紅芯大根ってどんな野菜?

紅芯大根は、見た目は丸くカブのような形ですが、その名の通り切ると鮮やかなピンク色が目を引く食卓が華やかになるダイコンです。
ダイコンは地中海原産のアブラナ科の仲間で、ヨーロッパではラディッシュになり、日本人が古くから食べている大きいダイコンは中国東北部で開発されたものです。紅芯大根も中国生まれのダイコンです。
紅芯大根は、聖護院大根のように丸い形で、直径は10cmくらいになります。表皮は青首大根と同じ白ですが、一皮剥くとアントシアニンの色素がつくる鮮やかな紅色が特徴です。
食感はやや硬くパリパリしていて辛味はあまり強くありません。生でサラダなどにして色の鮮やかさを楽しんでもいいですが、酢に漬けるといちだんと色鮮やかに赤くなるので甘酢漬けがおすすめ。中国では祝い事や野菜の飾り細工に使われることが多い、縁起の良い野菜です。

紅芯大根栽培、3つのポイント

ポイント1
栽培は普通の青首大根と同じです。タネまきは9月上旬から中旬まきがつくりやすく、タネまきが遅れると大きく育たないことが多くなります。
ポイント2
ダイコン栽培のポイントはフカフカの土壌を用意することですが、丸いダイコンなのでそこまで深く耕さなくても大丈夫です。
ポイント3
タネまき直後に防虫ネットをかけ、こまめにネキリムシやアブラムシを駆除しましょう。

紅芯大根の栽培時期

青首大根同様に、9月上旬から中旬にまきます。収穫時期は11月から12月ごろ。青首大根や聖護院大根と比べると小振りですが、生長速度はそれほど変わらないので、一緒に栽培するなら同時にまくのがおすすめです。晩秋まきや春まきができる紅芯大根もありますが、10月にタネをまくなら、気温に合わせた保温栽培が必要です。

紅芯大根の育て方

土づくり(新規の畑の場合)

ダイコンは土の中で根が肥大するので、土がフカフカだとストレス無く育ちます。土がやわらかくなるようにしっかりと耕します。紅芯大根は10cmくらいの球型なので、目安としては深さ20cmくらいを細かく耕すと良いでしょう。3週間以上前に元肥として1m2あたり牛ふん堆肥を1kg、発酵油かすを100g、貝殻石灰を100g入れておきます。なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が激しい砂質の畑では上記の量の2割増を目安にします。畝は水はけのよいやや高畝が向きます。水はけの悪い粘土質の畑では、高さ20~30cm程度の高畝にして排水を良くします。水はけのいい砂質の畑では5~10cm程度ですが、水はけの良し悪しで高さを変えてください。
畝にマルチフィルムをかけると畝の温度と湿度が安定し栽培しやすくなります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
それほど肥料を必要としないので、他の野菜が元気に育つ場所なら、元肥は入れないで栽培できます。深さ20cmくらいを掘り起こして土がやわらかくなるように耕します。そして、新規の畑と同様に、やや高畝をつくります。
深く耕す時も耕うん機なら楽に耕せる
培土器があれば素早く土寄せができる
往復して畝の原型をつくり、表面をならして形を整える
マルチを畝に広げる
裾に土をかけて固定する

タネまき

タネをまく
移植すると大切な主根を傷めるので、必ず畑に直まきをします。タネを3cm間隔にまくスジまきよりも、マルチフィルムを使う栽培の方が育てやすいのでおすすめです。マルチフィルムの効果により、除草などの手間をはぶくことができます。マルチフィルムを使う場合は、15〜30cm間隔で穴をあけ、1穴に4〜5粒、粒が重ならないようにまいて3回程度間引きながら育てます。
また、タネまきしたら直後に防虫ネットのトンネルを設置します。ネットの裾から害虫が侵入することが多いので、裾に土をかけて密封します。
マルチフィルムに穴をあける。約30cm間隔で二列の場合
防虫ネットはピンで留めるより、土で埋めた方が入る隙間がなく効果が高い
多めに4~5粒まいて、芽が出てきた様子
連作障害
ダイコンは連作障害が出にくい野菜なので、連作が可能です。
害虫
生育初期にダイコンシンクイムシなどの害虫被害に遭いやすいです。多少食べられても欠株にならないようにするためにも、タネは多めにまいておきます。

間引き

大体3回くらいに分けて間引きます。芽が出た双葉の時期に1回目の間引きとして、大きすぎる、小さすぎる、左右のフタバが非対称なものなどを間引きます。2回目の間引きは本葉2~3枚の時に行います。6~7枚で草丈が15cm以上になったら3回目の間引きを行い、1本立ちにします。順調に生育するようなら間引いた後にとくにやることはありませんが、害虫チェックだけはこまめに行いましょう。特に葉のつけ根の芯を食うシンクイムシと葉につくアブラムシは重点的に確認をします。シンクイムシは捕殺し、アブラムシは手で払います。
芽が出た双葉の時期の1回目の間引き後。形が悪いものを間引く
3回目の間引き後。1本立ちにする

収穫

大きく育った葉が立ち上がってきて、その先端が垂れてきたら収穫適期です。地面から顔を出してきたダイコンの太さが直径10cmを越えてきたら収穫します。寒くなってもまだ小さいときはビニールや不織布などで保温トンネルをすると生育が促進されます。
地上部に見える部分の直径が10cmを超えたら収穫適期
葉の根元をまとめて持って引き抜く。収穫が遅くなると割れるので注意

紅芯大根の保存方法

紅芯大根の保存方法は、基本的にダイコンと同じです。収穫したあとに長く保存しておくときは、葉が根の養分を吸い上げるので、葉は切り離しておきましょう。葉は普通のダイコンと同じように食べられます。

紅芯大根のおいしい食べ方

紅芯大根のピクルス&タルタルソース

材料(2人分)
  • 紅芯大根
    1個(400g)
  • 小さじ1
  • 甘酢
  • 100ml
  • 砂糖
    大さじ3
  • 小さじ1/2
  • 黒粒こしょう
    6粒
  • 唐辛子
    1本
  • ローリエ
    1枚
  • タルタルソース
  • 紅芯大根のピクルス
    4片
  • ピクルスの漬け汁
    大さじ1/2
  • マヨネーズ
    大さじ2
作り方
  • よく洗った紅芯大根を皮ごと縦半分に切る。
  • 皮ごと5〜6mmくらいのいちょう切りにする。
  • 袋に切った紅芯大根と塩(紅芯大根の重さに対して1.5%)を入れる。
  • 空気を抜いて15分ほど、水分が出てくるまで置く。
  • その間に甘酢を作る。酢(100ml)、砂糖(大さじ3)、塩(小さじ1/2)、黒こしょう(6粒)、唐辛子(1本)、ローリエ(1枚)を火にかけ、煮たったら完成。
  • 15分経ったら、水気を軽く絞って密封袋に入れる。
  • 密封袋に先ほど作った甘酢を入れる。
  • 真空状態にするために、袋ごと水に浸けて、空気を抜きながら口を閉じる。
  • 1時間以上漬け込んで完成。
  • 続いて、完成した紅芯大根のピクルスを使ってタルタルソース作り。まずピクルスを5mm角の粗みじん切りにする。
  • ピクルスの漬け汁とマヨネーズをよくなじませる。
  • 刻んだピクルスを混ぜ合わせたら、魅惑の色のタルタルソースの完成。
調理ポイント
  • 水に浸けて空気を抜く簡単真空パックで、1時間以上置く
育て方監修
株式会社 学研プラス
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