位)
「予選10番手から追い上げのレースになりました。ほかと比べてタイムが出ていない僕が前に出るチャンスは、トップ争いを引っかき回すしかないと思っていました。バトルになればレースタイムも遅くなるので、そうなればチャンスができるとがんばりました。今年はアジアタレントカップに参戦して競り合いは鍛えられているので、その成果を出せたと思います。トップが目の前だったので勝てなくて残念ですが、表彰台はうれしいです」

決勝リザルト

JSB1000
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11中須賀克行ヤマハ24 36'04.130
2634高橋巧Honda24+2.981
3104山口辰也Honda24+9.364
487柳川明カワサキ24+15.098
585中冨伸一ヤマハ24+25.902
631野左根航汰ヤマハ24+31.221
771加賀山就臣スズキ24+31.453
826渡辺一樹カワサキ24 +40.780
933藤田拓哉ヤマハ24+43.504
1032今野由寛スズキ24+47.401
J-GP2
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
147渡辺一馬KALEX19 29'22.688
272高橋裕紀MORIWAKI19+1.064
3634浦本修充 HP619 +8.790
42生形秀之スズキ19+12.446
571小山知良 NH619+12.637
65岩田悟NH619 +12.920
751高橋英倫カワサキ19+27.404
855渥美心 TSR219+27.563
944関口太郎 TSR219+27.774
1013大木崇行Honda19+29.857
ST600
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
124小林龍太Honda19 29'48.901
23大崎誠之ヤマハ19+1.725
376伊藤勇樹ヤマハ19 +2.210
465C.ポラマイヤマハ19+12.289
56稲垣誠ヤマハ19 +13.140
67岩崎哲朗カワサキ19+13.213
718日浦大治朗Honda19+13.584
833岡村光矩カワサキ19+13.681
92横江竜司ヤマハ19+18.387
1069津田一磨スズキ19+21.075
J-GP3
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山田誓己Honda19 31'00.074
233作本輝介Honda19+0.058
335伊達悠太Honda19+0.118
4634水野涼Honda19+0.193
57徳留真紀Honda19+5.631
627栗原佳祐Honda19+15.719
719古市右京KTM19+16.551
822中山翔太Honda19+16.805
956小室旭Honda19+16.807
1010菊池寛幸Honda19+22.971

ポイントスタンディング

JSB1000
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1中須賀克行ヤマハ134
2高橋巧Honda127
3津田拓也スズキ94
4柳川明カワサキ88
5山口辰也Honda84
6加賀山就臣スズキ82
7渡辺一樹カワサキ82
8野左根航汰ヤマハ69
9藤田拓哉ヤマハ63
10中冨伸一ヤマハ53
J-GP2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋裕紀MORIWAKI115
2生形秀之スズキ100
3浦本修充 HP697
4渡辺一馬KALEX68
5D.クライサルトヤマハ68
6岩田悟 NH666
7井筒仁康カワサキ63
8関口太郎 TSR260
9小山知良 NH657
10高橋英倫カワサキ53
ST600
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1小林龍太Honda102
2C.ポラマイヤマハ95
3岡村光矩カワサキ70
4岩崎哲朗カワサキ69
5大崎誠之ヤマハ62
6日浦大治朗Honda61
7國川浩道Honda59
8横江竜司ヤマハ58
9津田一磨スズキ56
10稲垣誠ヤマハ48
J-GP3
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1山田誓己Honda107
2水野涼Honda101
3鳥羽海渡Honda70
4徳留真紀Honda66
5作本輝介Honda65
6大久保光Honda58
7伊達悠太Honda54
8小室旭Honda54
9中山翔太Honda44
10北見剣Honda40