路外逸脱抑制機能

路外逸脱抑制機能はシステムが車両の車線逸脱の可能性を検知すると、車線逸脱を回避するように運転を支援し警告で知らせる機能です。

警告
路外逸脱抑制機能は、補助システムとして使用してください。路外逸脱抑制機能は、自動運転システムではなく、運転者のハンドル操作に代わるものではありません。あくまでも運転者をアシストするためのシステムです。
 
取扱説明書に従い使用しないと、思わぬ事故につながり、死亡または重大な傷害にいたるおそれがあります。
 
常に周囲の状況を確認し、安全運転を心がけて走行してください。
さらに詳しく
路外逸脱抑制機能は、方向指示器(ウィンカー)を使用しない車線逸脱を検知したときに警告します。
車線区画線(白線や黄線)や車線逸脱を検出できない場合があります。また、天候、速度や路面状況によっては、支援できない場合があります。

フロントガラス上部に装備されているカメラの取り扱いについては下記を参照してください。

路外逸脱抑制機能は、正常に作動しないことがあります。

運転者による操作が行われているときや、路面の状況によっては支援が感じられないことがあります。

繰り返し左記の警告が表示されても、運転者の操作がない場合は、警報音が鳴り支援を中断します。

カスタマイズ機能で「アシストタイミング早め」を選択し、LKAS(車線維持支援システム)を作動させていない場合、車線逸脱の可能性を検知すると以下のメッセージが表示されます。

システムの作動

このシステムは、フロントガラス上部に設置されたカメラによって左右の白線または黄色線を検知し、方向指示器(ウィンカー)を使用せずに白線(黄線)を逸脱したことを判断したとき、作動します。

マルチインフォメーションディスプレイにより警告を行うとともに、ハンドルを短時間振動させることで運転者の操作を促し、さらに逸脱を防ぐ方向にハンドル操作を支援します。

また逸脱を回避するのに大きくハンドル操作が必要なときは、ハンドル操作の支援とともにブレーキ操作の支援も行います。

ブレーキ操作の支援は、検知した線が実線のときのみ行われます。

システムの支援中に運転者が操作した場合は運転者の操作を優先します。

支援中に運転者が操作しなかった場合は左記の警告を表示します。

システムの作動条件

路外逸脱抑制機能は、以下の条件を満たすとき、作動します。

  • 車速が約60 ~100km/hで走行しているとき
  • 直線またはゆるやかなカーブの道路を走行しているとき
  • 方向指示器(ウィンカー)を使用していないとき
  • ワイパーが連続で作動していないとき
  • システムがアクセル、ブレーキ、ハンドルの操作の量と頻度から運転意志がないと判断したとき
さらに詳しく
路外逸脱抑制機能は自動的にOFFになり、路外逸脱抑制機能警告灯が点灯する場合があります。

下記の条件下では路外逸脱抑制機能を抑制しています。
  • 車線内を走行していないとき
  • カーブ内側に、はみ出して走行してしまっているとき
  • 車線幅が狭いとき

システムのONとOFF

路外逸脱抑制スイッチを押して、システムのONとOFFを切り替えてください。
  • システムがONのときは、路外逸脱抑制スイッチのインジケーターが点灯し、マルチインフォメーションディスプレイにメッセージが表示されます。
さらに詳しく
マルチインフォメーションディスプレイを使用してシステムの設定をカスタマイズすることができます。
カスタマイズ機能で「操舵アシストなし 警報のみ」を選択した場合、システムはハンドルおよびブレーキ制御を行いません。

バッテリー再接続後、渋滞追従機能付ACC警告灯とCMBS警告灯、路外逸脱抑制機能警告灯、VSA警告灯、VSA OFF警告灯、ブレーキシステム警告灯(オレンジ)が一時的に点灯する場合があります。
車速20km/h以上でしばらく走行すると消灯します。消灯しないときはHonda販売店で点検を受けてください。

路外逸脱抑制機能の条件と制限

以下の条件では、システムは白線(黄線)を検知できず、システムが正しく機能しない場合があります。

環境の状態によりカメラが正しく検知できない事例

  • 白線(黄線)と道路表面の区別ができないとき
  • 雨、霧、雪などの悪天候のとき
  • 路面に雪が残っていたり湿っているとき
  • 夜明けや夕暮れ時の太陽に向かって走行するとき
  • 強い光が道路に反射しているとき
  • トンネルの出入り口や、木、建物の影などで明るさが変化したとき
  • 雨上がりなどで路面がぬれて光っているときや水たまりがあるとき
  • 白線(黄線)の付近に影が映っているとき(木々、建物、ガードレール、車両など)

道路の状態によりカメラが正しく検知できない事例

  • 車線規制や仮設車線がある区間を走行するとき
  • 道路の修復や古い白線(黄線)のため、かすれや重複、タイヤ痕、さまざまな白線(黄線)が道路にあるとき
  • 交差点や横断歩道など車線の数が増減している区間や車線が複雑に交差している区間を走行するとき
  • 車線の幅が極端に狭いときや広いとき、または変化しているとき
  • 車両などが白線(黄線)の一部を隠しているとき
  • 坂道や、丘の頂上に近づいているとき
  • 段差などにより車両が大きく揺れたとき
  • 路上のもの(縁石、ガードレール、パイロンなど)を白線(黄線)と認識したとき
  • 道路がうねって車線がゆがんで見えるときや先が見通せないとき
  • 舗装されていない道路や荒れた道路を走行するとき
  • 車線が二重に描かれている道路を走行するとき
  • 凍結路や積雪路など滑りやすい路面を走行するとき
  • 分岐・合流路などを走行するとき
  • 雪上路や路上の雪・水溜まりなどで舗装路が部分的に見えているとき
  • 未舗装路やわだちのある道路を走行しているとき

自車の状態によりカメラが正しく検知できない事例

  • ヘッドライトのレンズが汚れて照射が弱いときや光軸がずれているとき
  • フロントガラス外側が汚れ、泥、湿った雪などに覆われているとき
  • フロントガラス内側が曇っているとき
  • ワイパーの拭き残しがあるとき
  • カメラ温度が高温のとき
  • サイズや種類、構造の違うタイヤやホイールを装着していたり、タイヤ空気圧が適切でないとき
  • カーゴスペースやセカンドシート、サードシートに重い荷物を積んで車両が傾いているとき
  • タイヤチェーンを装着しているとき
  • 先行車との車間距離が短いとき
  • サスペンションを変更したとき

✤:タイプやオプションなどにより、装備が異なります。