| Inspireの特徴を私なりに一言でいうと「しなやかさ」になる。それはハンドリングのしなやかさ、エンジンのしなやかさ、身のこなしのしなやかさである。
 これは納車日から感じていて、今もそう思っている。
 
 山道のU字形のカーブでも1回のハンドル操作で、きり増しせずにカーブを抜けられる。
 反面、高速道路では、もう少しハンドル操作に重みがあった方が良いと思うこともある。が、総じてこれが、この車を特徴づけるハンドリング設定の最も良い点であると思う。
 なんとなく、タイヤの性能に依存しない設計だと思う。
 
 変速は5段であるが、ロックアップの方法・機構などを変更し、物理的(回転計やエンジン音は除く)な変速ショックを感じるのは、1〜2速間のみで、2速以上はもはや感じることができない領域である。
 
 VCM機構の作用を同様に感じるには、それ以上に不可能である。
 ある誌面で、運転している気筒を表示して欲しい、という要望が掲載されていた。
 別の誌面では、日本では4気筒運転になる条件は3気筒運転より少なく、それが故障と思われると困るため表示しなかった、と掲載されていた。
 4気筒運転は高速道路だけでなく、10%くらいの昇り坂でその効果を実感でき易いように感じる。
 
 4気筒運転する、またはそう感じるのは、所有者の歓びであるが、例えVCM機構のないエンジンとしても、非常に知性を感じる仕上がりである。しっとりとした上質感がある。
 FF、FR方式を考えさせないハンドリングと駆動力感である。
 私の通勤時の常用回転域は1000〜1800rpmであり、車内の静粛性とエンジンの醸し出す音に魅了され、audioを聞くのが、本当に少なくなった。
 
 気筒休止条件になるにはキャタライザー(触媒)温度のほうが重要と考えていたが、どうやらエンジンの温度(冷却水温度)に依存度が大きいようだ。
 外気が-2〜5℃くらいだと、気筒休止になるには9分かかるが、外気が14℃のときは7分で気筒休止条件になった。
 このことから、夏場は比較的、短時間で気筒休止条件が揃い、燃費向上する。
 また短距離より長距離運転が燃費向上に寄与することが示唆される。
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