風が強い日の設営のコツや注意点を解説!
キャンプサイトの風対策

3〜5月と9〜11月は暑すぎず寒すぎずキャンプに最適な季節ですが、一方で、風に悩まされることが多い季節でもあります。春は「春一番」や「メイストーム」と呼ばれる強風が吹き、一年でもっとも風が強く、秋も春ほどではありませんが、台風と秋雨前線などの影響で突風や竜巻がおきるため油断できません。少々風が強くても晴れ渡っていればキャンプに出かけたくなりますが、風は雨よりもやっかいな面があります。今回は、キャンプサイトでの風対策をご紹介しましょう。

更新日:2020.05.13

テントの風対策

風が強い日はテントの中がほこりっぽくなりますし、そもそもテントやタープの設営に苦労します。ひとりでも立てられるファミリー用テントがありますが、風が強い日はバタついてひとりで立てるとテントを壊してしまう危険があります。無理せず家族みんなで力を合わせて設営しましょう。

すべての張り綱を張り、裏側のベルクロをとめる

穏やかに晴れた日は張り綱が緩んでもそうそう大きな問題は生じませんが、風がある日は張り綱をガッチリ張って固定しましょう。フライシートの裏側には、フレームに固定できるベルクロやフックがあります。設営時はフライシートの裏側に潜り込むので少々面倒ですが、ここをおろそかにするとテント本来の耐風性を発揮できません。細部までていねいに設営してください。
また、ペグで固定する前にインナーテントが風にあおられるとやっかいです。位置が確定していなくてもいいので、ペグで2〜3カ所を地面に仮止めしておくと、2人でも慌てずに設営できます。

設営時には収納袋や後から取り付けるライナーシートなどが飛ばされないよう車内に保管しておきましょう。
また、風でフライシートがばたつくとうるさくて眠れません。寝る前はテントの張り綱を今一度確認しておいたほうが安心です。

タープの風対策

全体に低く下げ、寝る前に張り綱を確認

風のある日はタープをテントと同じくらいの高さまで下げて設営します。全体に低くなるのでいつものような開放感はありませんが、風にあおられにくくなります。フリーサイトならクルマを風上に置くと、ダイレクトに風を受けにくく、より安心感を得られます。
寝る前にはタープをさらに一段低く下げ、小物を出しっぱなしにしないようにしましょう。

タープの風上側を低くして、リビングに風が入りにくくします。写真は左側にもポールを使っていますが、思い切って地面に直打ちしてもいいですね。

話題の陣幕と組み合わせるという手もあります。陣幕はすべてのポール1本につき、張り綱を2本使います。幕の両側に張り綱を張るのではなく、風上側に張り綱2本を使うとより風に強くなります。

陣幕の使い方はこちらもチェック!
テントサイトの新定番「風防幕」を使ってみよう!

張り綱を工夫する

タープのポールに張り綱を1〜2回巻き付けると、タープが風を受けて膨らんでも張り綱が抜けにくくなります。写真ではわかりやすくするために巻き付けを広げていますが、本来は巻き付けを上に詰めて固定します。

張り綱を増やすのも有効です。メインポール同様、サブポールにも三角形を描くように張り綱を伸ばしましょう。1本で支えるよりも格段に風で揺れにくくなります。

張り綱はいつもより小さな輪にして押さえると、設営のときにタープの幕体がポールからすっぽ抜けるのを抑えられます。

テント、タープ共通の風対策

1本の張り綱に対して2本のペグ

張り綱が抜けるとテントやタープのバランスがくずれるので、いつものペグにもう1本長いペグを追加して補強します。2本のペグを地表でクロスさせるようにすれば、万一どちらかのペグが抜けても張り綱の長さは大きく変わりません。抜けたことに気づいたら、落ち着いてもう一度ペグをしっかり差し込みましょう。

ショックコードを使って衝撃をやわらげる方法もあります。
自転車用の両側がフックになっているものは簡単に張り綱と置き換えられますが、テンションがかかった状態でうっかりフックが外れると、周囲の人を傷つける危険がありますので気をつけてください。
自在金具付きの張り綱とショックコードを「一重つぎ」で結び、ショックコードの反対側は短いロープを同じく「一重つぎ」で結びつけてペグへ。張り綱の間にショックコードをつなぐので、不用意に外れることなく風の力を吸収できます。

強風時の注意事項

風がある日は焚き火をガマン

髪の毛や木の葉が軽く動くくらいの風であれば、テントやタープの風下で焚き火ができます。けれども、明らかに肌に風を感じるくらいになったら思わぬところに火の粉が飛ぶ危険があるので焚き火はガマン。
ガスストーブも風上に風防を置くなど工夫が必要です。

強風になりそうな日は撤退を視野に

晴れていても台風並みの風が吹き付ける日がありますが、天気予報で「強風」と告げられたら、撤退・キャンセルをしてください。
ただし、いざ風が強くなってから慌てて撤収しようと思ってもままなりません。
なんとか形を保っていたテントやシェルターが、ペグを数本抜いただけで力が集中してフレームが折れたり傾いたり。テントやタープが飛び、ほかのクルマや人を傷つける危険すらあります。台風並みの強風が吹いているときはペグを抜かず、なるべく低く落とすしか術はありません。
まず強風になる前に撤収するのが一番です。

自宅が遠いなどどうしてもそのまま滞在するなら、管理人さんに相談して風が弱そうな場所を選び、長いペグと張り綱を追加。コテージを借りるのも手です。

帰宅後はフレームをチェック

帰宅後は、テントのフレームやタープのポールが曲がっていないか、割れはないかを確認。万一不具合を見つけたら、メーカーやショップに修理の相談を。悪天候の連休後などは修理が集中して時間がかかることもあります。

※このコンテンツは、2020年5月の情報をもとに作成しております。