STEP.2

イチゴの
上手な育て方

~古葉の処理と春の水やり~

苗を植える

クラウンが埋まらないようやや浅めに植える

イチゴの苗は中間地では10月中旬から11月中旬に植えます。
苗を植える際のポイントは、深植えにしないこと。葉が出ている根元の膨らんだ部分(クラウン)が土に埋まらないよう浅めに植えます。
また、ポットの苗を観察するとクラウンがやや斜めに傾いているのがわかります。傾いている方に花芽が出て実がなりますから、苗の向きをそろえて植えると、あとで収穫作業がしやすくなります。日当たりを考慮して、南北畝なら、東側に実がなるように、東西の畝なら花芽を南側に向くように苗を植えましょう。

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植える前に苗の根鉢にたっぷり水を与えておきます。畝に30cm間隔で苗を並べます。

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黒マルチに30cm間隔で穴をあけ、植え穴を掘ります。

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クラウンが傾いている方に花芽が出ます。

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ポットをはずして根鉢を植え穴に収め、土を寄せて根鉢と植え穴の隙間を埋めたら、軽く手で押さえて鎮圧しておきます。

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植えつけ後の水やりは不要で、根付くと新芽が伸び始めます。

翌春、下葉の処理と追肥

霜で傷んだ葉をかき取り追肥をして生長を促す

気温が下がってくるとイチゴの地上部は縮こまりますが、それでも光合成をして得た養分を地下の根に送ってため込んでいます。雨が降らずに土が乾いているようなら、天気の良い暖かな日中に、植え穴から水をたっぷり与えます。光合成を助け、根を充実させるのが狙いです。
年を越して気温が上がるとイチゴは生長を再開します。霜で傷んだ葉があれば、クラウン部分で葉を根元からかき取ると、新しい芽が出やすくなります。
このタイミングで植え穴から追肥を与えて、葉の生長に備えます。

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冬の間は、イチゴは休眠しています。ロゼット状といって、地面にペタンと張りついた姿で、寒さをしのいでいます。

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春になると新芽が育ち始めます。霜で傷んだ古い葉があれば、根元部分で引きはがすようにかき取って処分します。

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米ぬかか油かすを約10g、植え穴に手を差し入れて追肥します。

敷きワラと水やり

実が傷まないよう敷きワラを利用する

イチゴの株が生長して花が咲き始めたら、黒マルチの上にワラを敷いておくことをおすすめします。あとで実が垂れ下がっても、ワラが“座布団”になって傷む実が出にくくなります。
花が咲いて実がつき出す頃からは、水やりに気を配ります。水が足りていれば、光合成が盛んに行われて、大きくて甘い実をつくることができます。
無農薬の露地栽培では、ハチやアブなどの訪花昆虫が多く集まります。受粉は自然任せで大丈夫。花が咲けば自然に形の整ったイチゴの実が育ちます。また、2月中に花が咲くことがありますが、訪花昆虫も少ない時期で実になりません。早い時期の花は摘んで捨てましょう。

花が咲いたら水やりをして光合成を助け、実を大きく甘く育てます。雨で土がほどよく湿っていれば、水やりは控えます。与えすぎは根腐れの原因になります。

収穫前や収穫中に伸び出すランナーはこまめに切り取ります。クラウン部分でランナーの根元をかき取ってください。

収穫

赤くなったら順次収穫水やりで次の実を育てる

第1花房の実が採り終わると、第2花房、第3花房と順番に収穫が続きます。長く収穫を続けるため、2週間に1度のペースで追肥をします。油かすと骨粉を1対1の割合で混ぜ、1株あたり約10gを植え穴から追肥し、土が乾いていたら水を植え穴にたっぷり注いでおきます。

ハサミで果柄を切り離すか、果柄に爪を立ててちぎって収穫します。完熟イチゴは驚くほど香りが良いです。

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花が咲いてから約40日が収穫の目安です。ヘタが反って、真っ赤に熟したイチゴから順番に収穫します。鳥害が出るようなら防鳥ネットで畝を覆います。

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白いイチゴは、開花後の日数を目安に、ヘタの反り返りで収穫時期を判断します。

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傷んだ葉、虫に食われた実、ランナーなどを処分しながら、収穫を続けます。