第1日目
スペイン・バルセロナから北へ約170km程の会場サンジュアン・アバデセスは、フランス国境にあたるピレネー山脈に近く、標高が高く気温も低い場所。ヨーロッパ南部とはいえ雪のちらつく寒さの中でトライアル世界選手権が行われた。第1戦イギリス大会が口蹄疫の関係で中止になっているので今回の第2戦が今シーズンの開幕戦となる。
セクションは山の斜面にある沢が中心。水分を含んだ泥と滑る岩盤である。難度の高目の設定にクリーンを出すことがとても難しい。3点で出られれば良い程の困難なセクションもある。ライダー達は1ラップ目に多くの時間を費やし、2ラップ目は先を急いだ。
1ラップ目をトップで回ったのは25点のランプキン(Montesa-HRC)。そしてカベスタニー(Beta)が29点、コボス(Montesa-HRC)が31点で続く。期待の藤波貴久(Montesa-HRC)は32点とまずまずのスタートだった。
2ラップ目になると時間に追われるライダーは慌てるようにセクショントライを続ける。そんな中でも今期のランプキンも安定した集中力と冴えたテクニックを発揮し、2ラップ目もトップを維持。そして2位になったコボスに7点差をつけて優勝する。藤波貴久は2ラップ目にミスが続き、さらに最終の人工セクション出口で転倒したことでさらに順位を落とし1日目を10位で終えた。
第2日目
昨晩多くの雪が降ったため3つのセクションがキャンセルとなり、5つのセクションがモディファイ、合計12セクション×2ラップで競技はスタート。前日の天候が信じられないほど天気は回復し、日差しの強い一日となる。強い日差しでセクションは乾き、前日よりも難易度はやや易しくなっている。
1ラップ目は好調なコボスが7点で消化しトップで回ってきた。2番手に昨シーズンのケガから復帰しているジャービス(Sherco)が9点でこれを追う。そしてランプキンは10点と3番手にいた。そしてフレイシャ、黒山健一、藤波貴久と僅差で並んでいる。
そして2ラップ目に大逆転が展開した。なんとランプキンは後半の2ラップ目をたった一度の足つきでゴールしたのである。そしてトップにいたコボスは第2セクションで転倒して以来ペースを乱して2ラップ目で19点の減点をとり優勝戦線から脱落してしまった。
ランプキンの1点に続きジャービスが2ラップ目を4点で消化して2位を確保、そして藤波貴久が5点でゴールしたことでフレイシャ、コボスらを逆転して3位へ。ランプキンの2ラップ目の集中力は、去年と同様無敵ランプキンの姿を我々に見せてくれたのである。
また、両日ともにジュニアカップでは田中太一(Beta)が1位になった。次戦は翌週4月28・29日にポルトガルで開催される。
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