
2024年6月9日(日)。NSXオーナー開催のイベント「NSX Meeting In TAKASU 2024」を訪ねました。このイベントは、NSXオーナーズ・ミーティング※参加者を中心としたオーナーのみなさんが、北海道・鷹栖プルービンググラウンドで開催したミーティングです。九州から北海道まで、各地から74台のNSXと138名が参加しました。※ NSXオーナーズ・ミーティングは、1991年に鈴鹿サーキットで始まり、モビリティリゾートもてぎも含めて現在も開催し続けている、セーフティドライビングのスキル向上を目指すNSXオーナーのためのドライビングミーティング。
Hondaスポーツモデルの聖地“鷹栖”に集う
Hondaのテストコースである鷹栖プルービンググラウンドでのNSXオーナーのミーティングは、2000年にNSX誕生10周年を記念して開催された「NSX in TAKASU」が最初です。鷹栖プルービンググラウンドは、東京ドーム167個分に相当する広大な敷地に、ニュルブルクリンクをモデルとしたワインディングコースをはじめ、アウトバーンを想定した高速周回コースやロサンゼルスの坂道を再現したUSコースなど、世界各地の道路環境が数多くレイアウトされたコース。世界に通じる性能と品質を与えるためにHonda車を“鍛える道”であり、初代NSXを起源とする、いわばHondaスポーツモデルの聖地ともいえる場所です。そのため、当時に開催した「NSX in TAKASU」は、NSXオーナーズ・ミーティングに何年も通ってセーフティドライビングの経験を積み、サーキットでも長年にわたって周回を重ね、講師に多くのアドバイスを受けてきたドライビングスキルの上級者を対象として開催されました。
(NSX名場面集 VOL.5/NSX Press VOL.25 イベントレポート)その後、「NSX in TAKASU」の参加者を中心に、“もう一度鷹栖を走りたい”との思いから、NSXオーナーと特別講師の黒澤 元治氏が主催者となり、Hondaがコースの安全管理・運営のサポートを行って鷹栖でのミーティングが開催されました。今回の「NSX Meeting In TAKASU 2024」では、ワインディングコースの体験走行を行うコース、パレード走行を行うコース、参加者自身での走行は行わずインストラクターのNSXへの同乗走行を行うコースの3種があり、走行を行うコースに参加されるオーナーは、NSXオーナーズ・ミーティングで経験を積んだ方が対象で、特にワインディングコース体験走行は、特別講師の黒澤氏が認めた、ドライビングスキルの高い方が対象となっています。
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ワインディングコース体験走行
ワインディングコース体験走行は、Honda社内のドライビングライセンスで、最高峰のクラスを持つインストラクターによる先導形式。先導車1台につき参加者のNSXを最大3台とし、インストラクターの走行ラインが、より的確にドライバーに伝わるよう、1組を少人数構成としています。参加するオーナーは、NSXオーナーズ・ミーティングで長年経験を積んでいるため、規律正しい安定した走行を楽しんでいました。
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鷹栖の主要コースを体験できるパレード走行
パレード走行を行うコースは、高速走行テストを行う高速周回コース、ダイナミック性能を鍛えるワインディングコース、ヨーロッパの道を実際の路面の材料などを使って再現したEU郊外コースの3つのコースを、自身のNSXに乗ってゆっくりとしたペースで走行。Honda車の走りを鍛える鷹栖プルービンググラウンドがどのような“鍛える道”なのかをじっくりと体験できます。
パレード走行を行うNSXがワインディングコースにやって来ると、ワインディングコース体験走行で走行待ちをしていたベテランオーナーたちが、温かく手を振ってパレード参加者たちを迎えていました。参加者もその歓迎に満面の笑顔で応えます。パレード走行を行った参加者に話を伺うと、「先輩たちが、“早くこっちへ来いよ”って、僕たちを温かく受け入れてくれているようで、感激して涙が出そうになりました」と語っていました。-
ワインディングコースの同乗走行体験
最後が同乗走行体験コース。参加者自身は走行を行わず、ワインディングコースの走行を先導するインストラクターのNSXに同乗します。走りの喜びを追求するHonda車としてふさわしいダイナミック性能を極めるテストコースで、さらにHonda最高峰のライセンスを持ち、走行テストを行うほか社内のドライバー育成を行うインストラクターの運転するNSXの助手席に乗れるという、きわめて貴重な体験です。「普段、主人が運転するNSXの助手席に乗ると、上体が前後左右に振られるのですが、インストラクターの横に乗ると、速く走っていても、優雅にダンスしているみたいにスムーズに身体が動くので快適でした」と、インストラクターのドライビングスキルを賞賛する声も聞かれました。インストラクターは、速く走りながらも、Gの変化を穏やかにして、タイヤの能力を引き出すドライビングをしているのでしょう。インタビュー行っていて、“安全に楽しく”走るための、スキルアップの参考になると思いました。
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Hondaのテストコースを、しっかりと安全管理を行った上で走行するという特別な体験を楽しむイベントでしたが、現場で強く感じたのは、オーナーのみなさんのNSXに対する深い愛着と、オーナー同士の温かな連帯感です。NSXというクルマを通じて知り合い、長い時間をかけて絆を深めてきた参加者たちと、長年の夢が叶ってNSXをようやく手に入れて参加している新しいオーナーたちが、すぐに打ち解け、和気あいあいと盛り上がる雰囲気。いい空気が流れるコミュニティーができていると感じました。
「NSXを所有して、普段出会うことのない人たちと出会い、好きなNSXについて語り合う。NSXも素晴らしいのですが、一番の財産はNSXを通じて知り合った友人です」
参加者のみなさんは、異口同音にそう語ります。また、NSXオーナーズ・ミーティングを通じ、30年以上にわたってさまざまなことをオーナーのみなさんに伝授し、鷹栖でのミーティング開催という貴重な機会の実現に関わった特別講師の黒澤 元治氏への感謝も多くの参加者から聞かれました。
「NSX Meeting In TAKASU 2024」。まさに、参加者の喜びと笑顔に満ちたイベントでした。