MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2004年11月号
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自らの能力と行動特性を知る

2002年4月にレインボーディーラーが発足し、約2年半。直接、お客様の安全を守る手渡しの安全活動から始まり、子どもから高齢者まで交通事故防止に寄与するレインボーディーラーの活動は、安全ミニ講習会※1、ドライビングスクール※2を中心に展開されています。全国各地で年間5000回を超す開催数に達しているスクール、講習会にスポットを当て、進化するレインボーディーラーの活動を伝えます。

※1 安全ミニ講習会=比較的やさしいトレーニングで、より日常運転に役立つ安全指導項目を中心に行う講習会
※2 ドライビングスクール=安全実技トレーニングで、安全ミニ講習会で行う安全指導項目に加えて、日常の運転で体験することは少ないが、万一に備えて「安全な状態」でぜひ体験しておきたい安全指導項目を合わせて行うスクール

 ホンダベルノ大阪 セーフティドライビングスクール(10/4)
廣岡昌一・法人営業課課長が寝屋川市の「ヒヤリマップ」について説明しました
 ホンダベルノ大阪は2000年12月から隔月でセーフティドライビングスクールを実施しており、今年5回目になるスクールを10月4日(月)、茨木ドライビングスクールで開催しました。参加者は、初心者の女性12名、ペーパードライバーの女性1名、男性1名の計14名。冒頭に、廣岡昌一・ホンダベルノ大阪法人営業課課長が参加者に寝屋川市の「ヒヤリマップ」を配り、新聞記事を引用して、身近なところで事故が起きていることを説明し安全運転を呼びかけます。「ヒヤリマップ」作成活動はレインボーディーラーの新たな取り組みとして、お客様の情報から地域の事故やヒヤリとした箇所を地図に反映して作成し、お客様の地域で安全で快適な情報をフィードバックしようというものです。
 この日の指導スタッフは参加人数と同じ14名。マンツーマン指導はこのスクールが守ってきた大きな特色です。参加者を担当している営業スタッフが教えることで、お客様が安心感を持ち、スタッフ自身も実践的なアドバイスのポイントをつかむことができるメリットがあるといいます。このほかにも、スクールの特色として、女性の参加者が多いことなどに対応して、送迎車や託児体制を用意したり、カリキュラムにクルマの死角確認を入れているなどがあります。
 午前中のカリキュラムは、運行前点検、運転姿勢、死角、慣熟走行。午後は車庫入れ・縦列駐車、スキッド走行体験、坂路発進・発炎筒体験・慣熟走行を3班に分かれて交代で実施します。1時間30分と最も時間をかけているのは、女性の初心者が苦手とする車庫入れ・縦列駐車です。
 ホンダベルノ大阪のスクールは、4年間継続してきた実績を踏まえて、当初からのノウハウをさらに磨き上げるとともに、参加者のニーズなどの変化に対応した、新たな工夫を加えてきました。「継続は進化なり」が、ベルノ大阪のお客様本位である安全活動の特長を表しています。廣岡課長が、さらなる進化として考えている課題は次の2点です。
(1)今は、既納客とその家族を対象に基本的に1回限りの参加で行っているが、1度受けたお客様も対象にワンランクアップしたスクールも実現したい。
(2)福祉車両も含めて、高齢者の方を対象とするスクールも開催したい。

 ホンダプリモアクール浜松 安全ミニ講習会(10/10)
参加者全員がタイヤ交換やブースターケーブルのつなぎ方を体験
 10月10日、台風22号がここ東海地方と関東を直撃した翌日曜日の午後1時。ホンダプリモアクール浜松初生店で、安全ミニ講習会が開かれました。ホンダプリモアクール浜松は昨年9月、グッドレインボーディーラーの認定を取得し、今年1月から定期的に活動を開始。毎月、第2日曜日に前月、クルマを同店で購入されたお客様を中心に安全ミニ講習会を行っています。購入後の初回点検の機会に、クルマの点検と同時に運転の点検も行おうという試みです。
 この日のお客様は6組。ご夫婦と子ども連れがほとんどです。最初は店内の会議室で座学講習。続いて、万一事故が起こってしまった時の対応について、講習会の推進責任者である鈴木幸治専務が説明します。運行前点検についての知識を学び、今回が初めての試みとなるKYT(危険予測トレーニング)に入ります。
 会議室を出て、外の駐車場に移動。運転姿勢、車両感覚、子どもを守るポイントの3つを1台のクルマを使って順番に全員体験していきます。さらに、駐車場からサービス工場に移動して、緊急時の対応を学びます。
 ホンダプリモアクール浜松がいま、最も力をいれているのは納車式と安全ミニ講習会です。鈴木専務は、「納車式でも運行前点検の仕方や安全に走るポイントをお客様に伝えます。続いて1か月後の初回点検の時、安全ミニ講習会をセットで行い、実車で体験していただきます。これを最初のステップとすれば、次はどうステップアップしていくかです。例えば、交通教育センターレインボー浜名湖を使って、実際にお客様にハンドルを握っていただくドライビングスクールを開催したり、ABSなどの安全装置を体験していただくこともやりたいですし、同所で開催している『親子でバイクを楽しむ会』で家族を楽しませたいです。将来的には安全教育、安全装置の体験、それと家族で参加する親子でバイクを楽しむ会の3つを柱としてやっていきたいです」と、抱負を語ります。

 ホンダプリモ奈良自販 ドライビングスクール(10/11)
すべりやすい路面でのABS
 10月11日、奈良県ではホンダプリモ奈良自販のドライビングスクールが開かれました。2002年4月のレインボーディーラー発足当初から、運転に自信がないお客様を対象に年2回のドライビングスクールと各拠点で3ヵ月に1度の安全ミニ講習会を実施しています。
 10時半、スクール開校。運行前点検・運転姿勢の講習。8人の参加者一人ひとりにセーフティコーディネーターがついてアドバイスをします。セーフティコーディネーターによるマンツーマンでの指導がこのスクールの基本です。
 「指導しやすく、気配りできる人数のお客様をマンツーマンで教える。それがホンダプリモ奈良自販のドライビングスクール」だと、チーフセーフティコーディネーターの上田洋司サービスマネージャー(本社総務部)は語ります。「スクールはスタッフが目配り、気配りできる15人位まで。多いとお断りすることもあります。スクールを続けられるのは、お客様に喜んでいただけるから。それが次に向かっての励みになります。指導の仕方ではむずかしい話を分かりやすく、日常の会話を入れながらクルマのアドバイスができるように心がけています。スクールの中では、お客様それぞれの経験や状況などとかみあわせながら、アドバイスしていきます。お客様と接する中で、その人の運転の困りごとを聞き出してアドバイスしていきたいと思っています」。安全運転に関わる個々のお客様の困りごとや要望に、1つ1つ具体的に対応していく。これこそ、レインボーディーラーにできる活動といえるでしょう。
 安全活動を通じてお客様、地域との日常のコミュニケーションを深め、お客様に応えるとともに、地域に役立つ安全活動を展開するという姿勢は、ホンダベルノ大阪、ホンダプリモアクール浜松にも共通することです。安全運転普及活動を継続し、さらに進化させるエネルギーは個々のお客様、そして地域との深いつながりから生まれてくるようです。



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