芽キャベツってどんな野菜?

芽キャベツは名前の通りキャベツの仲間ですが、頂芽が結球する一般的なキャベツとは異なり、わき芽が結球するのが特徴です。キャベツの原種は地中海沿岸ですが、芽キャベツはベルギーで作られた改良種です。キャベツ同様、冷涼な気候を好み、日本で栽培する場合は、夏の終わりに苗を植えて涼しくなる秋から冬に向けて育てます。
芽キャベツは「子持ちキャベツ」とも呼ばれ、茎に小さな球が50~60個程度びっしりとできます。コロコロと小さい見た目が可愛らしく、一口サイズなのでシチューなどの煮込み料理や炒め物にして、まるごと調理して食べるとおいしい野菜です。

芽キャベツ栽培、3つのポイント

ポイント1
芽キャベツはアブラナ科の野菜です。同じアブラナ科の野菜(コマツナ、ハクサイ、ブロッコリーなど)と連作するのを避け、また、害虫や病気が共通するため、近い場所に植えるのも避けます。
ポイント2
水はけのよい高めの畝をつくり、マルチ栽培で畝の過湿や乾燥を避けると育ちがよくなります。
ポイント3
芽キャベツはキャベツ同様、低栄養の土壌を好む野菜です。肥料を与えすぎると病気や害虫被害が多くなるので、少肥を心掛けて栽培します。

芽キャベツの栽培時期

キャベツ同様、夏の終わりに苗を植えます。中間地なら、8月中旬~9月上旬に苗を購入して植えつけると、11月上旬くらいから収穫を始められます。収穫は年を越して春先まで続きます。
タネを買って苗をつくるなら、7月中旬~8月上旬にポットにタネをまいて約30日間育苗して、本葉5~6枚まで育てます。暑い時期なので、寒冷紗で日除けをして涼しい環境に置いて育苗します。

芽キャベツの育て方

土づくり(新規の畑の場合)

新規の痩せている畑では元肥を施します。植えつけの2週間前までに、元肥として1m2あたり完熟堆肥2kg、油かす200g、かき殻石灰150gを、畝をつくる場所にまき、深さ20cmまで耕して土によく混ぜておきます。キャベツの仲間はやや未熟な有機物を好むので、どちらかというと発酵油かすよりも、油かすが向いています。
水はけの悪い粘土質の畑では、高さ15cm程度の高畝にします。水はけのいい砂質の畑では畝を高くする必要はありません。
なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増しを目安にします。
畝にマルチフィルムを張ると、畝の湿度と温度が安定して育ちがよくなるのでおすすめ。また、雨による泥はねが防げるので、病気予防になります。マルチフィルムの代わりに、刈り草やワラをパラパラと敷くのも同様の効果があります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
有機栽培を続けている畑では土が肥沃になります。キャベツの仲間はもともと低栄養の土壌を好む野菜なので、土づくりは耕すだけで十分です。約20cmの深さまで耕したら畝をつくりましょう。この場合、1週間ほどして土が落ち着いたら苗を植えつけます。土が蓄えている養分で、芽キャベツは大きく育ちます。なお、上記の通り、水はけの良し悪しで畝の高さを変えてください。
元肥のすき込みも耕うん機があれば楽にできる
培土器があれば素早く土寄せができる
往復して畝の原型をつくり、表面をならして形を整える
マルチを畝に広げる
両サイドの裾を土で固定しながら広げる
裾に土をかけて足で踏んで固定する

植えつけ

植え方
本葉が5~6枚の苗を植えます。幅60cmの畝に1列、株間約45cmで植えます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させてから植えるとよく、その後は水やりを控えます。こうすると、根をしっかりと伸ばすことができ、丈夫に育ちます。
植えつけ前、ポットを水に浸して給水します
マルチフィルムに穴をあけ、植え穴を掘って根鉢を納めたら、穴と根鉢の間に隙間がないように土を寄せて鎮圧しておきます
株間45cmで植えます
連作障害
芽キャベツは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では、連作障害はそれほど気になりません。

追肥と土寄せ

生育が悪いようなら、少量の油かすを与えます。分量の目安は、1株当たりに約10gです。植えつけ後、2~3週間に1度のペースで、葉の先端の真下あたりに油かすをまいてください。葉の先端の真下は、ちょうど根が伸びてきているところなので、養分を効率よく吸わせることができます。
マルチ栽培の場合は、マルチをめくるか、切り込みを入れて追肥します。
マルチをしていない場合は、追肥をしたら土を寄せておきます。株数が多い場合は、耕うん機に培土器を取り付けて土寄せをすると便利です。

葉かき作業

葉数を増やしながら生長し、葉のつけ根の部分にわき芽が出てきます。
葉が増えます 
葉のつけ根にわき芽が出ます。このわき芽が結球して肥大し、芽キャベツになります
植えつけから約2か月後、わき芽が結球し始めます。下の方の葉からハサミで切り取る作業をします。最終的に上の方の葉を10枚くらい残しますが、一度に多くの葉を切るとダメージが大きいため、5枚くらいずつ日を分けて葉かきをします。日当たりと風通しをよくし、また、葉かきをすることでわき芽が大きく育つようになります。葉が増えたら適宜葉かき作業をします。
下の方の葉から順にハサミで葉を切り取ります
わき芽を傷つけないように切り取り作業をします
上に10枚くらいの葉を残しておきます。葉かき作業をすると結球部分が次第に肥大します

収穫

結球したわき芽が直径2~3cmに肥大したら順次収穫します。下の方から順々にハサミで切り取るか、手でもぎ取ります。
品種、栽培時期、土壌環境によりますが、おおむね植えつけから約3か月で収穫が始まり、その後2か月くらい収穫が続きます。11月~3月が収穫の目安です。
葉かき作業を数枚ずつこまめに行い、茎の上方に向かってわき芽をどんどん結球させていきましょう。

芽キャベツの保存方法

収穫した芽キャベツは、すぐに食べるのでなければ、かために下茹でして粗熱をとってから冷凍保存します。ファスナーつきの保存袋に小分けして冷凍庫で保存し、使うときは自然解凍して調理するようにしましょう。

芽キャベツのおいしい食べ方

芽キャベツのごろごろオニオンスープ

材料(2人分)
  • 芽キャベツ
    200g
  • 玉ねぎ
    1/2個(150g)
  • フランクフルト
    3本(100g)
  • 600ml
  • ローリエ
    1枚
  • 小さじ1/4
  • オリーブ油
    大さじ1
  • 少々
  • 粗挽き黒こしょう
    少々
作り方
  • 芽キャベツの根本を切り落とし、外葉をとる。
  • 大きい芽キャベツは縦半分に切る。
  • 芯に切れ目を入れる。切れ目を入れると火の通りがよくなり、味もよく染み込む。
  • 丸ごと使うときも忘れずに!
    丸ごと使うときにも、忘れずに芯に切れ目を入れる。
  • 玉ねぎを3〜4分しんなりするまで炒め、甘みを出す。
  • 芽キャベツと同じ大きさに切ったフランクフルト、下処理を済ませた芽キャベツを加え、あわせる。
  • 最後に水(600ml)、塩(小さじ1/4)、ローリエを入れ、フタをして6分ほど煮込む。
  • 芽キャベツが柔らかくなったら完成。
調理ポイント
  • 芯に切れ目を入れると火の通りがよくなり、味がよく染み、グッド
  • 丸ごと使うときにも切れ目は忘れずに!
育て方監修
株式会社 学研プラス
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