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アコード
「最後の雨」
「最後の雨」

「最後の雨」

アコード 24TL スポーツパッケージ(CL9)
handbrake5AT
60代/男性/東京都 2024年10月13日投稿
購入の決め手
27歳でワンダー・シビック 25iに一目ぼれ。その後ゴールドのクイントインテグラ(GSi)4ドア、アコード SiR(CD6)、アコードワゴン SiR特別仕様車<スポーティア> 2.3L(CH9)と乗り継ぎ、2005年に7代目24TL スポーツパッケージ(CL9)を購入。6代目アコード以降、エンジンの魅力に加えて、ボディ剛性、サスのしなやかさを獲得、CL9は欧州車と比べても遜色のない完成度に達した。NAで200馬力、VTECは高回転のみならず十分な低速トルクも確保、足回りは4輪ダブルウイッシュボーン。CD値0.26は現在でもトップレベル。高速直進安定性も抜群に良く、ドアの閉まり音にも感動した。自分の24TL スポーツパッケージには、17インチアルミホイールやダークグリーンガラスが装着され、サンルーフ、本革シートを選ぶことができた。2019年には、プライベート用として念願のCL7、2006年式ユーロRを追加購入。旧車ブーム到来によって、価格が高騰する直前、実に程度の良い低走行車に出会った。その後アコード、シビック勢はボディが立派になり、運転支援システムが標準装備化され、電動化と相まって乗り手を選ばぬ賢いクルマに変貌。いずれお世話になる時が来るかと思うが、当分、青春を共に過ごしたCL9とCL7との語らいを楽しみたいと考え、今回もまた、ATのCL9の後継として2007年式Type Sに乗り継ぐことにしました。買い替えのポイントは、手動引き上げ式のパーキングブレーキとトルコンAT&左手によるシーケンシャルギアシフト。こんなユーザーはもういないですよね。絶滅危惧種のドライバーです(笑)。
購入検討者へのアドバイス
自動化技術の進化が著しく、もはや運転技能の優劣を自慢する時代は過去のものにありつつありますね。RSのターゲットのように、ドライビング自体を楽しむユーザーが一定層存在していますが、時代の流れは(マジョリティ)に合わせて、「運転を任せる、運転をしなくて良い。」というクルマがますます増えていくことでしょう。昭和生まれの自分は、愛車とともに人生を歩んできました。「あの時、こいつと、あそこに行ったなあ。」と、今でも目をつぶれば、いろんなことを思い出します。クルマとどう付き合うか、消費材として使い捨てていくという選択もあるでしょう。自分のように、クルマを最愛の友として(妻は別格として!)、共に老いを、傷を楽しむ、そんな関係性も悪くないと思います。

車検前日の夕刻、バッテリー警告灯点灯。オルタネーターから異音。走行12万km。2005年式の愛車はこれまでにショック・マウントを交換しているが発電系はノーメンテ。躊躇なく前倒しでドックイン。翌日車検総費用が判明。妥当なところだが以前からエンブレ時うなり音が発生しており、ハブでなくトルコンかドライブシャフトあたりが怪しい。チューナーでフルメンテするか、最小限で通すか。同型車の中古を探したところ、2007年式Type S白5.5万km禁煙を発見。早速、夕刻現車を確認。外装、アルミガリ傷一切なし、都内ユーザーで記録簿あり。エンジン、足回りのコンディションもベター。引き合い多数とのことから即断即決。トラブル発生から24時間。思いもよらぬ結末を迎える。帰宅後、備品を外し、ボディを拭き上げながら考える。車検前日になぜ訴えてきたのか。「そろそろ休ませてくれないか」、そう言っているのではないか。初めての、最後のわがままか。翌々日、仕事を早めに切り上げ、家内にユーロRで先導させ雨中一般道で引き渡しに向かう。バッテリー残量60%。撥水剤を塗りワイパー、エアコンオフ、1・2速固定で走行するも渋滞にハマり通常の3倍、1.5時間を経過。ようやく中古車店に到着するもなんと1m手前でEPS警告点灯、重ステになる。息絶え絶えだったのだろう。最後の力を振り絞り入庫。奇跡としか言いようがない。ステアリングの先に目をやると、2代目がこちらを見ている。対面式ということか。ユーロRを横付けし二人の語らいに立ち合わせる。「後を頼む」そう語っているのか。情景が霞んでくる。冷たい雨が頬を伝わる涙を隠してくれる。店の人に、家内に悟られぬよう、笑顔で3台を撮影する。ありがとう。おつかれさま。家族も聞かせられない愚痴や泣き言をこいつだけは黙って聞いてくれた。アクセルワーク、ブレーキングから、そのときどきの感情を見透かしていたに違いない。客先に遅れそうな時は相当に無理をさせた。重たいドア、どっしりとしたハンドリング、5,500回転からの快音、セカンドの瞬発力。いつも、いつも頼りにしていた。楽しかった。自慢の4輪ダブルウイッシュボーン。何よりシルエットが好きだった。傷はたくさん付けてしまったけれども、その一つひとつに想い出がある。最高の相棒だった。君のこと、絶対に忘れないよ。

総合評価

★★★★★

お気に入りポイント

  • 外観
  • 内装/居住性
  • 走行性能
  • 乗り心地

投稿内容は、お客様個人の感想であり、
弊社製品の性能、機能を保証するものではありません。

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