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Odyssey
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第37回東京モーターショー2003。低く美しい、その新型ミニバンには、人々の熱い視線が注がれていた!
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第37回東京モーターショー、プレスデー初日。新型オデッセイはご覧のとおり注目のマト
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2代目同様に「オデッセイ」と「オデッセイ・アブソルート」という2つの個性をもつ
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エクステリアデザインは、知的でスピード感のある「ブラックパンサー」がモチーフだ
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立体感を持たせた安定感のあるリアビュー。ツインサイレンサーがスポーティな印象
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ドライビングを堪能できる力強さと7名乗車時のゆとりある走りを求めた2.4リッターDOHC i-VTECエンジン
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センターパネルに操作系を集中配置し、左右に広がる機能的で斬新なインストルメントパネル
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操作性を徹底的に追及したガングリップタイプのインパネシフトを採用する
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Honda・HDDナビゲーションシステム(M、L、アブソルートにメーカーオプション)のプログレッシブコマンダー。画面表示とリンクしたイメージどおりの操作が行なえる
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見やすさと美しさを兼ね備えた立体自発光メーターを採用。大径のスピードメーターを中心に3つのメーターを立体的にレイアウト。瞬間燃費をバーグラフで表示する機能も備えている
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HDDナビゲーションに対応し、さらに進化した<インターナビ・プレミアムクラブ>は、新たな機能として[プレミアムメンバーズVICS]を追加。メンバーのみが入手できる、より実用性の高いルート案内を可能にした
 第37回東京モーターショー2003。ボクが足を運んだのはプレスデーの初日であったが、Hondaブースに展示してあった新型オデッセイの注目度の高さは本当に凄かった! 国内外のジャーナリストが入れ替わり、立ち替わり、エクステリアをチェックしたり、シートに座ってみたり、クルマの下を覗き込んでみたり……。とにかくボクが行ったときには撮影するのが困難であったほどだ。モーターショーで初めてお披露目するクルマであれば、これくらいの注目度であっても驚かないが、新型オデッセイが発表されたのはプレスデーの5日前。微妙なタイミングとはいえ、多くのジャーナリストたちはすで新車発表会などで実車を確認しているハズ。そう考えるとオデッセイ・ブースの混雑ぶりは、やはり驚異的と言わざるを得ない。

 新型オデッセイは販売面でも絶好調の出足を見せている。10月24日の発売開始後、約2週間の累計ユーザー受注台数は約15,000台! 月間販売計画は5,000台だから、受注台数は販売計画の6倍、単純計算すれば月3万台のペース(!)の受注ということになる。なんとも凄まじい勢いだ。

 東京モーターショーでの注目度でも、受注台数でも、ボクを驚かせた新型オデッセイだが、クルマそのものも、驚くべき変化(進化)を遂げている。まずスタイルが革新的だ! 今までのミニバンとは明らかに違うロー&ワイドで伸びやかなプロポーション、そして鋭い表情をもつフロントマスク……。エクステリアデザインは、「低い姿勢で草原を疾走する、知的でスピード感のあるブラックパンサーをモチーフにしている」とのことだが、まるでコンセプトカーのように大胆で斬新に見える。従来の常識であれば、こんなに全高が低かったらミニバンとしての居住性が少なからずスポイルされているハズ。それゆえ「コンセプトカーのよう」と感じたのだが、新型オデッセイは、新開発の「低床プラットフォーム」をベースとする革新のパッケージングによって、立体駐車場も入庫可能な低全高フォルム(FF=1,550mm)としながら、3列7人に心地よいゆとりをもたらす居住性、ユーティリティを実現している。

 低床プラットフォームとは、床下に配置される燃料タンクやリアサスペンション、排気システムの形状やレイアウトに工夫を施し、床面を極限まで低めることで低全高・低重心化を図ったプラットフォームのことである。これにより、従来モデル比マイナス80mmという低全高化を図りながら、従来モデル以上の室内高(プラス5mm)を獲得。さらに、パワートレインのコンパクト化などによってショートノーズ化も図り、室内長も拡大(プラス50mm)しているのだ。

 革新のプラットフォームは、運動性能にも大きなメリットをもたらした。ご存じのとおり、クルマの重心高と運動性能には大きな関係がある。極端な例だが、F1をはじめとするフォーミュラカーの重心は極端に低い。市販車でもNSXやS2000などのスポーツカーは全高が低く、シートポジションなども低い位置にあるのがわかると思う。これとは逆に、ミニバンの多くは床面が高く、全高も高め。すなわち、一般的にミニバンは多人数乗車を可能にするかわりに活発な運動性能は期待できない、というのが常識だった。オデッセイは初代モデルの時代からミニバンながら高い走行性能に定評があり、2代目のアブソルートにおいては、サーキット走行さえも楽しめるハンドリングを実現し、「オデッセイ=よく走るミニバン!」というイメージを定着させた。ところが、新型オデッセイは、「ミニバンとしては」という前置きを付け加える必要のないレベルまで、運動性能と走りの質を高めている。

 パワーユニットは2.4リッターDOHC i-VTECエンジン。VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)に加えて、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御するVTC(可変バルブタイミング・コントロール機構)を組み合わせた、高知能化バルブタイミング・リフト機構i-VTECシステムにより、118kW[160ps]/5500rpm、218N・m[22.2kg・m]/4500rpm(S、M、L)を発揮するとともに、とくに常用域でのトルクを大幅に向上。街中から高速走行まで力強い走りを生み出す。また、アブソルートには、さらに吸・排気系のチューニングを施すことで、全域にわたって高い燃焼効率を実現。147kW[200ps]/6800rpm、232N・m[23.7kg・m]/4500rpmの圧倒的なパフォーマンス(4WDは140kW[190ps]/6800rpm、228N・m[23.2kg・m/4500rpm)とともに、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)の採用などによる鋭いレスポンスも獲得。10・15モード燃費は、S、M、LのFF車が12.2km/L、アブソルートのFF車が11.0km/Lをマークする。

 組み合わされるミッションは、トルクコンバーター付きの新開発CVT+7スピードモード(S、M、LのFF車)。トルクコンバーターによる力強い食いつき感のある発進特性と、CVTならではの変速ショックのない滑らかな加速特性により、全域にわたってハイレスポンスなパワーを発揮。エンジン回転数を低く保ち燃料消費量を抑えるECONモードを採用するなど、低燃費達成にも大きく貢献。さらにマニュアル感覚のシフト操作が楽しめる7スピードモードも装備した。アブソルートと4WD車には、力強い加速感やリニアな変速レスポンスを獲得するとともに低燃費にも貢献する5速AT+Sマチックを搭載している。
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