土づくり(新規の畑の場合)
新規の痩せている畑では元肥を施します。植えつけの2週間前までに、元肥として1m2あたり完熟堆肥2kg、油かす200g、かき殻石灰150gを、畝をつくる場所にまき、深さ20cmまで耕して土によく混ぜておきます。キャベツの仲間はやや未熟な有機物を好むので、どちらかというと発酵油かすよりも、油かすが向いています。
水はけの悪い粘土質の畑では、高さ15cm程度の高畝にします。水はけのいい砂質の畑では畝を高くする必要はありません。
なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増しを目安にします。
畝にマルチフィルムを張ると、畝の湿度と温度が安定して育ちがよくなるのでおすすめ。また、雨による泥はねが防げるので、病気予防になります。マルチフィルムの代わりに、刈り草やワラをパラパラと敷くのも同様の効果があります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
有機栽培を続けている畑では土が肥沃になります。キャベツの仲間はもともと低栄養の土壌を好む野菜なので、土づくりは耕すだけで十分です。約20cmの深さまで耕したら畝をつくりましょう。この場合、1週間ほどして土が落ち着いたら苗を植えつけます。土が蓄えている養分で、芽キャベツは大きく育ちます。なお、上記の通り、水はけの良し悪しで畝の高さを変えてください。
往復して畝の原型をつくり、表面をならして形を整える
植えつけ
植え方
本葉が5~6枚の苗を植えます。幅60cmの畝に1列、株間約45cmで植えます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させてから植えるとよく、その後は水やりを控えます。こうすると、根をしっかりと伸ばすことができ、丈夫に育ちます。
マルチフィルムに穴をあけ、植え穴を掘って根鉢を納めたら、穴と根鉢の間に隙間がないように土を寄せて鎮圧しておきます
連作障害
芽キャベツは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。
追肥と土寄せ
生育が悪いようなら、少量の油かすを与えます。分量の目安は、1株当たりに約10gです。植えつけ後、2~3週間に1度のペースで、葉の先端の真下あたりに油かすをまいてください。葉の先端の真下は、ちょうど根が伸びてきているところなので、養分を効率よく吸わせることができます。
マルチ栽培の場合は、マルチをめくるか、切り込みを入れて追肥します。
マルチをしていない場合は、追肥をしたら土を寄せておきます。株数が多い場合は、耕うん機に培土器を取り付けて土寄せをすると便利です。
葉かき作業
葉数を増やしながら生長し、葉のつけ根の部分にわき芽が出てきます。
葉のつけ根にわき芽が出ます。このわき芽が結球して肥大し、芽キャベツになります
植えつけから約2か月後、わき芽が結球し始めます。下の方の葉からハサミで切り取る作業をします。最終的に上の方の葉を10枚くらい残しますが、一度に多くの葉を切るとダメージが大きいため、5枚くらいずつ日を分けて葉かきをします。日当たりと風通しをよくし、また、葉かきをすることでわき芽が大きく育つようになります。葉が増えたら適宜葉かき作業をします。
上に10枚くらいの葉を残しておきます。葉かき作業をすると結球部分が次第に肥大します
収穫
結球したわき芽が直径2~3cmに肥大したら順次収穫します。下の方から順々にハサミで切り取るか、手でもぎ取ります。
品種、栽培時期、土壌環境によりますが、おおむね植えつけから約3か月で収穫が始まり、その後2か月くらい収穫が続きます。11月~3月が収穫の目安です。
葉かき作業を数枚ずつこまめに行い、茎の上方に向かってわき芽をどんどん結球させていきましょう。