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武藤英紀 第4戦 鈴鹿サーキット
 

 みなさん、こんにちは。今シーズン、ナカジマ・レーシングからフォーミュラ・ニッポン(以下FN)とSUPER GTに参戦している武藤英紀です。先週の日曜日に鈴鹿サーキットで行われたFNシリーズ第4戦の結果を報告します。

 今回の舞台となる鈴鹿サーキットは、4月の第2戦に次いで、これが2回目のレース。前回は初ポイントをゲットしているだけに、今回はもちろんその上を狙っていました。金曜日の公式合同テストでは、マシンのバランスも良く、午後のセッションで4番手、総合でも6番手につけることができ、上々の滑り出しとなりました。予選ではさらに上位を狙って、エンジニアの田坂さんと、マシンのセットアップを追求することになりました。

<予選>
 土曜日に行われた公式予選は、2回のセッションともドライコンディションでした。
 1回目のセッションは開始から5分ほどして走行を開始し、計測2周目に1分47秒665をマークしました。その後ピットインして少しセットを変更、ピットアウトしてセットを確認する作業を繰り返したあと、いよいよ本番のアタックとなりました。インラップでタイヤをうまく温めてアタックラップに入ったのですが、S字コーナーでミスしてしまいタイムロス。次の周には1分47秒307まで詰め、自己ベストは更新できました。しかし、僕のマシンはセッティングのせいか、1周目と2周目以降ではグリップが明らかに違っていました。だから、本当に痛いミスになってしまいました。チームメイトのロイック(・デュバル選手)は、この1回目のセッションで3セットのニュータイヤを使いましたが、僕は2セットのみで切り上げ、午後のセッションにかけることになりました。
 その2回目のセッションには、気持ちを切り替えて臨みました。まずはユーズドタイヤでマシンのセットを確認しながら走り、ピットに戻ってセットを変更して、また確認のために走る。それを繰り返したあと、アタックにかかりました。最初のアタックでは1分47秒606をマークしましたが、自己ベストには遠く及びません。ピットに戻ると、いよいよこれが最後、4セット目のニュータイヤに履き替えてのファイナルアタックです。ピットでタイミングを計りながら待機し、ラスト5分となったところでピットアウト。うまくタイヤを温めてアタックラップに入ったのですが、何故か手応えがありません。実際、1分47秒336と、午前の自己ベストを更新できませんでした。
 マシンのフィーリングは悪くないので、何故タイムが出ないのかが分かりません。エンジニアの田坂さんや中嶋監督と相談して、決勝に向けてはさらにセッティングを変更し、何よりも、僕自身の気持ちを切り替えて、晴れでも雨でも後方から追い上げるつもりです。

<決勝>
 決勝日の早朝に行われたフリー走行では手応えがありました。予選終了後のセット変更もうまくいったようで、燃料満タンと重い状態で1分49秒190をあっさりマーク。ピットインのシミュレーションもバッチリで、後は決勝で、僕が頑張るだけです。
 決勝レースが始まる前、F3レースの後半で雨が降ったため、スタート前に10分間のフリー走行が行われました。ウエット宣言が出されていましたがドライタイヤでも充分なくらい乾き始めていて、決勝レースはもちろんドライタイヤでスタートです。
 スタートは、前の方のグリッドにいたマシンがエンジンストールしてしまい、大混雑の中を何とか潜り抜ける格好で始まりました。オープニングラップを終えたところで15番手と、事実上ポジションキープでレースが始まりました。僕の前には柳田選手がいましたが、僕の方がペースが速く、次第に近づいていきました。そして5周目の1コーナーでパスできました。続いて目の前に見えたのは数台で争うバトルの最後尾にいたロイックです。このバトルにもじわじわ近づいていき、遂にはそのバトルに加わることになりました。それから先も快調で、着実にポジションアップ。10位まで進出したところでルーティンピットとなりました。上位陣に匹敵するペースで追い上げていたため、ピットインを早めに行い、前が開けたところで目いっぱいチャージする、というのがチームの作戦で、ピットワークも完璧に終えられました。
 チームで分析した通り、先にピットインを済ませていたロイックの後方でピットアウト。ハイペースで先を急ぐことになりました。やがて前を行くロイックがアンドレ(・ロッテラー選手)に追いつき、僕も含めての接近戦になりました。作戦なのかアンドレのペースは余り速くはなかったのですが、やはり簡単には抜かせてもらえません。ロイックは20周目の1コーナーで勝負に出ましたが、少しオーバースピードだったようで、グラベルを突っ切ってスポンジバリアーにクラッシュしてしまいました。
  これでロイックに代わって、今度は僕がアンドレを攻めたてることになりました。でも抜けそうで抜けません。そして26周目のダンロップコーナーで、プレッシャーをかけようとラインを変えたところ、路面に撒かれていたオイルに乗ってしまいコースアウト。悔しいけれど、FN4戦目にして初のリタイアとなってしまいました。

 今回のレースでは、予選でタイムが伸びずに苦しみましたが、決勝ではよい流れを掴みかけるところまで行けました。ペース的にも充分な手応えを感じることができました。オイルが出ていたのは分かっていたので、もっとクールに判断することが必要でしたが、それでも次回に繋がるレースができたと思っています。
 次回は、8月初めにオートポリスで行われる第5戦。見たこともないコースだけに、走るのが今から楽しみです。その前の週には菅生でSUPER GTの第5戦があり、さらにその1週間前、今週末には十勝で行われる24時間レースにも参戦することになりました。FNだけでなく、色んなレースで活躍できるよう頑張ります。応援よろしくお願いします。

 
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