MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2003年10月号
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中国でいよいよ始まった安全運転普及活動

第7回を迎えたセーフティジャパンインストラクター競技大会(9月4〜6日/鈴鹿サーキット交通教育センター)には、海外6か国から21名のインストラクターが参加しました。今回初めて競技に参加した中国と、大会視察に訪れた韓国、パキスタンの交通安全活動を紹介します。


 安全活動でもNo.1をめざす中国
中国・広州市の五羊−本田摩托(以下、五羊ホンダ)が、安全運転普及活動に本格的に取り組み始めた背景には二輪事故の増大がありました。中国では、二輪ユーザーの激増により、事故もまた多発しているのです。五羊ホンダのヤン・ダ・ドン会長によると、90年代末の統計では交通事故の26%が二輪による事故でしたが、2002年にはこの比率が40%になってしまいました。これに伴い、死亡事故に占める二輪の比率も、90年代末の10%に対し、2002年には19%まで上がってきています。
「驚くべき事故の急増の数字を見ますと、Hondaの安全運転普及活動を一刻も早く展開すべきだと考えていました。中国の二輪業界のトップブランドのひとつである五羊ホンダが率先して安全運転普及活動に取り組むべきだと考え、この7月から本格的に動き始めました。その第1歩がインストラクターの養成であり、このインストラクター大会への参加です。第2段階では、取り引きする販売店にインストラクターを派遣して、店のインストラクターと一緒に安全な乗り方のキャンペーンをやりたいと考えています」(ヤン会長)。現実を見極めた着実で力強い安全運転普及活動を、五羊ホンダはめざしています。


 自国での安全運転普及活動をめざすパキスタン

パキスタンのHonda二輪車の生産販売会社であるアトラス・ホンダは、サービスマネージャーのイフティカール・アハメッドさんら2人が視察に訪れました。アトラス・ホンダはHondaの専売店で210の販売店を持ち、社員は800人。視察の目的は、大会を見学し、会場施設やHondaの安全運転普及活動のシステムなどを学ぶこと。アハメッドさんは、「その技術を自国に持ち帰って、パキスタンでも安全運転講習会を実施したい」と語ってくれました。パキスタンではここにきて、二輪の需要が急激に増え、二輪市場が新しい時代に突入した今こそ、安全運転普及活動を始めるに適した時期が到来したと、会社のトップも感じているそうです。


 韓国ではシミュレーターを活用する販売店も

韓国のホンダ・コリアからは、モーターサイクル部門のジェネラルマネージャーのソ・ジョンウンさんら3人が視察に訪れました。ホンダ・コリアは2001年11月に会社を設立し、昨年5月より二輪販売を開始、2004年からは四輪車の販売開始を予定。安全運転普及活動について、「まずは社内で人材を育てて、社員でやることが重要。私たちが実践して、その後、販売店に指導する。韓国での販売計画と合わせて、安全運転普及活動も段階的にやることが大切」とソさんはいう。その一方でホンダ・コリアのソウル店では、Hondaライディングシミュレーターを1台置いて、店頭での安全アドバイスを行なっている。「はじめにシミュレーターを体験していただき、その後、試乗車を使って、社員が直接お客様に乗り方を教えます。場所は駐車場で、狭い所ですが、いい結果が出ています」(ソさん)。


SJ10月号では、このほかにも今回始めて参加した中国選手の競技の模様も紹介しています。
 
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