
- テーマ1 走行性能
- エンジン: 電子スロットルの味付けが絶妙で、特にスタート時にトルクフルになっており、RS専用マフラーが奏でる野太い排気音と相まって十分スポーティで「さぁこれからドライビングだ」という気分が高揚します。
納車日の5月11日に、早速高速道路や山道等、100キロほどを“それなりに押さえて”走りましたが、燃費が燃費計読みで14km/lほど出まして、「こりゃ燃費もえぇわ」。しかも使用するのはレギュラーガソリン!!
これまで乗っていたB社のクーペはプレミアムガソリンでした。勿論排気量も違うので比較にはならないですが、この1.5リットルNA、SOHCエンジン性能は期待以上のうれしい誤算がありました。
ただその後、エアコン多用や慣らしが終わってアクセルワークが少し粗っぽくなってきたのか、同じような行程で燃費は11km/l程度になってしまいました。改めてもう少しエコ運転に心がけようと思いました。
また、高速道路や上り坂での加速は、1.5リットルNAエンジンとしては十分満足できるレベルと思いますが、元祖ホットハッチとして知られるV社のGを射程に入れた、過給機付の「RS-R」なるグレードがフィットにあれば、と妄想してしまう私もいます。
ブレーキ: RSは4輪ディスク、しかも今までの愛車から比較するとちっちゃいちっちゃい外形なので、正直「大丈夫かな?」と思いましたが、走り出してすぐにそんなもやもやは吹っ飛びました。本当に良く効きます!!
CVTでもパドルでエンジンブレーキが多用できますので、フェードも起こらないでしょう。やはり車重が軽いことは全部に良い影響が出るのだなぁ、としみじみ思いましたね。
- テーマ2 乗り心地
- サスペンション: 外観は他のグレード車種と変わりませんが、高速道路等での段差乗り越え時などゴツンという感じで角があるように感じます。けっこうハードなサスペンションかもしれません。
またコーナリング時は強化スタビライザー効果でしょうか、踏ん張りは良いのですが、1名乗車時などではリアサスが少し跳ねるようにも思えます。
車速はもちろん制限内ですが、これまで20年来乗り継いできたB社スポーティーカーの癖が感覚に残っているので、進入スピードはちょっと早く感じるかも?
納車から1ヶ月ほど様子をみましたがその感覚が収まらないので、S社のスポーツサスペンションに換装したところ、車高はダウンし見た目はもっとハードになったようですが、高速道等では逆に非常にマイルドで、段差も角が取れてコットンという感じで私的に衝撃が少なくなりました。
コーナーでは、RS標準のスタビライザーと好マッチングで、路面に吸い付くようなコーナリングマシーンに変貌しました。
- テーマ3 内装/居住性
- 内装ですが、使用素材ははっきり言ってプラスチッキーです。しかしこれを上級車種(高級車)並にしようとすると当然価格に跳ね返りますし、インシュレーター等も増加して車重もどんどん重くなる。フィットのコンセプトから言えば悪循環になります。
価格から言えば“これでいいのだ”と思います。
ただ気になるのがダッシュボードの広大さと畜熱量。この夏想像はしていましたが、ダッシュボード周りの空気が熱いこと!ダッシュボード上にエアコン吹き出し口を設けるとか、素材の変更などの検討をお願いできればと思っています。
あとパネル等のガタですが、これは高級車でもガタはありますので特に問題とは思っていませんが、私的にどこから発生しているか分からないパネルが擦れる音はあまり良いものではないので、私なりに"木工用ボンド"でコーティングというガタ対策をしました。
フロントシートは燃料タンク上部にあるので無理でしょうが、私はもう少しだけ低く、かつ座面が前後に角度付けが出来たらなと思います。また、国産車の手動式シートは、背面の角度調整をレバーで行いますが、これを欧州車では一般的なダイヤル式にならないものかなと思います。そうすれば、急に背面の角度を変えたくなったとき、ダイヤルで慌てず安全に調整ができますよね。
リアシートのアレンジはよく考えられています。特にフィット独特の後席座面の跳ね上げ。私はまだこの恩恵に授かっていませんがそのうち重宝する機能だと思います。

- ご購入される前にこのクルマにどんなイメージをお持ちでしたか?デザイン、性能等で期待されていたことを含め、お聞かせください。
- まさかフィットに乗ると思っていなかった頃の印象は、「フロントガラスが異様に広いな。あれだけ大きいとフロント車重は重くて、夏は暑いやろな」とか、「大きさはファミリーカーとしてちょうど良いが、えらい丸っこい車やな」というのが正直なところでした。
しかし、エアロがついたRSは、サイドの微妙なライン(膨らみ)が車両全体のデザインとマッチして、えらく精悍に見え、別車種に見えました。特にサイドデザインが、私をフィットになびかせた一因です。
またサンセットオレンジIIという初代シビック RS色!これには完全にノックダウンさせられました。
当時のスポーティカーの主色はモスグリーンや赤。オレンジなどもありましたが、シビック RSのオレンジは深みがあり、内に秘めた性能を具現しているようで、薄給の私にはとても眩しくあこがれの存在でした。
そういった背景があり、フィットのカタログを手に入れてよく見ると、まず“かゆいところへ手が届く”ような室内アレンジ。特に感心させられたのは後部シートアレンジでした。
限られた空間を最大限に活用するアイデア。このクラスに求められている要求は必要かつ十分に満たされており、「こりゃ売れるわ、1番売れている車なのは分かるわ」でした。
また車重は1トン程度で、パワーウエイトレシオから判断するとキビキビ走ることは容易に想像できましたが、DOHCに乗り慣れていた私にとって、i-VTECといえどSOHCの1.5リットルは購入後トータル的には不満が出るのかな?なんてことも思いました。(結果的に1度も試乗することなく購入しました。)