メインとなる魚は、地引網体験で獲得したショゴ(カンパチの幼魚)、ハナダイ、カマスの3種。これらを使って「スモーキーカルパッチョ」「炊き込みご飯」「スカペーチェ」の3品を作ります。
日中の屋外調理は魚が傷みやすいので、下処理したらすぐにクーラーボックスに入れたり氷に浸けたりして保冷しましょう。
下処理は魚の種類や大きさによって変わります。鯛ご飯のハナダイは一尾を丸ごと使うので、鱗を削いで内臓を取り除けばOK。
ショゴは鱗を削いで内臓を取り除いたら三枚に下ろして、最後に皮を剥いで完了。半身の真ん中に走る小骨をとげ抜きなどで抜いておくと、より食べやすくなります。
カマスは小さいうえに揚げ物にするので、骨が気にならないと考えて下処理せずに使いました。
大きい魚は鱗取り作業が必須なので、鱗取り器を用意しておくといいでしょう。鱗取り器がない場合は包丁の背でも鱗を取れますが、刃先が自分に向くので十分に気をつけて!
焚き火調理は、薪が燃え切って炭のようになった「熾火」の状態で行うのが基本。600℃くらいの熱さで安定するため熱源として使いやすく、グリルにも煮込みにもうってつけです。
熾火の状態をキープしたいので、燃え切らないように追加用の細目の薪を用意しておくといいですよ!
ダッチオーブンなら少量の油で揚げ物が行えます。屋外なので少量なら油の後片付けも困りません。
ダッチオーブンやスキレットのような蓄熱性が高い調理器具を使うと、焚き火調理でも熱加減を安定させられます。
ご飯を炊くときは薪を追加し、団扇などで空気を送って薪の燃焼を促し火力と炎をあげ、鍋の底と脇を熱します。
屋外の調理では風によって火の当たり所が変わります。温度のムラを無くすために、鍋を小まめに回転させましょう!
ショゴのスモーキーカルパッチョに使うウッドチップを炒っていきます。焚き火調理というと豪快なイメージがあるかもしれませんが、細やかな工夫も取り入れることが可能です。
魚の新鮮さと焚き火調理の良さの両立に挑戦してみました!
ということで、地引網漁で獲った魚と地元の食材を使った“地産地消キャンプご飯”全3品が完成しました!
カマスの他にも、油と相性の良いナスとズッキーニも素揚げにして、マリネ液でまとめたスカペーチェ。地元産の葉物野菜で彩りも豊かです。
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ショゴのスモーキーカルパッチョはふくよかな香りもさることながら、燻されることで弾力が増した食感もポイント。
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ハナダイを1尾丸ごと使った炊き込みご飯は、見た目も豪華な1品。尾頭付きでおめでタイ!
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どれも焚き火調理初心者でも作りやすいレシピになっているので、ぜひチャレンジしてみてください。もちろんスーパーで買った下処理済みのお魚であれば、さらに簡単に作れますよ。
自分で獲った食材を自分で調理していただくのは、代えがたい喜びがあるもの。魚の鮮度も味わいたいので、できあがったらすぐにいただきましょう!
まずは炊き込みご飯のハナダイをほぐしてご飯に混ぜ込んでから……。
「うまいっ!!!!!!」
我ながら抜群でした。その日の朝に獲れた新鮮な魚を使った料理って、なんでこんなに美味しいのでしょう?
鯛の味と香りをまとったお米を食べると、無条件で幸せになるね。わずかなお焦げをつくったお米の炊き加減もバッチリで、狙い通り!
スカペーチェはカマスの身がふんわりして最高。葉物のスイスチャードとハンダマはどちらも苦みがあって、マリネ液の酸味と相性抜群だ!
スモーキーカルパッチョは急遽採用したワカメの付け合わせも抜群の働き! スモークしたショゴとワカメの食感のコントラストが食べていて楽しいね。
ただでさえ美味しい料理も、焚き火で作るとさらに美味しく感じるんだよな〜。
と、自画自賛しながらいただくのもまた楽しいもの。地引網も体験できてキャンプご飯も美味しく作れて、最高の1日になりました。
アウトドアのフィールドで過ごしながらその土地の食材をいただく贅沢な時間。こうやって過ごしていると、土地の恵みへの感謝がいっそう強まる気がします。