初代NSXを知るオーナーが語る、新型NSX

初代NSXを知るオーナーが語る、新型NSX

1年に1回のNSXの祭典「NSX fiesta」。2世代のNSXのオーナーが日本中から集うイベントが、去る2018年10月14日に行われた。
新型のデビューから2年。初代NSXを知るオーナーは、新型NSXに乗ってどのように感じるのだろうか。初代を経て新型を所有するに至ったオーナー、イベント内の試乗プログラムでテストドライブを楽しんだ初代オーナーに話を聞いた。

想像と、実際の乗り味の違いは?

「新しいクルマだけに、こうして今日乗ってみるまでは、トータルの完成度がどれくらいのレベルなのか想像のつかない部分はあったんですよね」と話すのは、初代モデルのオーナー。5年ほど前に、長年憧れ続けてきたNSXを入手。走る、曲がる、止まる、クルマの走りすべてに貫かれる「ダイレクト感」を日々楽しんでいる。加速、シフトチェンジ、ブレーキング……全身でクルマの動きを感じながら走ることで、自分でも運転が上達したのを感じているという。

「メカニズムが大きく異なりますし、ドライビングフィールは確かに違いました。ただ、どんな乗り味なのか気になっていたSPORT HYBRID SH-AWDはスーパースポーツにおいて前例の無いメカニズムでありながら乗り手に違和感を与えず、きちんと完成の域に達しているところに感銘を受けました。これからの進化も楽しみに見守っていきたいですね」

「実際にハンドルを握ってみると、想像とは全然違う」というのは、多くの方から聞こえた言葉だ。こちらも初代NSXオーナーの言葉。
「先導走行だったので、それほどスピードレンジは高くなかったにせよ、『こんなにラクにサーキットを走れるんだ』という驚きがありました。もちろん、『全身の感覚を研ぎ澄まして走る』のは初代モデルの魅力ですが、この快適さはアリだと思いますし、他にはない独自の世界観ですよね」

初代を経て、新型モデルを手にした方にもお話を聞いてみた。新型でNSX fiestaに参加するのも今回で2回目。すでにまとまった距離を走行しているという。
「初代NSXの『TYPE S』を手放してから10年ほどブランクは空きましたが、新型が登場後すぐに手に入れて今に至ります。初代もデビュー後すぐより、時間が過ぎてからの方が評価が高まっていったように記憶しています。私も新型は『学習中』ではっきりしたことは言えませんが、まだまだこのクルマには私の知らないたくさんの可能性が眠っている気がします。乗れば乗るほど理解が深まっていく。新型も、初代と同じくらい魅力的なクルマですよ」

2台のNSXの共通点

片や軽さを武器にしたライトウエイトスーパースポーツ。片やハイブリッドシステムを搭載した、最新鋭のスーパースポーツ。ハードウェアとしての成り立ちは大きく異なるが、意外にも多かったのは「乗ってみるとNSXらしさを感じる」という声だ。
「外から見ると、明らかに初代より大きくなったのがわかります。この大きさはちょっと懸念材料だったのですが、走ってみると重さも感じませんし、想像以上にクルマとの一体感があって安心しました」。
初代NSXのクーペとタイプRを乗り継いだというオーナーはそう話す。
「クーペとタイプRも、乗ってみればまったく別のクルマでしたが、目指す方向は同じでした。新型と初代は、技術的な共通点はほとんどないにも関わらず、乗り味には不思議と共通するものがあるように思います。作り手の意志がそうさせるのでしょうかね」

シビックやCR-X、S2000など、歴代Hondaスポーツを乗り継いできたオーナーから聞かれたのは、エンジンフィールについての共通点。
「エンジン回転がトップまで軽く回りきる感じ、加速のときに感じる盛り上がり感というかワクワク感というか……は、紛れもなくHondaのエンジンのそれでした。ターボもモーターもついているし、実際に乗ってみるまではどんな乗り味なのかまったく想像がつかなかったのですが、ここにもHondaの味がきちんと残されていてよかったです」。

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