「自分の時間を取り戻す」フライフィッシング&キャンプの旅

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更新日:2025.11.19

30年以上使い続けているキャンプ道具

吹上高原キャンプ場に到着しました。荒尾川の釣り場から10分もかからないくらいの場所にあるんだね。 ここは昔アウトドア雑誌の特集で知ったのが最初だと思うんですが、東北のキャンプ場としてはけっこう有名で、いつかは来てみたいなあと思ってたんです。 周囲を山に囲まれていて静かな環境。うっすら紅葉も始まっていて、芝生もきれい。広葉樹の配置も絶妙でゆったり過ごせそうですね。
今回はオートキャンプだから道具をけっこう持ってきました。キャンプに凝っていたのが20代前半の頃だから、そこから数えて30年選手の道具もけっこう多いと思います。
テントは芋虫型のものが快適で僕は好き。1〜2人ならタープを張らなくてもこれで足りますし、構造的にも複雑じゃありません。やっぱり釣りをするためにも、設営も撤収も早くできるのが僕はいいと思っているので。
今のキャンプってロースタイルだけど、昔はハイスタイルだったんです。このフォールディングテーブルも廃盤になっていますが、あると便利なんですよ。家でも同じように使えますから。 テーブル周りにこだわるのはやっぱり仕事柄かもしれませんね。
このバーナーも、新しいモデルが出ているだろうから今は売っていないんじゃないかな。 料理をするときはツーバーナーで、朝コーヒーを入れるときはシングルバーナーというふうに、自分の中では小さな役割分担があったりします。
キャンプ道具を選ぶ一番の基準は「長く使えること」ですね。 それはフライフィッシングの影響もあるかもしれませんね。 キャンプの場合は新しい道具を買うことで「キャンプに行こう」ってスイッチが入るのもありますが、フライフィッシングの場合はどちらかというと古い道具を愛する人たちが多いと思うんです。 だから、ひとつひとつの道具に背景があることを大事にしています。 このガス缶カバーは友達が作ってくれたものだし、折りたたみのウッドテーブルは自作。ホームセンターで木材を買ってきて、製作費3,000円くらいです。
このキャンプ場はまた来たいなぁ・・・。
この開放感は今までで行ったキャンプ場の中でもダントツかもしれない。ここまで広いところってなかなかなくて。荒尾川までもすぐでしょ?  キャンプ場にはお風呂もついているし、近くには鬼首温泉もあるし、いろんな要素がそろっている。期待通り最高のキャンプ場ですね。

キャンプも釣りも「人とのつながりを作ってくれた」

まだお店を始める前の20代前半の頃は気合を入れてキャンプをしていましたね。キャンプのために料理も始めたんです。 最初はインスタントラーメンとかからでしたが、そこからはダッチオーブンでグラタンを作ったりチリコンカンを作ったり。 結婚前に、妻とよくキャンプをしてたんです。やっぱりいいところを見せたいじゃないですか。 朝のメニューは何にしようかとか、行く前から全部ちゃんと考えてやってましたよ。
今日のご飯は、来る途中の道の駅で買った仙台の牛タンをメインディッシュに、遊漁券を購入した商店で手に入れたきのこの詰め合わせを使って、きのこ鍋を作りましょう。 お米も味噌も、基本は全部地のものです。それにやっぱり旬なものは食べたい。
このメスティンはここ数年使ってるものなのだけど、よくできてるんですよね。米の分量のメモリが側面に掘ってあるから、軽量カップもいらなくて楽。 炊飯器よりも早く炊けて、しかも美味しい。 家でちょっとだけお米を食べたいときなんかにも、ガスで炊いちゃうほうが断然楽。 浸水の時間はもちろん必要だけど、15分くらい火にかければできちゃうので。
きのこ鍋は焚き火台に移して、油分がほしいから、道の駅で買った三角の油揚げを入れることで摂取しよう。
よし、完成。いただきます!
この牛タン、ほんとに美味しい。肉厚なのにとても柔らかいし。きのこも採れたてだからだと思うけど、味が濃い。スーパーで手に入るきのこだとこの味は出ないだろうなぁ。
この夕暮れ時の時間もいいですよね。風もないし、本当に静かで、今日は最高だ。
空のグラデーションを楽しんだら、本格的に冷えてくる前に、焚き火にあたろうか。
焚き火を見ているといろんなことを思い出したり、考えちゃうよね。
カフェをはじめた頃は少し集客にも悩んでいて。そんなときキャンプで出会った人たちに「キャンプイベントに出てよ」と誘われて、そこから一気にキャンプ仲間が増えて、カフェにも来てくれるようになったんです。 だから、僕にとってキャンプも釣りも、「人とのつながりを作ってくれたもの」でもあるんだよね。
それからカフェに日々いろんな人が来てくれて、共通の趣味があればつながるんですよね。肩書きなんて脱ぎ捨てて仲良くなれるのがこういう趣味の世界であって、これこそカルチャーだと思う。
なんだか辺りがガスってきたな。でも明日の早朝はまだ雨は降らないみたい。さ、ちょっと早いけどもう寝よう。

「自分の時間を取り戻す」キャンプの時間

おはようございます。まだ雨が降ってなくてよかった。他の人よりも早く起きて、テントの外でこうして一人でコーヒーを淹れて飲んでいる時間が、キャンプでは一番好きなんです。
昔のアウトドア雑誌で、深い森の中でスマートにコーヒーを入れるシーンがあって、すごく憧れましたね。それが今のカフェにつながっているって言っても過言ではないと思います。 このパーコレーターはたぶん初めてのアウトドアギアのひとつ。昔はこれでコーヒーを淹れてたんですけど、今はやかん代わりです。それでもちゃんとお店の味が出せるようになりましたよ。
うちのカフェでは、今は八王子に住む友達の焙煎士が焙煎してくれたオリジナルブレンドの豆を使っています。ビターな感じですごく美味しくて。しっかり深煎りなんだけど、ただ苦いだけじゃないんです。
このコーヒーミルもだいぶ古い。珈琲豆はすごく繊細で、挽きたてじゃないと豆の油分が飛んで酸化が早まり、風味が損なわれてしまうから、面倒かもしれないけど一杯分ずつ挽くようにしています。 でもこの時間も嫌いじゃない。リールもそうだけど、僕は巻くのが好きなんだろうね(笑)。
沸騰したてのお湯を1回ポットに移してから、荒めに挽いた豆に注ぎます。移すときに温度が下がるので、ちょうどいい頃合いになる。 ドリッパーは陶器のものを使っています。陶器にしているのは冷めにくいから。 流行りの円錐型ドリッパーを試したこともありますが、僕の淹れ方だと、このドリッパーで淹れたものと同じ味を抽出するのに1.5倍の豆が必要だったんですよね。 蒸らしの時間を変えるとか、それに合ったやり方があるのかもしれないけど、今はこれに落ち着いてます。
うん、ビターで美味しい。
キャンプの朝、自然の中でこうしてコーヒーを淹れて飲むのは格別だね。風を感じて自然の音を楽しみながらゆっくりドリップしていく。日常ではなかなか味わえない時間ですからね。
僕にとってのキャンプは本来「自分の時間を取り戻すこと」なんです。普段、接客業だからこそ、この時間がとても大事なんですよね。
「カフェのオーナー」とか、「誰か」とか一旦全て取っ払って無になれる。誰かの軸で動いていた時間が、自分軸にリセットされる。
改めて、いいキャンプ場だったなぁ。
今回のキャンプ旅は「原点回帰」とでもいうのかな。
ここ数年、環境が変わってしまったのか、軽井沢周辺では魚が減って昔のような釣りが楽しみにくくなってきていたから、魚が豊富なこの憧れの川で釣りの楽しさを再確認できた。
キャンプ場も噂通り素敵な場所でしたね。広々とした高原で周りの山を眺めながらのキャンプは格別で。
すごくシンプルだけど自分の根底にある、自然の中で遊ぶことが好き、ということを再確認できた旅になりました。
さて、そろそろ出発しよう。
一度自然の中でリセットできたからこそ、帰る頃には「あの人に、このキャンプ場を教えてあげよう。今度は2泊3日で一緒に釣りをしたら面白いかも」なんて思っていて、また人に会いたくなっている。
そういういい循環が生まれるから、キャンプをずっと続けてきたんでしょうね。
軽井沢まで6時間。友達が働いているお店に顔を出しながらのんびり帰ろうかな。
撮影協力:吹上高原キャンプ場
https://www.mo-kankoukousya.or.jp/publics/index/131/
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  • ※このコンテンツは、2025年10月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。