round 5

August 5 2012 Japanese Championship Formula NIPPON Twin Ring Motegi 第5戦 ツインリンクもてぎ
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SCHEDULE

  • レース情報
  • 予選
  • 決勝

#41 塚越広大選手が今シーズン3度目となる表彰台を獲得
#40 伊沢拓也選手も5位となり、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGがダブル入賞を達成

2012年8月5日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)  天候:晴れ
気温:34℃(13:30時点)  路面温度:50℃(13:30時点)  決勝レース:52周
観客:1万6000人(主催者発表)

8月5日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦の決勝レースが開催されました。

  • 塚越広大選手(右)塚越広大選手(右)
  • 塚越広大選手塚越広大選手
  • 塚越広大選手塚越広大選手
  • 伊沢拓也選手伊沢拓也選手
  • 金石年弘選手金石年弘選手
  • 中嶋大祐選手中嶋大祐選手
  • 小暮卓史選手小暮卓史選手
  • 中山友貴選手中山友貴選手
  • 山本尚貴選手山本尚貴選手

ツインリンクもてぎのある栃木県地方はこの日も晴天に恵まれ、午前8時50分にフリー走行が開始されたときには、すでに気温は32℃を超えていました。

このセッションでは、決勝レースに向け、ガソリンを満タンにしてハンドリングのバランスを確認する作業などが行われました。ここでHonda勢のトップに立ったのは、総合3番手のタイムを記録した#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。昨日の予選で9番グリッドを獲得した際、#40 伊沢選手は「決勝レースに向けたマシンの仕上がりがいい」と語っていましたが、その言葉通りの結果となりました。さらに、#10 金石年弘選手(HP REAL RACING)は6番手、#41 塚越広大選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は7番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は8番手、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は11番手、#11 中山友貴選手(HP REAL RACING)は12番手、#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)は14番手でフリー走行を終えました。

レースに出走する7人のHondaドライバーは、#41 塚越選手が5番グリッド、#40 伊沢選手が9番グリッド、#32 小暮選手が11番グリッド、#31 中嶋選手が12番グリッド、#16 山本選手が13番グリッド、#10 金石選手が14番グリッド、#11 中山選手が16番グリッドから決勝に挑みます。

午後2時、1周のフォーメーションラップに続いて決勝レースのスタートが切られました。ここで#41 塚越選手は抜群のダッシュを決め、5番グリッドから3番手にジャンプアップ。直後の3コーナーではライバルと軽い接触を喫してフロントウイングに軽いダメージを負いましたが、幸いにもそのままレースを続行できました。同様に、チームメートの#40 伊沢選手も9番グリッドから2つポジションを上げ、7番手となってオープニングラップを終えます。さらに、#32 小暮選手は9番手、#16 山本選手は10番手、#10 金石選手は13番手、#31 中嶋選手は14番手、#11 中山選手は16番手となって1周目を走り終えました。

3周目までに#41 塚越選手は後続のドライバーとのギャップを4.7秒まで広げましたが、そのあとはマシンのバランスに苦しみ、反対に差を詰められてしまいます。それでも#41 塚越選手は高い集中力を保って周回を重ねていき、3番手のポジションを守り続けました。

5周目、10番手を走行していた#16 山本選手のマシンに排気系のトラブルが発生します。この影響でパドルシフト・システムが不調に陥ったため、#16 山本選手はピットに戻って修復作業を行うことになりました。

猛暑の中、Hondaの各ドライバーは一つでも順位を上げるべく懸命の追走を試みましたが、フォーミュラ・ニッポンのレースでは追い抜きが難しいとされるコースレイアウトのため、順位の変動がほとんどないままレースは中盤戦を迎えます。

Honda勢でレース戦略に従ったピットストップを最初に行ったのは#40 伊沢選手の21周目。そして22周目には#10 金石選手、23周目には#41 塚越選手、24周目には#32 小暮選手、26周目には#11 中山選手、29周目には#31 中嶋選手がピットストップを行い、それぞれ給油とタイヤ交換を済ませました。

なお、#32 小暮選手のピット作業中のミスで交換用のタイヤがピットロード上を転がっていったため、これが「ピット作業違反」にあたると判断され、ドライブスルーペナルティが科せられることになりました。#32 小暮選手は31周目にこのペナルティを受けました。

これらがすべて終わった35周目の段階で、Honda勢のトップは#41 塚越選手の4番手。#41 塚越選手はピットストップ作業中にライバルの先行を許し、ポジションを1つ落としていましたが、チームメートの#40 伊沢選手は1つポジションを上げて6番手に浮上。#10 金石選手は11番手、#31 中嶋選手は13番手、#32 小暮選手は14番手、#11 中山選手は15番手となって走行を続けています。

一方、トラブルの対策を施していったんコースに復帰した#16 山本選手は、36周目に再びピットストップ。そのあとも修復作業を続けましたが、残念ながらリタイアを余儀なくされました。

レース終盤までトップグループの順位に変化はありませんでしたが、残り3周となったところで2番手を走行していたライバルにメカニカルトラブルが発生し、ペースが大幅に落ち込みます。このドライバーを、#41 塚越選手は51周目、そして#40 伊沢選手は52周目にオーバーテイク。それぞれ順位を1つずつ上げてチェッカーフラッグを受けました。

この結果、#41 塚越選手は3位でフィニッシュ。終始ライバルに追走されながらの走行となりましたが、#41 塚越選手は相手に付け入るすきを与えず、今シーズン3度目の表彰台を手に入れました。また、粘り強く52周を走りきった#40 伊沢選手も5位でフィニッシュし、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、2人のドライバーがそろってポイントを獲得するダブル入賞を果たしました。

#10 金石選手は11位、#31 中嶋選手は12位、#32 小暮選手は13位、#11 中山選手は14位でフィニッシュしました。第4戦富士大会と第5戦もてぎ大会の2戦にスポット参戦した#11 中山選手は、これで2戦連続の完走を果たしたことになります。優勝は#19 J.P.デ・オリベイラ選手(トヨタ)でした。

この結果、ドライバーのシリーズポイント争いでは#41 塚越選手が通算29ポイントを獲得。順位は3番手で変わりませんが、ポイントリーダーとのギャップを6点から5点へと縮めました。さらに#40 伊沢選手は21点で、引き続き5番手、4点を獲得している#16 山本選手は10番手となりました。

次戦は9月22、23日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されます。

また、決勝レースに先立ち、フォーミュラ・ニッポンを運営する株式会社日本レースプロモーションが記者会見を開き、1996年から用いられてきた「全日本選手権フォーミュラ・ニッポンシリーズ」の名称を、2013年から「全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ」に変更することを明らかにしました。これは「日本最高峰のフォーミュラカーレースとしてさらなる発展を期し、これからの時代に即した名称とする」ことを目的としたもので、今年の4月から5月までの約1カ月間でファンから応募があった3500通の中から、社内の選考を経て決定されました。今回の名称変更に伴い、アジアを代表するフォーミュラカーレースとなることを目標に、さらなる飛躍ならびに発展を目指すことになります。

コメント

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR12E」開発責任者「今日はチームとドライバーが本当によくがんばってくれたと思います。また、3位に入った#41 塚越選手は、フロントウイングにダメージを負いながらも、そこに自分のドライビングを合わせ込むことにより、ライバルと互角のペースで最後まで走りきってくれました。この暑い状況の中、あれだけ冷静に状況を判断し、対処した経験は、必ず今後に生きてくると思います。昨年の8月に開催された第4戦もてぎ大会のときと比較すると、今回投入したエンジンは2世代分の進化をしていることになりますが、その成果はデータにもはっきりと表れるほど大きなものでしたので、第6戦SUGO大会ではライバルと互角以上の戦いを演じることができると期待しています。また、すでに発表されているように、第6戦SUGO大会と第7戦鈴鹿大会には現在、インディカー・シリーズを戦っている佐藤琢磨選手がスポット参戦します。彼の技術的なフィードバックをHonda勢全体の底上げに活用できることを楽しみにしています。今後もフォーミュラ・ニッポンを戦うHondaドライバーに熱いご声援をお願いします」

塚越広大選手(3位 #41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)「スタートはうまく決まって3番手に浮上しましたが、そのあとは、燃料を多く積んでいる状態でのハンドリングが思わしくなかったため、必死にドライビングをして順位を守る形となりました。その後、ピットストップのタイミングでライバルに抜かれたのは残念でしたが、最後は3位でフィニッシュすることができました。自分としては現状で、できる限りのドライビングができたと考えていますが、総合的な実力ではまだまだライバル勢に負けているので、素直に喜べない部分も残っています。第6戦SUGO大会でも優勝を目指してがんばりますので、ご声援をよろしくお願いします」

伊沢拓也選手(5位 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)「スタートがうまくいったことに加え、ピットストップでもチームが完ぺきな仕事をしてくれました。マシンの仕上がりや作戦面にも全く不満はなかったので、悔やまれるのは昨日の予選ということになると思います。とはいえ、第4戦富士大会は2台そろってノーポイントだったので、#41 塚越選手が3位で僕が5位に入れたことは素直に喜んでいます。ただし、実力的にはまだトップに追いついていないので、今後もさらに努力していくつもりです」

決勝

順位No.ドライバーマシン周回数タイム/差
1 19 J.P.デ・オリベイラ トヨタ 52 1:26:38.128
2 1 A.ロッテラー トヨタ 52 +18.126
3 41 塚越広大 Honda 52 +27.791
4 2 中嶋一貴 トヨタ 52 +28.440
5 40 伊沢拓也 Honda 52 +35.195
6 8 L.デュバル トヨタ 52 +35.983
 
11 10 金石年弘 Honda 52 +1:06.876
12 31 中嶋大祐 Honda 52 +1:07.908
13 32 小暮卓史 Honda 52 +1:08.387
14 11 中山友貴 Honda 52 +1:25.002
- 16 山本尚貴 Honda 34 +18Laps

ポイントスタンディング

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 2 中嶋一貴 トヨタ 34
2 1 A.ロッテラー トヨタ 33
3 41 塚越広大 Honda 29
4 19 J.P.デ・オリベイラ トヨタ 28
5 40 伊沢拓也 Honda 21
6 7 大嶋和也 トヨタ 15
 
10 16 山本尚貴 Honda 4