炊き火台にも自然にもやさしく!
焚き火の上手な片付け方

体をあたため、ゆらめく炎が心をほぐしてくれる焚き火は、キャンプのお楽しみです。けれど、その片付けは万全でしょうか?間違った片付け方では、自然や焚き火台にダメージを与えかねません。後片付けまできっちり行うのが焚き火のマナーです。今回は、焚き火の片付け方を解説。楽しい焚き火だからこそ、自然にも焚き火台にもやさしい片付け方をマスターしましょう。

更新日:2019.10.18

就寝や帰宅の時間から逆算し、
燃やし尽くすのが正解

もっとも理想的な焚き火の終わり方は、眠りにつく直前、またはキャンプの撤収時間までに薪を燃やし尽くし、灰にしてから指定場所に捨てることです。
燃焼時間は薪の種類と量、焚き火台の構造など様々な条件によって異なります。就寝や撤収時間の2時間前になったら、薪の量を調整していきましょう。

熾火になって、もう炎が高く上がらないし、そのまま寝てしまおう……と考えてしまいがちですが、就寝中に風が吹いて飛ばされてきたモノに引火する、炎があがり火の粉が舞って枯れ草に引火するという危険があります。
完全に火が消えるまで、焚き火から目を離さないようにしましょう。

燃やし尽くせなかった時は?
消火方法と後始末のポイント

薪を散らして灰にする

あと一息で灰になる状態なら、焚き火台の上の薪を、重なっているところがないようにバラバラに離して置き、炭トングでたたくなどして細かくします。こうすることで燃え尽きるまでの時間を短縮できます。そのまま立ち消えを待ちましょう。

密閉して消火

密閉できる缶や火消し壺があれば、その中に入れて消火します。
缶や火消し壺はかなり熱くなるので、特にお子さんが触れないよう十分注意して保管してください。

どうしてもという時は水に浸けて消火

まだまだ元気に燃えている薪が自然に消えるまでは、かなりの時間を要します。
なるべく早く消火したい場合は、たっぷりの水に1本ずつ薪を浸けて消火します。

表面だけサッと水に浸けても、芯は熱を帯びている場合があります。湯気が出なくなり、燃えていない木の部分にも水が染みこむまで時間をかけて浸けましょう

日本古来の家や壁で用いられている“焼杉”という手法があるように、表面が炭化した木は防腐・防虫効果があります。そのため、水に浸けて消火した薪は、そのまま地面に放置しておいてもなかなか自然には戻りません。「木なのだから、そのうち自然にかえるだろう」と放置してはいけません。灰捨て場やゴミ置き場など、キャンプ場の指示に従って処分しましょう。

灰や小さな薪のかけらが落ちている跡を見かけることもあります。こうした跡もなかなか消えないので、見かけたら、また万一自分でこぼしてしまったら焚き火用スコップですくい取っておきましょう。

水で一気に消火するのはNG

最も避けたいのは、焚き火台に直接水をかけたり、バケツの中に大量の薪を浸けたりすること
燃えている複数の薪に水をかけると、灰とともに水蒸気が大きく立ちのぼりますし、熱い焚き火台に水をかけるとゆがみの原因になります。
まとめて、そして一気に水をかけるのは絶対やめましょう。

使用後の焚き火台はサッと水拭き

灰が付着したまま収納袋に入れると、灰がこぼれてほかの荷物を汚しかねません。
使い終わった焚き火台は、冷えてから堅く絞った雑巾で汚れを拭き取り、よく乾燥させてから収納袋にしまいましょう
なお、水洗いでキレイにしたい人もいるでしょうが、キャンプ場の炊事場のシンクの中で洗うのはNG。自宅に持ち帰って水洗いしてください。

直火の場合はより慎重に消火

直火ができるキャンプ場の場合、消火は焚き火台よりも慎重に。薪を燃やし切り、灰や燃え残りが地面の上に残らないよう元通りにします。「灰は埋めていい」と言われる場合もありますが、中途半端に燃え残した木はなかなか分解されないので、燃え残った木はゴミとして持ち帰る方がいいでしょう。
また、消火が万全でないと、埋めても油断はできません。直火のあとは、たっぷりの水をかけておくことをお忘れなく。

※このコンテンツは、2019年10月の情報をもとに作成しております。