モータースポーツ > アジアロードレース選手権 > 第3戦 日本 > 決勝

アジアロードレース選手権

round 03

SCHEDULE

August 17 2014All Asia Road Racing Championship Japan

日本日本

レース1で小山知良が3位表彰台
レース2では玉田誠が今季初優勝、2位にザムリ・ババ、3位にジャックリット・サワンサワットが入り、Honda勢が表彰台を独占

2014年8月17日(日)・決勝  会場:大分県・オートポリス  天候:曇りのち晴れ  コースコンディション:ドライ

FIMアジアロードレース選手権の第3戦が8月17日(日)、大分県のオートポリスで開催されました。オートポリスで開催されるのは今回で6回目となります。玉田誠(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は今季初優勝、チームメートのザムリ・ババ、ザクゥアン・ザイディは2勝目を狙い、参戦しました。ファディル・イマムディン(T.Pro Yuzy Honda)は都合により不参加で、同チームは、小山知良、岩田悟が戦います。

  • 玉田誠(#100)、ザクゥアン・ザイディ(#21)、ザムリ・ババ(#52)玉田誠(#100)、ザクゥアン・ザイディ(#21)、ザムリ・ババ(#52)
  • 玉田誠玉田誠
  • ザムリ・ババ(左)、玉田誠(中央)、小山知良(右)ザムリ・ババ(左)、玉田誠(中央)、小山知良(右)
  • 名越哲平(左)、カイルール・イダム・パウィ(中央)、森俊也(右)名越哲平(左)、カイルール・イダム・パウィ(中央)、森俊也(右)
  • アジアドリームカップ参戦選手アジアドリームカップ参戦選手
  • 玉田誠玉田誠
  • ザムリ・ババ(左)、玉田誠(右)ザムリ・ババ(左)、玉田誠(右)
  • 玉田誠玉田誠
  • ザムリ・ババザムリ・ババ
  • カイルール・イダム・パウィカイルール・イダム・パウィ

フリー走行は、あいにくの雨となり、濃霧のため、午前中の走行はキャンセルされ、午後からの走行となりました。また、午後からの走行も、終盤に再び霧が濃くなり、赤旗中断で、そのまま終了となりました。

予選は雨の影響で霧が立ち込める天候。スーパースポーツ600ccの予選前には、一瞬、青空がのぞきましたが、再び黒い雲が空を覆う中で、各車、一斉にコースイン。その後は雨が落ち、再び上がるという荒れた天候の予選となりました。トップタイムは藤原克昭(カワサキ)。2番手にジャクリット・サワンサワット(AP Honda Thailand)、3番手には小山が躍進しました。

決勝レース1はドライコンディションでスタートが切られました。ホールショットは藤原。その後ろに小山、ババの3台がトップグループを形成し、そこへセカンドグループが追いつき、10台が数珠つなぎの集団となり周回を重ねました。ババが5ラップ目に首位に立ちますが、6ラップ目には藤原が、7ラップ目には伊藤勇樹(ヤマハ)がトップを奪います。10ラップ目に再び藤原が前に出て、伊藤、小山、ババの順で、トップ争いは4台に絞られ、終盤戦に突入します。

藤原がスパートをかけて離そうとしますが、伊藤、小山、ババは離れず、さらにザイディ、岩田らも接近し、トップ争いは6台となり最終ラップに突入しました。最終的には、藤原が逃げきり優勝、2位が伊藤、3位には小山が入り、小山は今季初表彰台に上りました。

決勝レース2が行われる午後になると、日差しが強くなり青空が広がりました。序盤、小山がホールショットを奪い、レースをリードします。それを藤原、玉田、ザイディが追います。2ラップ目には玉田が2番手に浮上、小山の背後に付けました。トップ集団は小山、玉田、藤原、ザイディで、レースを引っ張ります。

藤原が6ラップ目に首位に立ちますが、7ラップ目には小山が抜き、再び主導権を握り返します。9ラップ目には後ろから上がってきたサワンサワットがトップに躍り出ますが、10ラップ目に今度は玉田が一気に前に出て、首位に立ちます。ここで玉田に続いてババも2番手にポジションをアップしてきます。このまま玉田は最終ラップまで首位を守り、ババ、小山、サワンサワット、藤原の順にチェッカーを受けました。レース後の車検で、小山がマシントラブルを指摘され失格となり、サワンサワットがポジションを上げ3位となりました。

併催されたアジア・ドリーム・カップは16日(土)にレース1が行われました。雨は上がっていましたが、ところどころに雨のあとが残る難しいコンディションとなり、ポールポジションの森俊也はスリックタイヤでコースインしました。レース序盤には黒木玲徳が追突され、転倒リタイアとなってしまいます。レース中盤から雨が落ち、豪雨となる中、最終ラップの激闘を制したのはカイルール・イダム・パウィで4勝目を上げました。2位には名越哲平、3位は森が入りました。

翌日に開催されたレース2は、ドライコンディションとなり、カイルールがレースをリードし、名越、森が追う展開で、トップグループは3台となりました。2ラップ目に森が首位を奪いますが、4ラップ目にはカイルール、6ラップ目には森がトップと、最終ラップまで3台の攻防が続きました。最後はカイルールが制し、ダブルウインを達成。2位に名越、3位に森となりました。黒木は9位でチェッカーを受けました。

コメント

玉田誠(スーパースポーツ 600cc 10位/優勝)
「レースウイークを通してエンジンの調整が難しく、上りセッションで苦心し、タイムも上がらずにいました。レース1ではトップ集団についていくのがやっとで、それさえも難しい状況でした。レース2に向けてマシンを見直し、スタートから小山選手の後ろについてタイヤをキープし、勝負の時を待ちました。勝てるとは思っていなかったのでうれしいです」

ザムリ・ババ(スーパースポーツ 600cc 4位/2位)
「オートポリスで表彰台に上ったのは初めてなので、とてもうれしいです。日本ラウンドは、日本人選手が速いので、いつも難しいです。しかし確実にポジションを上げるように努力しました。次の鈴鹿は、鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦したおかげで、コースにも慣れているので、以前に比べてリラックスして挑めると思います」

ザクゥアン・ザイディ(スーパースポーツ 600cc 5位/7位)
「オートポリスは難しいサーキットです。レース1での5位は自己最高位です。レース2は、チームメートの玉田さん、ババさんが表彰台に上がったので、自分も上がりたかった。次の鈴鹿は、鈴鹿4時間耐久ロードレースで走ったことがあるので、ぜひ、その経験を生かして、3人で表彰台を独占したいです」

小山知良(スーパースポーツ 600cc 3位/失格)
「レース1は様子を見ていたら集団に飲まれてしまい3位でした。レース2は前に出て引っ張る作戦にしましたが、路面温度が上がったことでマシンセッティングの微妙な違いがあり攻めきれずに3位で終わってしまいました。残念ですが、両レースで表彰台に上がれたのはチームのおかげです。感謝しています。車検の結果でレース2の結果が無効になったことは、とても残念に思っています」

カイルール・イダム・パウィ(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)
「レース1は難しいコンディションでタフなレースでした。雨が落ちてからは、さらに難しいコンディションとなりました。最終ラップは名越選手との争いとなりましたが、勝つことができてよかった。レース2も3台のバトルになり、レース1以上に2人のプッシュがきつかったので、勝つのは大変でした。両レースを勝つことができ、ポイント争いでアドバンテージを築けてよかったです」

名越哲平(アジア・ドリーム・カップ 2位/2位)
「今回、初めてオートポリスを走るので、自分でうまくペースを作ることができずにいましたが、先輩たちのアドバイスを聞き、少しずつ走れるようになりました。レース1の2位はとても悔しい結果です。レース2では最後にプッシュして前に出たかったのですが、出ることができずに残念です。自分の経験不足、準備不足だと思います。鈴鹿では勝てるようにがんばります」

森俊也(アジア・ドリーム・カップ 3位/3位)
「今回はレースウイークから流れがよかったのに、両レースで3位と悔しい結果に終わりました。次の鈴鹿は全セッションをトップで終われるようにがんばりますので、応援よろしくお願いします」

黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ リタイア/9位)
「レース1で追突され転倒してしまいました。その後、マシンチェックができないままにレース2になり、走り出して、不具合に気がつきました。なんとか、追いつきたいと走りましたが届かず、残念で仕方がありません。次の鈴鹿では巻き返せるように全力を尽くします」

手島雄介|T.Pro Yuzy Honda監督
「車検でマシントラブルを指摘され、失格となってしまいました。初めてのことで、これを不服とする申し立てにも時間切れとなり、釈然としない部分は残りますが、レギュレーション違反というわけではなく、きちんと整備したマシンでレース参戦するように、という教訓だと受け止めています。がんばってくれたスタッフ、ライダーに申し訳なく思っています。鈴鹿では納得できる結果を残します」

中野真矢|アジア・ドリーム・カップアドバイザー
「カイルール選手はドリームカップ2年目の成長株です。ここにきて力を発揮しています。ほかのアジア勢も成長を感じ、全体的にレベルアップしています。名越選手は初めてのコースで健闘しましたが、経験の差が出たかなと思います。森選手はスペイン選手権や全日本を経験しているライダー。黒木選手もドリームカップ2年目なので、鈴鹿では躍進を期待しています」

決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
137藤原克昭カワサキ1223'16.911
276伊藤勇樹ヤマハ12+0.126
371小山知良Honda12+0.363
452ザムリ・ババHonda12+0.541
521ザクゥアン・ザイディHonda12+0.737
634岩田悟Honda12+0.942
 
759ラタポン・ウイライローHonda12+1.957
891ジャクリット・サワンサワットHonda12+2.062
920ディマス・プラタマHonda12+2.629
10100玉田誠Honda12+3.050
1454田尻克行Honda12+24.730
1524ピラワット・ウォンタナノンHonda12+26.857
1982スハタイ・チャンサップHonda12+38.993
2236西山尚吾Honda12+1'03.970
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1100玉田誠Honda1223'15.047
252ザムリ・ババHonda12+0.265
391ジャクリット・サワンサワットHonda12+0.641
437藤原克昭カワサキ12+0.807
532岡村光矩カワサキ12+1.232
659ラタポン・ウイライローHonda12+1.544
 
721ザクゥアン・ザイディHonda12+2.004
834岩田悟Honda12+8.330
920ディマス・プラタマHonda12+8.363
1382スハタイ・チャンサップHonda12+11.953
1636西山尚吾Honda12+21.390
1754田尻克行Honda12+21.495
1824ピラワット・ウォンタナノンHonda12+22.675
DSQ71小山知良Honda--
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11カイルール・イダム・パウィHonda8 19'08.625
25名越哲平Honda8+0.164
36森俊也Honda8+0.394
48チュアン・アンユーHonda8+1.023
511アディティア・パンゲストゥHonda8+15.453
67ハリス・ファーハン・バハリンHonda8+19.327
73スミト・ルークス・トッポHonda8+27.748
812サラス・シャンカル・クマHonda8+1'33.822
915シュール・アーヴィン・ダニエルHonda8+1'37.853
1016リー・イェン・チンHonda8+1'45.499
1114アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda6+2Laps
RT4アンディ・ファリド・イズディハールHonda6+2Laps
RT13ココ・タダチHonda2+6Laps
RT2黒木玲徳Honda1+7Laps
RT18パサウィト・ティティバララクHonda1+7Laps
RT9アルナギリ・プラブHonda - -
RT10ラクラン・カヴニーHonda - -
RT17キアディサック・チャウイセットHonda - -
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11カイルール・イダム・パウィHonda818'36.604
25名越哲平Honda8+0.506
36森俊也Honda8+0.655
44アンディ・ファリド・イズディハールHonda8+10.557
57ハリス・ファーハン・バハリンHonda8+10.592
68チュアン・アンユーHonda8+10.608
73スミト・ルークス・トッポHonda8+11.011
811アディティア・パンゲストゥHonda8+11.587
92黒木玲徳Honda8+24.575
1013ココ・タダチHonda8+24.719
1112サラス・シャンカル・クマHonda8+24.870
1214アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda8+28.347
1317キアディサック・チャウイセットHonda8+44.810
1418パサウィト・ティティバララクHonda8+45.206
1515シュール・アーヴィン・ダニエルHonda8+1'12.452
1616リー・イェン・チンHonda8+1'17.246
RT9アルナギリ・プラブHonda--
RT10ラクラン・カヴニーHonda--

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ザムリ・ババHonda99
2藤原克昭カワサキ87
3玉田誠Honda66
4ザクゥアン・ザイディHonda66
5H.A.ユディスティラカワサキ63
6ディマス・プラタマHonda60
 
8ジャクリット・サワンサワットHonda51
9小山知良Honda50
10ラタポン・ウイライローHonda38
11ファディル・イマムディンHonda32
12岩田悟Honda29
17デニー・トリユゴ・ラクソノHonda11
19ピラワット・ウォンタナノンHonda11
23ドゥイ・サトリアHonda5
24スハタイ・チャンサップHonda3
27フィトル・アシュラフ・ラザリHonda2
28田尻克行Honda2
31デル・アグンHonda0
33西山尚吾Honda0
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1カイルール・イダム・パウィHonda145
2名越哲平Honda105
3アディティア・パンゲストゥHonda78
4森俊也Honda68
5チュアン・アンユーHonda63
6アンディ・ファリド・イズディハールHonda54
 
7スミト・ルークス・トッポHonda50
8黒木玲徳Honda45
9サラス・シャンカル・クマHonda40
10ハリス・ファーハン・バハリンHonda39
11キアディサック・チャウイセットHonda35
12ココ・タダチHonda28
13シュール・アーヴィン・ダニエルHonda20
14パサウィト・ティティバララクHonda16
15アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda15
16リー・イェン・チンHonda14
17アルナギリ・プラブHonda8
18ラクラン・カヴニーHonda5