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アジアロードレース選手権

round 06

SCHEDULE

December 5/6 2015, RACE Asia Road Racing Championship Thailand

タイタイ

高橋裕紀がレース1を制してタイトル決定。ダブルウインでシーズンを締めくくる
レース1で5位、レース2で2位の小山はランキング2位に

2015年12月5日(土)、6日(日)・決勝  会場:チャーン・インターナショナル・サーキット(4.554km)

アジアロードレース選手権の最終戦は、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催され、12月5日(土)にレース1が、6日(日)にレース2が行われました。

  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 小山知良小山知良
  • ディマス・プラタマディマス・プラタマ
  • ムクラダ・サラプーチムクラダ・サラプーチ
  • (左から)フェブリアンシャー、中村大輝、ムクラダ・サラプーチ(左から)フェブリアンシャー、中村大輝、ムクラダ・サラプーチ
  • ナカリン・アティラプバパトナカリン・アティラプバパト
  • アピワット・ウォンタナノンアピワット・ウォンタナノン

高橋裕紀(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)はランキングトップ、小山知良(T.Pro Yuzy Honda)はランキング2位で最終戦に挑みました。なお今大会には、シーズンが閉幕した全日本ロードレース選手権のST600クラスにおいて、ランキング3位となった大久保光(T.Pro Yuzy Honda)がスポット参戦しました。

4日(金)の午後に行われた予選でポールポジション(PP)を獲得したのは高橋で、1分39秒194をマーク。4番手が小山、以下、8番手までが39秒台の混戦となりました。ザクゥアン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は13番手、大久保は14番手でした。

5日のレース1は午後8時から行われました。下がったとはいえ気温が30℃、路面温度が43℃というコンディションでした。スタート後、高橋はトップをキープし、10台による集団を率います。スタート直後から序盤にかけて、トップライダーたちが転倒やトラブルで次々にリタイアするという波乱の展開の中、レースをリードする高橋は、ペースを崩すことなく周回を重ね、中盤には独走態勢を築きます。高橋はそのまま優勝のチェッカーを受け、チャンピオンの獲得を決めました。全日本ロードレース選手権J-GP2クラスに続いてのタイトル獲得であり、日本とアジアでの2冠という偉業を達成しました。ラタポン・ウイライロー(A.P.Honda Thailand)は4位。小山は5位、大久保は9位でチェッカーを受けました。

レース2は、6日の午後4時から行われました。スタートダッシュを見せた小山、高橋らがレースをリードし、7台がトップ集団を形成します。激しいバトルが展開する中、レース1同様、中盤から高橋が独走態勢に。高橋はそのまま優勝を果たし、ダブルウインでシーズンを締めくくりました。4台による2位争いを制したのは小山。3位にはティティポン・ワロコーン(A.P.Honda Thailand)が入り、Hondaが表彰台を独占。このレースは、8位までをHondaマシンが占める結果となりました。最終的に小山はランキング2位でシーズンを終えました。

アジアドリームカップ(ADC)は、女性ライダーであるムクラダ・サラプーチのタイトル獲得に注目が集まりました。サラプーチは11月にFIM CEVレプソルインターナショナル選手権にデビュー。そこでのクラッシュでヒザを痛めてしまいました。ですが、そのケガを感じさせない力走を披露、地元ラウンドの予選で激しいバトルを繰り広げ、PPを獲得します。

レース1は、予選2番手の中村大輝、サラプーチら4台による激しいトップ争いとなり、中村大輝が勝利。サラプーチは3位表彰台を獲得しました。レース2はブロック・パーソン、ハーフィズ・アズマン、仲村優佑、フェブリアンシャー、サラプーチら10台がトップ争いを展開。その混戦をパーソンが制しました。アズマンが2位、仲村優佑が3位となりました。サラプーチは4位に入って初のチャンピオン獲得を決め、ランキング2位には中村大輝、3位に仲村優祐となりました。両日本人ライダーは初参戦ながら、上位に食い込む走りをみせました。

コメント

高橋裕紀(スーパースポーツ600cc 優勝/優勝)
「全日本を戦っているマシンとアジア選手権のものでは違いますが、走らせる気持ちは一緒でした。タイトルのことやポイントを考えずに、常に全開で、勝利だけを目指して走るというスタイルを貫き通しました。うまくいきすぎだと思うくらい完ぺきなレースができたと思います。それもバックアップしてくれた関係者、チームスタッフのおかげだと、今は、感謝の気持ちしかありません。最終戦のあとにテストがあるので、そのテストもしっかり走って、そのあとにチャンピオンになれた喜びを実感したいと思います。支えていただき、ありがとうございました」

小山知良(スーパースポーツ600cc 5位/2位)
「アジア選手権に集中して戦うことができて、チームもマシンもレベルを上げられたと思います。不運な接触転倒がなければ、全戦で表彰台に上がることができたと思うので、手応えとしては大きなものが残りました。今ある状況で最善を尽くして戦った上でのランキング2位なので、納得しています。今年は(高橋)裕紀が参戦してくれたことで、レベルアップして、おもしろいレースになったと思っています。来年こそは、チャンピオンを獲得できるように、一つひとつのレースに集中してチャレンジしていきたいです」

大久保光(スーパースポーツ600cc 9位/8位)
「走り始めはよかったのですが、大きな転倒をしてしまってマシンが大破。フレームを交換しなければならないほどで、予選グリッドを思うように上げることができませんでした。決勝ではタイムアップすることができ、トップグループのタイムと変わらないところまで出せたのですが、結果には結びつきませんでした。それでも、慣れないチーム、マシンなどの状況で戦うという経験は、来季に生きます。勉強させてもらいました」

ムクラダ・サラプーチ(アジア・ドリーム・カップ 3位/5位)
「女性ライダーとしてチャンピオンを獲得できたことに、とても満足しています。今年は強力なライバルが多く、信じられないくらい難しいシーズンでした。今回はケガの痛みもありましたが、それを気にしないように集中して戦いました。私を支えてくれたチームに心から感謝しています。私の夢は世界で走ることです。その夢にたどり着く前に、CEVで戦えたらと希望しています」

中村大輝(アジア・ドリーム・カップ 優勝/7位)
「ポールポジションを目標に予選を走りましたが、ムクラダに一歩及ばずの2番手。それでも走り出しから考えると進歩できたと思う内容でした。わずかですが、僕にもチャンピオンの可能性があり、そのためにはダブルウインしかないと思っていました。勝って存在感を示したかったです。レース1は優勝できました。それも大バトルを制してという、これまでと違う勝ち方ができたので、とてもうれしかったです。2レース目は、皆の気迫がすごく、最終ラップの最終コーナーで僕を含め数台が飛び出してペナルティーが与えられ、最終的に7位になってしまいました。願いがかなうなら、来年もここを走らせてもらい、チャンピオン獲得にもう一度挑戦できたらと思っています」

仲村優佑(アジア・ドリーム・カップ 10位/3位)
「走り出しから感触がよく、優勝を目指してレースウイークを過ごしました。レース1はトップ争いをしながら、最後で転倒し、レースに復帰したものの、10位となってしまいました。2レース目はトップでチェッカーを受けたのですが、最終コーナーでのペナルティーで3位になってしまいました。最後を優勝で終わることができず、悔しいし残念です。今シーズンは、ライディング、マシンセッティングと、本当にたくさんのことを勉強させてもらいました。今年チャンピオンになって、海外に出たいという意気込みで走ってきましたが、届きませんでした。できれば、その目標をかなえるために、もう一度チャンスが欲しいと願っています」


決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1626'38.303
214A.ナークチャルンシーヤマハ16+10.559
333A.ユディスティラカワサキ16+10.742
459ラタポン・ウイライローHonda16+10.825
571小山知良Honda16+11.343
6100ティティポン・ワロコーンHonda16+11.785
 
720ディマス・プラタマHonda16+12.605
81ザクゥアン・ザイディHonda16+15.273
939大久保光Honda16+27.513
1679ポンペーラ・カナハップHonda16+39.612
1986アクマル・ヒスヴァムHonda16+1'36.270
DNF91ジャクリット・サワンサワットHonda6+10Laps
DNF27アンディ・ファリド・イズディハルHonda5+11Laps
DNF82スハタイ・チャンサップHonda4+12Laps
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1626'42.098
271小山知良Honda16+7.262
3100ティティポン・ワロコーンHonda16+7.666
420ディマス・プラタマHonda16+9.141
527アンディ・ファリド・イズディハルHonda16+9.394
61ザクゥアン・ザイディHonda16+12.290
 
759ラタポン・ウイライローHonda16+12.584
839大久保光Honda16+13.194
1479ポンペーラ・カナハップHonda16+33.989
1682スハタイ・チャンサップHonda16+39.293
2091ジャクリット・サワンサワットHonda16+45.342
2186アクマル・ヒスヴァムHonda16+1'29.864
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
11中村大輝日本816'57.571
210フェブリアンシャーインドネシア8+0.246
318ムクラダ・サラプーチタイ8+0.323
417ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ8+0.781
59ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア8+1.071
613ブロック・パーソンオーストラリア8+1.073
72ハーフィズ・アズマンマレーシア8+1.188
86サラス・シャンカル・クマインド8+1.888
94アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール8+6.613
107仲村優佑日本8+21.323
1116セシュー・ラジブインド8+27.261
1219リー・イェン・チン台湾8+27.266
1314ヤーデン・グナヴァデナスリランカ8+27.341
1411ハスロイ・オスマンシンガポール8+38.551
1521ブイ・デュイ・トンベトナム8+38.946
DNF5ゾウシェン・ジュンジー中国7+1Lap
DNF15ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド7+1Lap
DNF12ロバート・マシュー・ラモスフィリピン7+1Lap
DNF3ココ・タダチフィリピン4+4Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム
113ブロック・パーソンオーストラリア816'58.901
22ハーフィズ・アズマンマレーシア816'59.144
37仲村優佑日本816'58.250
410フェブリアンシャーインドネシア816'58.271
518ムクラダ・サラプーチタイ816'58.472
69ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア816'58.837
71中村大輝日本816'58.896
84アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール816'59.383
95ゾウシェン・ジュンジー中国816'59.075
1017ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ817'02.675
1115ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド817'03.432
1216セシュー・ラジブインド817'22.162
1321ブイ・デュイ・トンベトナム817'25.770
1414ヤーデン・グナヴァデナスリランカ817'25.890
1511ハスロイ・オスマンシンガポール817'36.470
DNF6サラス・シャンカル・クマインド7+1Lap
DNF12ロバート・マシュー・ラモスフィリピン3+5Laps
DNF19リー・イェン・チン台湾2+6Laps
DNF3ココ・タダチフィリピン0+8Laps

※ゼッケン7、10、18、9、1、5の選手は、コース外を走行したために順位を2つずつ降格するという裁定が下りました

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋裕紀Honda227
2小山知良Honda164
3A.ユディスティラカワサキ139
4伊藤勇樹ヤマハ115
5ディマス・プラタマHonda114
6ラタポン・ウイライローHonda88
 
8ジャクリット・サワンサワットHonda66
9ファドリ・イマムディンHonda63
10ザクゥアン・ザイディHonda62
14アンディ・ファリド・イズディハルHonda47
16ザムリ・ババHonda45
20スハタイ・チャンサップHonda31
21大久保光Honda28
22羽田大河Honda24
30ポンペーラ・カナハップHonda4
31ドヴィ・サトリアHonda4
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー 国・地域 総合ポイント
1ムクラダ・サラプーチタイ213.5
2中村大輝日本196.5
3仲村優佑日本176.5
4ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア113.5
5ハーフィズ・アズマンマレーシア109
6フェブリアンシャーインドネシア97.5
7ブロック・パーソンオーストラリア92
8ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ90.5
9アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール82
10ゾウシェン・ジュンジー中国80
11ココ・タダチフィリピン69
12サイフル・アズハリーマレーシア49
13サラス・シャンカル・クマインド47
14ロバート・マシュー・ラモスフィリピン41
15ハスロイ・オスマンシンガポール36
16ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド24
17セシュー・ラジブインド16
18リー・イェン・チン台湾11
19ヤーデン・グナヴァデナスリランカ11
20ブイ・デュイ・トンベトナム4
21アブドラ・ナエフ・アル・クバイシカタール0