コールラビって
どんな野菜?
育て方やレシピをチェック!

見た目はまるでエイリアン!?
コールラビ

コールラビってどんな野菜?

コールラビはカブのような見た目の膨らみからにょきにょきと生えた茎や葉が、なんともインパクトのあるアブラナ科の野菜。地上に出ている茎が丸く肥大して、そこから葉が何枚も伸びてきます。「コール」はドイツ語でキャベツ、「ラビ」はカブのことを意味しますが、品種的には地中海原産のキャベツやブロッコリーの仲間です。日本名で、カブカンラン(蕪甘藍)、球茎キャベツと呼ばれることもあります。食べるのは地上部で丸く太った茎。キャベツの芯に近い存在ですが、葉でつくる養分を茎いっぱい貯めて肥大するので甘みがあり、シャキッとした食感です。
コールラビには茎の表皮が緑白色になるタイプと紫色になるタイプがあります。ただ、食べるときに皮を剥くとどちらも白色に。ダイコンのように千切りにしてサラダに、サイの目切りしてスープにと、味にクセがないのでいろいろな料理に使えます。

コールラビ栽培、3つのポイント

ポイント1
栽培の仕方はキャベツと同じですが、結球しないので栽培期間が40〜50日と短く、作りやすい野菜です。
ポイント2
秋まき、春まきどちらもできますが、秋まきの方が作りやすくおすすめ。葉が何本も出て元気に育てば、茎の肥大もよくなります。
ポイント3
アブラナ科の野菜なので防虫対策は大切です。ただ、茎を食べる野菜なので、葉を多少食べられても大きな被害は受けません。

コールラビの栽培時期

苗を植える
春まき:4月中旬頃に植えると5月下旬から6月上旬に収穫できます。
秋まき:9月中旬から10月上旬に植えると10月下旬から12月に収穫できます。
タネから育てる
春まき:3月から4月にタネをまいて6月に収穫できます。
秋まき:8月中旬から9月上旬にタネをまいて10月下旬から12月に収穫できます。
直まきもできますが、移植が簡単にできるので育苗ポットや苗床で苗づくりをするのがおすすめです。
育苗ポットにタネを3~4粒まき、発芽したら葉っぱ同士が触れ合わないように間引きます。本葉が3~4枚になったら、ポットの中から生育の良い苗を1つ選んで間引き、本葉が5~6枚になったら定植のタイミングです。
9月下旬から10月上旬頃までタネまきできますが、その場合は保温対策が必要で、収穫は2月下旬頃になります。

コールラビの育て方

土づくり(新規の畑の場合)

日当たりがよく水はけのよい場所を選んであればよく育ちます。キャベツより少肥で育つ野菜ですが、野菜を初めて育てる場所なら、3週間以上前に1m2あたり堆肥を2kg、有機質肥料を150g、貝殻石灰を100gいれて15~20cmの深さを軽く耕します。
なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増しを目安にします。
畝の高さは、粘土質の畑では生育初期の過湿を防ぐために10~15cm程度のやや高畝にし、砂質の畑では乾燥を防ぐために5〜10cmの低い畝にすると良いでしょう。畝に黒マルチフィルムを張ると、畝の温度と湿度が安定し、雑草を防止する効果もあるので育ちがよくなります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
他の野菜がよく育つような肥沃な土壌なら肥料を入れなくても軽く耕すだけで育ちます。心配であれば苗の植えつけ前に、植え穴に有機質肥料を一握り入れておきましょう。
深く耕す時も耕うん機なら楽に耕せる
培土器があれば素早く土寄せができる
往復して畝の原型をつくり、表面をならして形を整える
マルチを畝に広げる
マルチの裾に土をかけて固定する

植えつけ

植え方
本葉4〜5枚になったら畑に定植します。写真のように1ポットに2株育て、根が活着したら元気な方を残して1株に間引きましょう。株間は15〜20cmで、キャベツより密植できます。
タネまき
直まきもできます。5~20cmくらいの間隔をあけて2~3粒ずつ点まきをします。
マルチフィルムに穴をあける。株間は約15~20cmで二条植えもできる
定植後の苗。ひとつの穴に2株育っている様子
防虫ネットはピンで留めるより、土で埋めた方が入る隙間がなく効果が高い
タネをまく場合は2~3粒ずつ、点まきをする
苗を植えつけてから20日後。根が活着してから育ちのいい方を残して間引きする
苗を植えつけてから40日後。茎がだんだん膨らみ始める
害虫対策
アブラナ科の野菜なので害虫対策はしっかり行いましょう。植えつけと同時に防虫トンネルを設置します。アブラムシやハモグリバエの被害が出る場合があるので、ときどきは葉の裏表を見て害虫のチェックをし、早めに駆除します。
連作障害
コールラビは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。

土寄せと下葉かき

根元が不安定なときは土寄せして安定させます。生育初期はキャベツやブロッコリーと変わらない姿をしていますが、葉が大きくなって広がり出すと茎が太り出し、茎から上に向かって葉が突きだすように伸びてきます。葉の枚数が増えてきたら、地面に触れて傷んだ下葉は摘んでも問題ありません。
最高気温が15℃を下回ると生長が鈍ってくるので、透明ビニールや不織布などで保温トンネルを設置します。
葉は上に向かって突き出すように伸びる。葉の数が増えたら、地面に触れて傷んでいる葉は摘む

収穫

順調に育てばタネまきから60〜70日で収穫できます。根元の丸くなった茎の直径が5cmを越えたら収穫適期です。肥大しすぎるとかたくなってしまうので、早めに収穫して適期を外さないのがコツ。とくに温度が上がると生長が早くなる春まきは注意します。
生で食べるなら直径5cmくらいのサイズがおすすめで、煮込む場合でも直径8cmくらいの太さで収穫しましょう。
収穫サイズは茎の直径が5〜8cmくらいのとき。これ以上大きくなるとスジっぽくなる

コールラビの保存方法

コールラビの保存方法は基本的には他の葉物野菜と同様、新聞紙などに包み、冷蔵庫に入れて保存します。茎や葉がついたままになっていると葉に栄養を取られてしまうため切り落として保存します。3〜4日くらいを目安に食べましょう。

コールラビのおいしい食べ方

コールラビのガーリックグリル

材料(2人分)
  • コールラビ
    1個(400g)
  • にんにく
    1片
  • オリーブ油
    大さじ1/2
  • カットレモン
    適量
  • 小さじ1/4
  • バルサミコ酢
    小さじ1
  • 粗挽き黒こしょう
    少々
作り方
  • コールラビの上下を切り落とし、繊維の層が残らないように皮を厚めにむく。
  • 1.5cm幅の厚さで半月切りにする。
  • にんにくを2〜3mm幅で切る。
  • 切ったにんにくをぬるま湯で洗って、表面のぬめりを取り除く。
  • フライパンにオリーブ油を入れ、にんにくをきつね色になるまで揚げる。
  • にんにくを揚げたオリーブ油で、コールラビを焼き色が付くまでしっかり焼く。
  • 両面に焼き色が付いたら、ガーリックチップを乗せる。
  • こしょうをふり、バルサミコ酢の甘酸っぱい酸味で味にメリハリをつければ完成。
調理ポイント
  • 繊維の層が残らないように皮を厚めにむく
育て方監修
株式会社 学研プラス
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