round 16

September 18 2010, QUALIFYING
IZOD IndyCar Series Indy Japan 300
第16戦 ツインリンクもてぎ

エリオ・カストロネベスが今シーズン2回目のポールポジションを獲得
佐藤琢磨は10番手、武藤英紀は17番手、ロジャー安川は21番手

暑さが一段落し、清々しい天候に恵まれたツインリンクもてぎで、インディジャパン300マイルのプラクティス、そして予選が行われた。一周の全長が1.5マイル、テクニカルな高速オーバルコースでポールポジションを獲得したのは、先々週ケンタッキーで行われた第15戦で優勝したばかりのエリオ・カストロネベス(Team Penske)だった。今シーズン2回目のポールポジション、そして、インディジャパン300における4回目のポールである。

決勝の前に与えられる走行時間は、1時間のプラクティス2回と予選だけ。非常に限られた時間の中で、各チームは決勝用のマシンセッティングを重点的に行う。しかし、ツインリンクもてぎはオーバーテイクの難しいコースであるため、予選順位も重要。インディジャパンの戦い方は非常に難しい。

25台のインディカーに乗るドライバーたちは、くじ引きで決定した順番で2周の連続アタックを敢行した。チャンピオン争いの真っただ中にいるダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)が3番目にコースインして、トップタイムとなる54秒4574=平均時速200.964マイルを記録。彼を上回るタイムをマークしたのは、12番目にアタックしたカストロネベスだった。彼の2周の合計タイム=54秒1803は平均時速が201.992マイルに達し、Team Penskeのチームメート、ライアン・ブリスコーが予選2番手、ポイント・リーダーのウィル・パワーは予選3番手につけた。フランキッティは最終的に予選4番手に決定した。

  • エリオ・カストロネベスエリオ・カストロネベス
  • エリオ・カストロネベスエリオ・カストロネベス
  • ウィル・パワー(左)、エリオ・カストロネベス(中央)、ライアン・ブリスコー(右)ウィル・パワー(左)、エリオ・カストロネベス(中央)、ライアン・ブリスコー(右)
  • ドライバー集合ドライバー集合
  • 佐藤琢磨(手前)、武藤英紀(中央)、ロジャー安川(奥)佐藤琢磨(手前)、武藤英紀(中央)、ロジャー安川(奥)
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 武藤英紀武藤英紀
  • 武藤英紀武藤英紀

今年のインディジャパンではAndretti Autosportも好調で、マルコ・アンドレッティ、トニー・カナーン、ライアン・ハンターレイが予選5、6、7番手につけた。08年に日本で優勝しているダニカ・パトリックは予選12番手だった。

佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、プラクティス1回目の走行6周目にオイル漏れからアクシデント。プラクティス2回目は途中からの出走で十分な走行を行えないまま予選を迎えたが、そんな不利をはね返して予選10番手に食い込んで見せた。

武藤英紀(Newman/Haas Racing)は、2回のプラクティスを通して決勝用セッティングを重点的に進めていた。予選順位は17番手となったが、決勝に向けての手応えはいいようだ。

コメント

エリオ・カストロネベス(ポールポジション)「チームの力によって獲得したポールポジションだ。そして、僕らは予選1-2-3位を独占した。しかし、多くのマシンの実力が非常に拮抗している。オーバーテイクは難しく、チャレンジングなレースとなるだろう。トラフィックで速いマシンが強い。そういうレースになるかもしれない」

ライアン・ブリスコー(2番手)「エリオの予選アタックはすごかった。あの走りはポールポジションに値する。今回はインディジャパンでは最多となる25台が出場しているため、レースではトラフィックがカギを握ることになるかもしれない。ピットストップも重要で、勝つためには多くの要素が必要となる」

ウィル・パワー(3番手)「インディ500でのポールポジション獲得に続いて、エリオの走りには衝撃を受けた。彼は本当に速いドライバーだ。明日のレースでは、このように強力なチームメートと戦いながら、チャンピオンの座を争うダリオ・フランキッティよりも前でゴールすることを目指す。チームの3人全員がいいポジションでゴールする。それを目指せば、いい結果を手にすることができると思う」

佐藤琢磨(10番手)「プラクティス1回目にトラブルによるアクシデントがあり、予選はぶっつけ本番のようになっていました。セッティングも大きく変え、アタック中にマシンが大きく滑りもしましたが、これまでに積んできたオーバルでの経験を生かして何とかアタックを終えました。日本でのレースは3年ぶり。本当に多くのファンが応援をしてくれているので、予選は思いきっていきました。今日のデータなどから悪い部分をできる限り直し、明日は力強いレースを戦いたいと考えています」

武藤英紀(17番手)「予選ではもう少しスピードを出したかったし、出せると思っていました。12番手ぐらいまでには入れると考えていました。自分たちは2回のプラクティスでレース用のセッティングをメインで行っていたので、マシンをなかなかいい状態に仕上げることができていると思います。スピードのすごくあるマシンではなくても、レースでも安定したパフォーマンスを発揮できるマシンになっていると思うので、1つずつ順位を上げていくレースを戦えると思います」

ロジャー安川(21番手)「1年ぶりのインディカー・レースですが、チームの用意してくれたベースとなるマシンセッティングはとてもよかったです。プラクティスの終盤にオーバーステア傾向があったため、アタック1周目は慎重に走りました。しかし、ハンドリングがいい状態に戻っていると1周目に確認でき、2周目は満足のいくスピードが出せました。決勝レースに向けたマシンの仕上がりはよいと感じています。昨年は悔しいマシントラブルでのリタイアでしたから、今年はぜひとも完走し、トップ10フィニッシュを達成したいと思います」

エリック・バークマン|HPD 社長「昨日の金曜日からとてもたくさんの子どもたち、家族連れのファンがツインリンクもてぎに詰め掛けてくれている。今日はいい天気の下で予選が開催され、Team Penskeが上位を独占した。しかしChip Ganassi RacingやAndretti Autosport、そしてKV Racing Technologyらが僅差につけている。佐藤琢磨はプラクティス1回目にトラブルからアクシデントを起こしたが、予選ではトップ10に食い込む見事なパフォーマンスを見せ、武藤英紀もいい走りを見せた。明日のレースも非常にエキサイティングなものになるだろう。タイトル争いもポイント差は小さく、明日のレースでし烈な戦いが見られるに違いない」

予選リザルト
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
13エリオ・カストロネベスTeam PenskeD/H/F00:54.1803
26ライアン・ブリスコーTeam PenskeD/H/F 00:54.2873
312ウィル・パワーTeam PenskeD/H/F 00:54.3226
410ダリオ・フランキッティChip Ganassi RacingD/H/F 00:54.4574
526マルコ・アンドレッティAndretti AutosportD/H/F 00:54.6689
611トニー・カナーンAndretti AutosportD/H/F 00:54.7169
737ライアン・ハンターレイAndretti AutosportD/H/F 00:54.8233
88E.J.ヴィソKV Racing TechnologyD/H/F 00:54.8606
94ダン・ウェルドンPanther RacingD/H/F 00:54.9329
105佐藤琢磨KV Racing TechnologyD/H/F 00:54.9423
119スコット・ディクソンChip Ganassi RacingD/H/F 00:54.9894
127ダニカ・パトリックAndretti AutosportD/H/F 00:55.0130
13 34 ベルトラン・バゲットConquest RacingD/H/F 00:55.0520
1414ヴィットール・メイラA.J. Foyt EnterprisesD/H/F 00:55.2867
1519アレックス・ロイドDale Coyne RacingD/H/F 00:55.3969
1602グラハム・レイホールNewman/Haas RacingD/H/F 00:55.4403
1706武藤英紀Newman/Haas RacingD/H/F 00:55.4517
1822ジャスティン・ウィルソンDreyer & Reinbold RacingD/H/F 00:55.5956
192ラファエル・マトスde Ferran Dragon RacingD/H/F 00:55.6061
2032マリオ・モラレスKV Racing TechnologyD/H/F 00:55.7060
2136ロジャー安川Conquest RacingD/H/F 00:55.7524
22 24ポール・トレイシーDreyer & Reinbold Racing D/H/F 00:55.9198
2377アレックス・タグリアーニFAZZT Race TeamD/H/F 00:55.9844
2478シモーナ・デ・シルベストロHVM RacingD/H/F 00:56.5403
2518ミルカ・デュノーDale Coyne RacingD/H/F 00:56.8439