この白いハッチバックに乗ると、新しいのにどこかなつかしい気分にさせてくれる。
DOHC・16バルブエンジン、5ナンバー、グリルレスマスク、ビュレットフォルム、1500cc…。
なるほど、自分が青春真っ盛りだった80年代の自動車雑誌を眺めていた中学生、高校生の頃のアイコンそのままではないか。
あの頃のホットハッチを現代に焼き直したようだ。
デザインもすごくいい。燃費の良さはもちろん、秀逸な2モーターハイブリッドシステムは、アクセル開度とエンジンの回転がシンクロして、とても気持ちいい。しなやかな足回りは適度にロールして素晴らしい。
乗るたびに青春プレイバックなのである。
物心がついた時、わが家にはすでにHonda車があった。
初代シティからカタログ集めを始め、ワンダーシビック、CR-X、そしてHondaのF1黄金期。
次から次へとHondaはサプライズ連発…。
ああ、なつかしい。
いやいや、今のHondaもなかなか。
このフィットは、往年のHondaフリークもうならせる名車である。
往年のHonda車のルーツを感じるグリルレスマスク、ロングルーフデザインのビュレットフォルム、Hondaらしいバックシャンなリアビュー。
特にサイドウインドウ後端のリアピラーからテールランプへと一直線につながるラインは美しい。
インパネデザインもHondaらしいセンスのあるデザイン。
なんと言っても、5ナンバーの取り回しの良さは、最近忘れかけていた運転する楽しさを蘇らせてくれた。
これまで乗ってきたHonda車の中でもベスト3に入るほどの完成度。


