スイスチャードってどんな野菜?

スイスチャードは地中海原産で、赤や黄色、白などカラフルな茎や葉脈を持つビーツの仲間です。スイスチャードに近い品種は日本にもあり、「うまい菜」などといわれていて、1年中いつでもつくれるので不断草という総称で呼ばれています。味はほうれん草に近く、ほうれん草代わりにスイスチャードを使って料理ができます。
スイスチャードは茹でるとせっかくの色が抜けてしまうため、カラフルな色味を活かしたサラダや炒め物におすすめ。ポリフェノールがカラフルな色をつくり、ミネラルも豊富です。えぐみやアクが少ないのも特徴で、茹でずに調理することでシャキシャキとした食感が楽しめます。

スイスチャード栽培、3つのポイント

ポイント1
温暖な気候を好み、寒さには弱いが暑さには意外と強いので、春まきは暖かくなってきた4月下旬ごろからまくのがおすすめです。年中栽培できますが、秋まきは8月下旬から9月中旬がいいでしょう。
ポイント2
タネがかたい殻に包まれていて発芽しづらい性質があります。一晩水に浸けて芽出しをすると発芽率がよくなります。発芽すれば害虫にも強く、手間をかけずにスクスク育ちます。
ポイント3
酸性土壌を嫌うため土づくりが大切です。肥料分はそれほど必要ありませんが、土壌酸度が高くならないようにしましょう。

スイスチャードの栽培時期

不断草といわれるほどで、1年中栽培できますが、4月下旬から9月中旬までにタネまきする栽培がつくりやすいです。発芽がむずかしく、土が乾燥すると発芽しないので、芽出しをする、夏場のタネまきには水やりをするなど、対策が必要です。タネまき後、20日くらいからベビーリーフとして間引き収穫ができます。大株に育つのは適期に栽培した場合で40~50日後になります。
冬に向かって育てるなら、9月中旬ごろまでにタネまきをしておきましょう。寒さに弱いので11月には収穫が終わるようにします。

スイスチャードの育て方

土づくり(新規の畑の場合)

スイスチャードはホウレンソウ等と同様に、酸性土壌を嫌い肥沃な土壌を好みます。日当たりがよく水はけのよい場所が向くのは他の野菜と同じですが、スイスチャードは日当たりより土のよさを優先させたい野菜。耕す目安としては深さ15cm程度で、それより深いところは強い直根が地中に伸びていきます。初めての土壌なら、3週間以上前に1m2あたり牛ふん堆肥を1.5kg、発酵油かすを150g、貝殻石灰を150g入れておきます。なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増を目安にします。砂質の畑では保肥力が足りない場合があるので、堆肥を早めに多めに入れて土づくりをしておくと良いでしょう。畝の高さは水はけの悪い粘土質の畑では、20〜30cmの高畝にします。水はけのいい砂質の畑では5~10cm程度ですが、水はけの良し悪しで高さを変えてください。冬に向けて栽培するときは、マルチフィルムを畝に張ると、土の温度や湿度が安定するので育ちやすくなります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
他の野菜がよく育つような肥沃な畑なら肥料分はそれほど必要ありません。多肥にならないように気をつけます。ただ、酸性土壌だと生育不良になりやすい野菜です。水はけの悪い土壌では酸性化しやすく、土壌酸度が高いようなら貝殻石灰を入れて調整をします。
耕うん機ならあっという間に耕うん完了
アタッチメントを活用してマルチを張ることもできる
両サイドの円盤が土を寄せてマルチを固定してくれる
耕うんする要領で進めていくとあっという間にマルチ張りが完了

タネまき

タネまき
夏に向かっての栽培ならタネを2cm間隔でスジまきにします。条間は20cmあけます。
冬に向かっての栽培はマルチをしておいた方が育てやすく、この場合は株間15cmでタネを1穴4〜5粒まいていきます。
マルチフィルムに穴をあける。株間約15cm間隔の場合
1cm程度指を指してタネを入れるスペースを作り、1穴に4~5粒まく
芽ができてきた様子。混んでる場合は間引く
本葉が大きくなると自然と育つ
連作障害
スイスチャードは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1年以上あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。

除草と土寄せ、間引き

初期生育が順調で、本葉が大きくなってくれば自然に育ってくれます。雑草に負けないようにこまめな除草をしましょう。虫には強いですが、コガネムシなどが付く場合があるので、虫の多い暑い時期は防虫ネットをかけておくと安心です。日差し避けにもなります。冬のマルチフィルムを使った栽培の時は必要ありませんが、スジまきの場合は栽培途中で何回か、除草を兼ねて土寄せしてやるとよく育ちます。混んできた場所は2~3回に分けて間引きをして、最終的に株間20cmくらいにします。追肥は必要ありません。

収穫

タネは多めにまいておくと、間引き菜をサラダ用のベビーリーフとして収穫しながら食べることができます。大きく育つと草丈30cmくらいになりますが、かたくアクも強くなるので、15〜20cmで早めに収穫します。すべてを抜かずに大きくなった葉を摘み採るように収穫していくと、新しい葉が出てきて長く収穫できます。
大きくなるとアクや苦みがでるので大体15~20cm程度になったら収穫する

スイスチャードの保存方法

乾燥しないように新聞紙で包み、その上からビニール袋をかぶせて冷蔵庫に立てて保存しましょう。
たくさんある場合は、ほうれん草と同様に茹でてから冷凍保存します。

スイスチャードのおいしい食べ方

スイスチャードと豚肉の粒マスタード炒め

材料(2人分)
  • スイスチャード
    100g
  • にんにく
    1片
  • 豚こま切れ
    100g
  • オリーブ油
    大さじ1/2
  • 少々
  • 粗挽き黒こしょう
    少々
  • 合わせ調味料
  • 粒マスタード
    大さじ1/2
  • 醤油
    大さじ1/2
  • 大さじ1/2
作り方
  • スイスチャードの根本を切り落とし、4〜5cmの長さに切る。
  • 茎の太いところは縦に切って半分にすると、火の通りが良くなる。
  • にんにくの皮を剥く。にんにくの皮は根本を落とし、皮ごと潰すと簡単に剥くことができる。
  • 皮を剥いたにんにくの芯を取り除き、粗みじん切りにする。
  • 粒マスタード(大さじ1/2)、醤油(大さじ1/2)、酒(大さじ1/2)を混ぜ合わせて、合わせ調味料を作る。
  • にんにくを火にかける。
  • にんにくの香りが立ってきたら、豚肉を入れて塩こしょうをする。
  • 豚肉に軽く火が入ったら、スイスチャードを茎→葉の順番で炒める。
  • スイスチャードは油で炒めると発色が良くなる。
  • なじんだら、合わせておいた調味料を加える。
  • 調味料と絡めながら、スイスチャードの歯ごたえを残すようにサッと炒める。
  • にんにくの香りが食欲をそそる、スイスチャードと豚肉の粒マスタード炒めの完成。
調理ポイント
  • 茎の太いところは縦に切って半分にすると、火の通りが良くなる
  • スイスチャードの歯ごたえを残すようにサッと炒める
育て方監修
株式会社 学研プラス
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