カーボロネロって
どんな野菜?
育て方やレシピをチェック!

キャベツだけど巻いてない
カーボロネロ

カーボロネロってどんな野菜?

カーボロネロはキャベツの仲間ですが、キャベツのように結球するのではなく、葉を大きく広げて育つ野菜です。細長い葉は深い緑色でちりめん状をしています。原産地は地中海沿岸。イタリアのトスカーナ地方で盛んにつくられています。冷涼な気候を好み、日本で栽培する場合は、夏の終わりに苗を植えて涼しくなる秋から冬に向けて育てます。
一度収穫しても葉は次々と出てきます。大きく育つと寒さに強くなるため、冬に霜が降りても長期間収穫が続きます。一度に採れすぎて困ることもなく何度も収穫が楽しめるので、家庭菜園にピッタリな野菜です。ビタミン・ミネラルなどの栄養も豊富で、キャベツと同じように煮込み料理や炒め物で手軽に楽しめます。

カーボロネロ栽培、3つのポイント

ポイント1
カーボロネロはアブラナ科の野菜です。同じアブラナ科の野菜であるコマツナ、ハクサイ、ブロッコリーなどと連作するのを避けましょう。また、害虫や病気が共通するため、近い場所に植えるのも避けます。
ポイント2
水はけのよい高めの畝をつくります。また、畝にマルチを張って過湿や乾燥を避けると育ちがよくなります。
ポイント3
カーボロネロはキャベツと同様に低栄養の土壌を好む野菜です。肥料を与えすぎると病気や害虫被害が多くなるので、肥料を与え過ぎないように心掛けて栽培します。

カーボロネロの栽培時期

キャベツ同様、夏の終わりに苗を植えます。中間地なら、8月中旬~9月上旬に苗を購入して植え付けると、11月上旬くらいから収穫を始められます。収穫は年を越して春先まで続きます。
タネを買って苗をつくるなら、7月中旬~8月上旬にポットに種をまいて約30日間育苗して、本葉5~6枚まで育てます。暑い時期なので、寒冷紗で日除けをして涼しい環境に置いて育苗します。

カーボロネロの育て方

土づくり(新規の畑の場合)

新規の痩せている畑では元肥を施します。植えつけの2週間前までに、元肥として1m2あたり完熟堆肥2㎏、油かす200gを、畝をつくる場所にまき、深さ20cmまで耕して土によく混ぜておきます。キャベツの仲間はやや未熟な有機物を好むので、使う肥料はどちらかというと発酵油かすよりも、油かすが向いています。
水はけの悪い粘土質の畑では、高さ15cm程度の高畝にして排水を良くします。水はけのいい砂質の畑では畝を高くする必要はありません。
なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増しを目安にします。
畝にマルチフィルムを張ると、畝の湿度と温度が保たれるのでカーボロネロの生育が安定します。また、雨による泥はねが防げるので、病気予防になります。マルチフィルムの代わりに、刈り草やワラをパラパラと敷くのも同様の効果があります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
有機栽培を続けている畑では土が肥沃になります。カーボロネロを始めキャベツの仲間はもともと低栄養の土壌を好む野菜なので、土づくりは耕すだけで十分です。約20cmの深さまで耕したら畝をつくりましょう。この場合、1週間ほどして土が落ち着いたら苗を植えつけます。土が蓄えている養分で、カーボロネロは十分に大きく育ちます。畑の水はけの良し悪しに合わせて畝の高さを変えてください。
深く耕す時も耕うん機なら楽に耕せる
培土器を使えば素早く土寄せができる
往復して畝の原型をつくる
畝の表面をならして形を整える
マルチを畝に広げる
マルチの裾に土をかけて固定する

植えつけ

植え方
本葉が5~6枚の苗を植えます。幅60cmの畝に1列、株間約45cmで植えます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させてから植えるとよく、その後は水やりを控えます。こうすると、根をしっかりと伸ばすことができ、丈夫に育ちます。
株間約45cmで1列に植える。植え穴をあけて、ポットをはずす
根鉢を植え穴におさめ、隙間がないように土を寄せて鎮圧する
連作障害
カーボロネロは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。

追肥と土寄せ

生育が悪いようなら、少量の油かすを与えます。分量の目安は、1株当たりに約10gです。植えつけ後、2~3週間に1度のペースで、葉の先端の真下あたりに油かすをまいてください。葉の先端の真下は、ちょうど根が伸びてきているところなので、養分を効率よく吸わせることができます。
マルチ栽培の場合は、マルチをめくるか、切り込みを入れて追肥します。
マルチをしていない場合は、追肥をしたら土を寄せておきます。株数が多い場合は、耕うん機に培土器を取り付けて土寄せをすると便利です。

収穫

細長い葉が次々と出てきます。葉の長さが30~40cmになったら、下の葉から順々にハサミで切って収穫します。
厳冬期には甘さがのっておいしさがいっそう増します。これは、寒さで凍らないように、自ら細胞内の糖度を上げるためです。
品種、栽培時期、土壌環境によりますが、おおむね40枚程度の葉を収穫できます。

カーボロネロの保存方法

乾燥しないように新聞紙などに包んで冷蔵庫に立てて保存しましょう。
黒キャベツと呼ばれるカーボロネロですが、結球した一般的なキャベツと比べて日持ちしないので早めに食べることをお勧めします。

カーボロネロのおいしい食べ方

カーボロネロのクリームパスタ

材料(2人分)
  • カーボロネロ
    100g(4~5枚)
  • パスタ
    150g
  • にんにく
    1片
  • 生クリーム
    大さじ4
  • パスタの茹で汁
    大さじ4
  • オリーブ油
    大さじ2
  • 小さじ1/4
  • 粉チーズ
    適宜
  • 粗挽き黒こしょう
    適宜
作り方
  • カーボロネロを1cm幅の細切りにする。
  • 沸騰したお湯に塩、半分に切ったにんにく、カーボロネロを入れ、15分茹でる。
  • にんにく、カーボロネロを鍋から取り出し、残った出汁でパスタを茹でる。
  • ミキサーに茹でたにんにく、カーボロネロを入れ、生クリーム(大さじ4)、塩(小さじ1/4)、パスタの茹で汁(大さじ4)、オリーブ油(大さじ2)を加え、ミキサーにかける。
  • 茹で上がったパスタにソースをからめる。
  • 盛り付けて、お好みで粉チーズ、黒こしょうを振りかければ完成。
調理ポイント
  • 15分しっかりと柔らかくなるまで茹でましょう
  • 生クリームを加えると苦味がマイルドに!
育て方監修
株式会社 学研プラス
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