旅立ちの春 その1
- samba pa tiさん (50代/三重県)
2009年4月6日の投稿
春は植物にとっては芽吹きの時期であり、花が開花する時期でもあるように、人にとっても新たな人生の船出の季節であり、旅立ちの時期でもあるのだ。
かわいい甥や姪の新たな学生生活の門出を祝って、下呂温泉が会場のお祝い会へ愛車アコードで駆けつけることとなった。
湾岸道から東海環状道、中央道を乗り継いで、中津川ICで下車した後、国道257号で一路下呂まで1時間で到着する。途中、付知あたりで国道沿いのとある民家の敷地に咲きこぼれる桜を見つけて、あまりの見事さにしばし見とれてしまう。
いつもは国道41号での通過点として、下呂は走り抜けてしまうことが多く、何十年ぶりになるのだろうか、自分自身や家族、そしてアコードの骨休めも兼ねてゆっくりと宿泊することとなった。
ここ一週間ほど、寒の戻りか3月下旬とは思えないくらいの風の冷たさで、桜の開花も足踏み状態となり、おかげで長く花見が楽しめそうではあるが、257号沿いの気温表示も峠越えでは3℃のところもあったほど。
過酷な環境にこそ真価を発揮してくれるアコードは、寒風のワインディングロードを平然と駆け抜けてくれる。山があれば谷もある、まるで人生そのものであるが、宿で合流した甥や姪を祝福するかのようにアコードもやさしい眼差しで暖かく迎えてくれて、人生を語っているようであった。