土づくり(新規の畑の場合)
キャベツやブロッコリーと同様に、日当たりがよく水はけのいいところならよく育ちます。肥料はそれほど必要としませんが、新規の痩せている畑なら、植えつけの3週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kg、油かす200g、貝殻石灰を100g入れて軽く耕しておきます。アブラナ科の野菜はやや未熟な有機物を好むので、使う肥料はどちらかというと発酵油かすよりも、油かすが向いています。
水はけの悪い粘土質の畑では、高さ15cm程度の高畝にして排水を良くします。水はけのいい砂質の畑では畝を高くする必要はありません。
なお、粘土質の畑は肥料の持ちがいいため、元肥は上記の量の2割減とし、逆に肥料の消耗や流失が多い砂質の畑では上記の量の2割増を目安にします。
畝にマルチフィルムを張っておくと過湿を防いでくれ、冬の防寒にも役立ち、雑草を予防する効果もあります。雨による泥はねが防げるので、病気予防になります。マルチフィルムの代わりに、刈り草やワラをパラパラと敷くのも同様の効果があります。
野菜づくりを続けている畑の場合は?
有機栽培を続けている畑では土が肥沃になります。肥料もそれほど必要ないので他の野菜がよく育つような場所なら、植えつけ時に軽く耕し、苗の真下を深さ20cmくらい掘って1苗につき油かすを20g程度入れておくだけで十分です。追肥はほとんど必要ありません。畑の水はけの良し悪しに合わせて畝の高さを変えてください。
植えつけ
植え方
本葉4〜5枚の苗を9月上旬から中旬に植えるのが最適です。畝幅70cmの畝に、45cm間隔で植えつけます。
気をつけたいのは生育初期で、長雨による過湿、根や葉を食べるヨトウムシ、コナガ、アオムシなどの害虫被害にあうと、生育が大幅に遅れてしまいます。アブラムシが大量発生する可能性もあります。その対策として、畝の周りを掘って畝の水はけをよくしておいて過湿による病害を予防し、植えたらすぐに防虫ネットを張って害虫の産卵や侵入を防ぎます。初期生育がよければ、あとは放任でもよく育ちます。
植え穴に根鉢をおさめ、隙間がないように土を寄せて鎮圧する
植えつけ完了。株間45cmが目安。9月の上旬~中旬に定植するのが理想
植えたらすぐに防虫ネットをかける。モンシロチョウなどに卵を産みつけられるとアオムシの食害をうける
連作障害
スティックセニョールは連作障害を避けるために同じ場所での栽培間隔を2~3年あけると安心です。ただ、堆肥をすき込んで土づくりを続けている有機の畑では連作障害はそれほど気になりません。
土寄せと害虫・害鳥よけ
背丈が大きくなってきたら、土寄せをし、支柱を使って倒れないようにします。
株が大きくなってきて葉などが防虫ネットに触れていると、モンシロチョウなどにネットの外からでも産卵されます。大きめのトンネル支柱や弾性ポールを使って株がネットに触れないよう工夫することと、葉の裏表を見て害虫を早めに退治することが大切です。
真冬になるとヒヨドリなどの鳥が葉を食べに来るので、防虫ネットや不織布を掛けて防ぎます。
しっかり土づくりをし、元肥をきちんと入れていれば追肥はほとんどの場合必要ありません。
植えつけから約70日。頂花蕾(ちょうからい)の収穫時。わき芽もぐんぐん生えてきている
収穫
最初に主茎の先端につぼみができます。ブロッコリーだとこのつぼみを直径20cmくらいに育ててから収穫しますが、スティックセニョールは500円玉くらいで採りましょう。早めに採ることでわき芽の発生が旺盛になり、次々とわき芽が出てきます。
収穫するのはこのわき芽にできるつぼみで、茎を5〜15cmつけて採りましょう。つぼみを見てツブツブが開いてきたら開花の合図なので、採り遅れないように。暖かくなるとつぼみから開花までの時間が短くなるので、こまめに収穫しましょう。花が咲いても食べられますが、茎がかたくなり味が落ちます。また、つぼみを放っておくと花が咲いてしまい、株が弱る原因になります。早めの収穫を心がけます。
蕾が花開く前にどんどん収穫しよう。花が咲いても食べられるが株が弱る原因になる