全モデルにVSAを標準装備。空力性能を高めたモデル「TYPE S」を追加。

S2000 / S2000 TYPE S2007年10月発表

2001年にサスペンションの熟成、2003年には17インチタイヤの採用とボディ剛性の向上、それにあわせたサスペンションチューニングとブレーキ性能の進化を行ってきたS2000。これらにより、レスポンスに優れたハンドリングはそのままに、コーナリング時の限界性能とスタビリティーを高め、よりしなやかな乗り心地を実現して走りの質を高めてきた。
そして今回、VSAを全タイプに標準装備することで安心感を高め、走りの楽しさをさらなる高みへと導いた。リアルオープンスポーツのVSAということで、開発チームは特別な想いでセッティングを施している。過酷な走りでクルマを鍛える北海道・鷹栖プルービンググラウンドにおいて限界走行時の作動フィールを徹底追求。限界域でじわりとリアが滑り始めたとき、穏やかにそれを抑制する、走りの楽しさをスポイルしないVSAをつくり上げた。
より安全で楽しくなったS2000の走りをベースに、空力性能で操る喜びを高めたのがTYPE Sである。空力を利用して車体のリフトを抑え、タイヤの接地圧を高めて前後のグリップバランスを最適化。より高いレベルでの旋回を可能とした上で、フロントは回頭性を高めるシャープなセッティングを実施。低速から高速域まで全域でコントローラブルな走りの喜びを味わえる、S2000の完成形ともいうべき走りを実現した。
この進化を最後に、S2000は2009年6月で生産を終了。約9年間で、国内累計2万台、全世界累計11万台以上をオーナーのもとへと届けた。

  • 洗練された雰囲気が漂うS2000のコクピット。サテライトスピーカーが全タイプに標準装備された。外観では、アルミホイールのデザインが新しくなった。

  • 空力性能を活かして走りの高さを深化させたTYPE S。思えば、NSXも空力操安を謳った2代目TYPE Rで幕を閉じた。深化の最終段階は空力による性能向上なのだろう。

  • 専用ファブリックでホールド感を高めたTYPE S専用のシート。ブラック&イエローのカラーも専用。球形のアルミシフトノブが、2代目NSX-Rを彷彿させる。

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2.2Lにエンジンを排気量アップしDBWを採用。日常での走りの質感を高めるべく進化を遂げた。

9,000rpmという高回転まで回る2.0L DOHC VTECエンジンを積んでいたS2000が、そのテイストを洗練させる進化を遂げた。低・中回転域から力強いトルクを発生する2.2Lエンジンを新たに搭載し、自然なアクセルフィールを実現する電子制御スロットルDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用。日常での走りの質感が大幅に高められた。
レブリミットは8,000rpmに低められ、といっても高回転エンジンには変わりはないが、以前と比較するとジェントルな回転フィールとなった。乗りやすくもなり、歓迎するオーナーも多いが、以前の“じゃじゃ馬”なテイストを愛するオーナーが多いことも確かだ。
デザインは、大径であることを強調する新デザインのアルミホイール、ステアリングホイールやセンターコンソールなどのデザイン変更、剛性を高めるためのシート形状の変更などが行われている。シックなブラウンのインテリアカラーも追加。メーターに外気温の表示が追加された。発売6年目でS2000はさらなる洗練の進化を遂げた。

  • 2.2L DOHC VTECエンジン。内径×行程は87.0×90.7。内径をキープして行程を6.4mm伸ばし、1,997cm3から2,156 cm3へと排気量アップされた。最高出力は、250PS/8,300rpmから242PS/7,800rpmへ。最大トルクは、22.2kg・m/7,500rpmから22.5kg・m/6,500~7,500rpm となった。エンジンには、ゴールドのヘッドカバーが施された。

  • 外気温が追加されたメーター。レッドゾーンが8,000rpmからに変更されている。

  • ステアリングホイール、センターコンソールのデザインがしっとりと大人の雰囲気をたたえている。

  • 2.2L DOHC VTECエンジン。内径×行程は87.0×90.7。内径をキープして行程を6.4mm伸ばし、1,997cm3から2,156 cm3へと排気量アップされた。最高出力は、250PS/8,300rpmから242PS/7,800rpmへ。最大トルクは、22.2kg・m/7,500rpmから22.5kg・m/6,500~7,500rpm となった。エンジンには、ゴールドのヘッドカバーが施された。

  • 外気温が追加されたメーター。レッドゾーンが8,000rpmからに変更されている。

  • ステアリングホイール、センターコンソールのデザインがしっとりと大人の雰囲気をたたえている。

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タイヤ&ホイールの17インチ化とボディ剛性強化サスペンションチューニングにより走りの質を向上。

S2000が、先進の環境・安全性能を実現したリアルオープンスポーツという希有な存在であることは発売後4年経っても変わりはない。その孤高のS2000が、再び基本性能の進化を遂げた。
前:215/45R17 87W、後:245/40R17 91Wと、専用設計の前後異幅タイヤを従来の16インチから17インチへと大径化。フロントとリアのサイドフレーム間をつなぐパフォーマンスロッドの追加や各結合部の強化によりボディ剛性を高めた上で、サスペンションは、リアのアッパーアームのブッシュ容量アップやスプリング、ダンパー、スタビライザーの新規設計、リアサスペンションのジオメトリーの変更によりロール高を下げるなどのチューニングを実施。
ドイツのニュルブルクリンクに匹敵する過酷さを実現した北海道・鷹栖プルービンググラウンドで徹底的に走り込み、限界性能を高めるとともにコントロール性能の質を高め、よりフラットな乗り心地を実現しクルマとの一体感を高めている。
17インチ化にともないアルミホイールのデザインも刷新、ヘッドライトとリアコンビネーションランプ、前後バンパーのデザインも変更し、よりワイドで低重心なスタンスとスポーツカーとしての力強さを表現。インテリアもセンターコンソールやオーディオリッド、メーターのデザインなどを新たにした。

  • 17インチ化され新しくデザインされたホイールとリアコンビネーションランプ、バンパーまわりのデザインが変わるだけで、より力強く洗練された雰囲気が漂う。

  • シルバーのオーディオリッドとセンターコンソールが目立つ。ステアリングホイールの中央部のデザインも変更され、Hマークが大きくなっている。

  • ブラック/レッドのコンビネーションカラーの本革シート&インテリアも追加された。

  • 17インチ化され新しくデザインされたホイールとリアコンビネーションランプ、バンパーまわりのデザインが変わるだけで、より力強く洗練された雰囲気が漂う。

  • シルバーのオーディオリッドとセンターコンソールが目立つ。ステアリングホイールの中央部のデザインも変更され、Hマークが大きくなっている。

  • ブラック/レッドのコンビネーションカラーの本革シート&インテリアも追加された。

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ゴールドピンストライプ付専用ボディカラー、専用タン内装を組み合わせた「ジオーレ」を追加。

一歩一歩進化を続けるS2000に特別仕様車として発売されたのがこの「ジオーレ」である。
エクステリアの専用色は、写真のダークカーディナルレッド・パールとローヤルネイビーブルー・パール。いずれにもボンネットからリアフェンダーにかけてゴールドのピンストライプが入れられている。ドアミラーはクロームメッキ仕上げとなり、BBSの鍛造アルミホイールはゴールドに塗られた。インテリアは、上質なキルティング加工が施された専用タン色の本革シート、ドアライニングパッドとセンターコンソール。さらに洗練された大人の雰囲気を湛えた特別仕様車である。ジオーレとは、「喜ぶ・楽しむ」という意味のイタリア語だ。

  • ジオーレのリアショット。乗り込むファッションにも気を遣いたくなる雰囲気。

  • キルティング加工されたシートやドアライニングにより、グッと粋な雰囲気が漂うジオーレのコクピット。

  • ジオーレのリアショット。乗り込むファッションにも気を遣いたくなる雰囲気。

  • キルティング加工されたシートやドアライニングにより、グッと粋な雰囲気が漂うジオーレのコクピット。

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サスペンションの熟成、装備と内装の質感向上とカスタムカラープランの導入。

「スパ・ピタ・ヒラリ」・・と、レスポンスに優れたハンドリングを追求して登場したS2000のスタビリティーを高めるべくサスペンションを熟成。あわせて、タイマー付熱線入りガラスのリアウインドウ、アルミ/本革巻コンビシフトノブ、アルミフットレスト、センターコンソールボックス(ロック付)、ウインドディフレクター(可倒式)、サイドドアネットを標準装備したモデルへと進化。
より魅力的なリアルオープンスポーツとなった。ウインドディフレクターの風の巻き込み抑制効果は高く、走行中に髪の乱れを従来より抑えてくれる。経年劣化しやすいリアウインドウがガラスになったこともうれしい進化だろう。
さらに、13の外装色と5パターンの内装色と素材の組み合わせにより、自分好みの一台に仕上げるカスタムカラープランが登場。さらにスポーツカーとしての楽しみの幅を広げた。

  • リアの視界を向上させ、経年劣化を抑える熱線入りガラスリアウインドウ。

  • 風の巻き込みを抑え、透明でスッキリとしたデザインのウインドディフレクター。

  • かなり派手な色も設定されたカスタムカラープラン。写真は、プレミアムカラーのニューイモラオレンジ・パール。

  • リアの視界を向上させ、経年劣化を抑える熱線入りガラスリアウインドウ。

  • 風の巻き込みを抑え、透明でスッキリとしたデザインのウインドディフレクター。

  • かなり派手な色も設定されたカスタムカラープラン。写真は、プレミアムカラーのニューイモラオレンジ・パール。

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フォーミュラカー感覚のハイレスポンスと楽しさに満ちたハンドリングを実現する 「type V」。

リアルオープンスポーツの新しいドライビングプレジャーを実現すべく、世界初のステアリング機構「VGS」を搭載したtype Vが登場した。「VGS」とは、車速応動可変ギアレシオステアリング機構のこと。Variable Gear ratio Steeringの頭文字である。
低・中速ではハイギアレシオとなり、フォーミュラカーのようなクイックなハンドリングが楽しめる。また、コーナー途中で切り増しが必要な場合などにステアリングを大きく切る場合、切り込むほどにクイックなレシオとなり、切り増しの操作感が向上。万一の際の回避ステアリングもしやすく安全性向上にも寄与する。一方で、高速道路でのレーンチェンジ時などは、ローレシオとなって安定した操作が可能となる。
この「VGS」と合わせ、シャシーも専用セッティングしている。ダンパーおよびスタビライザーをコーナリング時の車体内側のリフトを抑えるセッティングにするとともに、トルクセンシングタイプのLSDの駆動力配分比率を専用セッティングしハイレスポンスなハンドリングに対応。旋回時のロール姿勢変化を抑え、操縦安定性を高めている。デビューから1年あまりで、S2000は新たな楽しさに挑んだ。

  • type Vのコクピット。舵角の少なさを主張する下側が平らなステアリングホイールがトレードマーク。この時代はまだ“丸くない”ステアリングホイールは珍しい存在だった。「VGS」のロゴが輝いている。

  • ラック&ピニオンの、ピニオンギアを動かすシャフトのステアリングホイール中心軸からの距離を、VGSモーターで変化させることにより、同じ舵角でのラックギアのストロークを変える仕組み。世界初の車速応動可変ギアレシオステアリング機構である。

  • type Vの発売にあわせて、すべてのボディカラーにオプション設定されたレッドの本革シート。

  • type Vのコクピット。舵角の少なさを主張する下側が平らなステアリングホイールがトレードマーク。この時代はまだ“丸くない”ステアリングホイールは珍しい存在だった。「VGS」のロゴが輝いている。

  • ラック&ピニオンの、ピニオンギアを動かすシャフトのステアリングホイール中心軸からの距離を、VGSモーターで変化させることにより、同じ舵角でのラックギアのストロークを変える仕組み。世界初の車速応動可変ギアレシオステアリング機構である。

  • type Vの発売にあわせて、すべてのボディカラーにオプション設定されたレッドの本革シート。

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先進の環境・安全性能を備えた 前例なきリアルオープンスポーツ。

究極の一体感を味わえ、リアルオープンスポーツと呼ぶにふさわしい高い運動性能をオープンボディにおいて実現すること、先進の環境性能と安全性能を両立させることに挑んだのがS2000である。一見当たり前のことに思えるが、従来のオープンカーが目を向けなかった開発テーマなのだ。
オープンボディだからクローズドボディより重くて剛性が落ちるという常識に挑みながら、軽快なハンドリングのためにほとんどフォーミュラカーのようなデザインにしたり、FRPなどを採用した軽量化も行わない。量産車メーカーとして先進の環境・安全性能はきっちりと確保したリアルオープンスポーツをつくる。まさに世の中に“ないものをつくる”ことに挑んだのがS2000なのだ。
その突破口を開いたのが、ハイXボーンフレーム構造という独自の新骨格。フロアトンネルをメインフレームとするこの専用ボディで、クローズドボディ同等以上のボディ剛性を実現。その革新的なボディに、Hondaの元F1エンジニアが生み出した、最高出力250PS、リッター当たり125PSという当時として量産エンジン世界最高峰の高出力を実現した新開発の2.0L 4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。ダイレクトなハンドリングのために、エンジンをフロントアクスルの後方に置き、その他重量物を重心近くに集めるFRビハインドアクスルレイアウトを採用。NSX同様インホイールタイプの前後ダブルウイッシュボーンサスペンションの横剛性を高めてコーナリングパワーの立ち上がりレスポンスを向上させた。開発時のハンドリングイメージワードが“スパ・ピタ・ヒラリ”。コーナーでスパっとターンインし、ピタっとオンザレールで旋回し、ヒラリと立ち上がっていく。人とクルマの一体感を、先進の環境・安全性能を確保したオープンカーで極限まで追求した、新たな価値を持つ、世界一を明確に追求したまさにHondaらしいクルマである。

  • オープンボディでクローズドボディ同等の剛性を実現するという快挙を成し遂げたS2000。オープンモデルは、ベースとなるクーペボディを変更するなど汎用開発が多いが、S2000は完全に専用開発のボディで常識破りの高剛性を実現したのだ。

  • S2000のスケルトンイラスト。エンジンがフロントタイヤ後方にレイアウトされていることがわかる。その他にも、バッテリー、スペアタイヤ、燃料タンクといった重量物を前後車軸間に配置することで大幅な慣性ヨーモーメントの低減を実現した。

  • フォーミュラカーをイメージさせるデジタルメーター、エンジンスターターボタン、ゼロオフセットの360φ小径ステアリングホイール、アルミ削り出しシフトノブなど、エキサイトメントと操作性を徹底して追求したコクピット。

  • オープンボディでクローズドボディ同等の剛性を実現するという快挙を成し遂げたS2000。オープンモデルは、ベースとなるクーペボディを変更するなど汎用開発が多いが、S2000は完全に専用開発のボディで常識破りの高剛性を実現したのだ。

  • S2000のスケルトンイラスト。エンジンがフロントタイヤ後方にレイアウトされていることがわかる。その他にも、バッテリー、スペアタイヤ、燃料タンクといった重量物を前後車軸間に配置することで大幅な慣性ヨーモーメントの低減を実現した。

  • フォーミュラカーをイメージさせるデジタルメーター、エンジンスターターボタン、ゼロオフセットの360φ小径ステアリングホイール、アルミ削り出しシフトノブなど、エキサイトメントと操作性を徹底して追求したコクピット。

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