MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2004年12月号
traffic advice
埼玉・鈴鹿フォーラム報告
Hondaは「人間尊重」という企業理念のもと、「人」に焦点をあてた、「手渡しの安全活動」、危険を安全に体験する「参加体験型の実践教育」を継続的に行っています。この活動が安全意識の向上など、事故予防の大きな力になると考えてきたからです。安全運転普及本部は2004年もまた、「より豊かなモビリティ社会の実現」というビジョンとともに活動を展開しました。

 全国の販売拠点を通して
 Hondaのお客様の安全を守る教育・啓発活動

四輪販売店が行うスクールや講習会は年間5000回を超す開催数に達している
 今年の大きな目標は、四輪販売店の全拠点が、地域の交通安全の拠点として、もれなく安全活動を展開することにありました。「レインボーディーラー制度」は、Hondaが発足させたもので、レインボーディーラーとは「安全ミニ講習会」の開催など、安全運転普及の活動が一定基準を満たした四輪の販売店に与えられる資格です。2004年には全国約2400ヵ所ある四輪販売店のほとんどがこの資格を取得しました。
 また、Hondaの二輪販売ネットワークの1つであるドリーム店でも新しく「セーフティサポートディーラー制度」がスタートします。

 各世代の交通参加者の安全を守る活動

交通教育センターでの取り組み
 全国8ヵ所の交通教育センターでは、社会を担う「青年・成人層」運転者や指導者を対象にした交通安全教育を全国に展開する活動の核となっています。
 最近はさらに、地域社会の交通安全の基地となることが交通教育センターに求められています。小学校の児童から大学生、高齢者を対象にした、歩行者、自転車、二輪車、四輪車およびその同乗者など、交通手段別の交通安全教育プログラムの開発や講習会開催などの活動も広がりをみせています。

鈴鹿市の小学校を中心に「あやとりぃ」は活用されている
地域や業界との連携
 三重県鈴鹿市に設立した「鈴鹿モビリティ研究会」の活動は、地域密着型の、年代別交通安全教育に取り組むモデルケースになっています。この研究会は鈴鹿市の小学校の全面的な協力を得て、小学3、4年生向けの交通安全教育プログラム「あやとりぃ」をはじめ、幼児向け「あやとりぃ ひよこ編」、小学生向け「あやとりぃ 自転車編」を開発しました。
 今年は「あやとりぃ」をより教育効果の高いものに一新。子どもたち自らが危険を予測して行動する能力を身につけてもらうため、相手の動きを予測させ、事故に遭わないためにはどうすれば良いかなどを考えさせる内容となりました。また、発展学習として自転車での交差点の渡り方や危険予測の内容も盛り込まれました。
 業界の取り組みとしては、(社)日本自動車工業会が進める高校教育の中で、自転車、二輪車、四輪車と体系的な交通安全教育を提案する活動に参加。そこでは、学識経験者で組織された委員会を中心にして教材を開発し、高校での試行を経て完成させ、普及させる試みを行っています。

免許保有者向け教育の指導力アップへの協力
自動車教習所教習指導員の自己研鑽、教習所間の交流促進を目的として、2001年より「全国自動車教習所教習指導員安全運転競技大会」を行っています。教習指導員の代表が一堂に会し、切磋琢磨しあうこの大会は、指導者としての意識を高め、免許保有者教育など、教育の質の向上につながることが期待されています。


 活動のクオリティアップ施策

Hondaグループの安全教育指導者が高いレベルの安全運転技術を競うセーフティジャパンインストラクター競技大会
Honda各部門指導者の教育水準向上
 指導者の養成は、安全運転普及本部と全国8ヵ所の交通教育センターが担い、販売拠点(二輪、四輪、汎用)はもとより、研究所や製作所など、Hondaグループの安全教育指導者の養成に全力をあげて取り組んでいます。今年8回目となった「セーフティジャパンインストラクター競技大会」を安全教育指導者のレベルアップを図る重要な場として位置づけ、広く国内外の関係者に参加を求めています。

Hondaの教育プログラムの研究開発と提供
 生涯教育の観点では、「鈴鹿モビリティ研究会」が今年、高齢の歩行者・自転車利用者向け「あやとりぃ 長寿編」の教育プログラムを開発し、来年の本格的な展開をめざして試行中です。
 この他、交通教育センターでも、「障害者の歩行者体験授業」(小学生向け)をはじめ、相互理解の視点をもった教育プログラムが開発、実施されています。


 海外の安全運転普及活動の拡大

マレーシアでの安全運転普及活動
 モータリゼーションが急速に進むアジアでは、すでに中国、インド、インドネシアなどの国で安全運転普及活動の準備を終え、販売拠点での普及活動を始めました。
 また、新しい試みとして、ドイツ自動車連盟ADACと共同で、ライダーに対する実践教育をスタートさせました。
 今年は新たにドイツの他に、トルコ、マレーシア、韓国、ネパールの5ヵ国が安全運転普及活動の準備に入りました。



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