「S660買わないの？」2015年春からしばらくの間、多くの方々に聞かれたものである。それに対しては「パンチが足りん」と答えていたが、「車体と足回りは確かにガチだ。これ本当に軽自動車としてだけ売るつもりなのか？」と疑ってもいた。そのため、当時技術発表段階だった1Lターボが載るのを密かに期待していた。
そうして様子を窺っていたのだが、待ちくたびれて2018年にはS2000を買い増しするという行動に走った。ノホホンと面倒を見てもらっているご町内のHonda Carsに「こいつも面倒みてな」と行ったところ、一回り年下の営業担当さんがショックを受けたようで、それ以後、事ある毎にシビックTYPE R（FK8）を勧めてくるようになった。それに対し「屋根開かないから却下」と返していたのだが、人間40年ぐらい生きると多少は見栄というものも出てくるようで、何かの弾みで「S660終売になるなら買ってもええよ」と言ってしまったのだった。
そして昨年3月下旬の事である。生産終了の話はメディアでも大き目に扱われていたので、私も把握していた。「言った事を覚えているだろうか？しらばっくれていようか」と思案していた所、電話が鳴った。「言ってましたよね？すぐオーダー入れないと無くなりますよ」という呼びかけに対し是非もなしとなった訳で、購入動機の大きな所はずばり見栄である。先日、無事納車となった。
と言うものの、後期モデルのデザインリファインは良いなとも思っていた。前期モデルで個人的に気になっていた「グリルが金属調はちょっと」「リアクリアパネルの上部レッドの箇所ブレーキ時発光しないの？だったらクリアでも」「ホイールデザインもっと軽快な方がいいな」という部分が変更され精悍になっていたからだ。特にβのアラバスターシルバー・メタリックが渋くて良いと思っていたので、その6MT一択であった。
後はS2000やNSXの保全の為に使い倒す車が必要だった事や、近年の世の中の事情から不用意に遠出できず、近場の林道探索用の車が欲かったという事もある。特に後者はここの所ある事情で秋に林道を駆け抜ける必要が生じているため、大いに期待している。その話はまた今秋にでもさせて頂く事にしよう。