VTECとHondaエンジンの30年Vol.3 潜入!「VTECロッカーアーム製造工場」
アッセンブリー工程でVTECロッカーアームが完成
加工の終わったロッカーアームの向かう先が、「アッセンブリー」工程です。ローラーやスクリューなどを取りつける「サブアッシー」工程と、それらを組み合わせて最終的な完成形とする「メインアッシー」工程に分かれており、最新のアッセンブリーラインでは、このふたつを連続して行うことができます。ラインの中では、組み上がったすべてのロッカーアームに油圧をかけてVTECの作動を確認。作業は細かい塵やごみが混入しないよう、透明な囲いの中で行われています。
高精度な組立を行う上で、細かい塵やごみは大敵。透明な囲いで覆われ、クリーンな環境で作業が行われます。
カムと接する部分に取りつけられるローラーベアリング。
ローラーベアリングの取り付け。シャフトを圧入する際には、機械の荷重やストロークを緻密に調整し、均等に力が加わるようにコントロールされています。
加工の終わったロッカーアームが串刺し状態で並ぶ「ストッカー」。
VTECのピンを挿入しているところ。
ロッカーアームの間に挟み込まれるワッシャーも、挿入し忘れが起こらないよう、組み合わされた状態での高さを計測することで検品を行っています。
完成したロッカーアームに油圧をかけて、VTECの動作を確認しているところ。高精度部品の為、全数検査をしています。
最後は丁寧にチェックを受け、Hondaのエンジン工場へと出荷されます。
次回は、VTECロッカーアームの生産を行う田中精密工業のエンジニアと、Hondaのエンジン開発者による「VTEC談義」をお送りします。ここでしか見られない、ディープでマニアックな話題を、どうぞお楽しみに。