前戦オランダ大会で、T.ベイリス(D)のチャンピオンが決定したワールドスーパーバイクシリーズ。ディフェンディングチャンピオンのエドワーズは惜しくも総合2位に終ったが、最終戦イモラ大会では、岡田忠之とともに優勝に闘志を燃やしていた。
イモラでスーパーバイクが開催されるのは、今年が初めて。7月に事前テストが行われているが、すべてのチーム、選手にとっては、初開催のサーキットをどう攻略するかに多くの時間を費やすことになった。
予選初日は快晴。気温も26℃と絶好のコンディション。フリー走行でトップタイムを叩き出したのはB.ボストローム(D)で、以下、R.ラコーニ(A)、T.ベイリス(D)と地元イタリアのドゥカティとアプリリア勢が上位につけ、WGP時代にこのコースを走った経験がある岡田が4番手。エドワーズ5番手とHonda勢はまずまずのポジションでスタートを切った。
午後の予選でもボストローム(D)が好調で、2番手にシャウス(D)、そしてエドワーズが3番手とポジションを上げた。フリー走行で好調な出だしを見せた岡田はクリアラップが取れずに7番手に後退。しかし、2日目のポジションアップに自信を見せた。
2日目も天候は晴れ。初日に比べてやや雲の多い天候となったが、気温は25℃。タイムを伸ばすには絶好のコンディション。路面のグリップも上がり、2回目の予選でトップに立ったのは、シーズン終盤戦に調子を上げているシャウス(D)。以下、ベイリス(D)、ラコーニ(A)、ボストローム(D)と続き、エドワーズは5番手。岡田はまたしてもクリアラップが取れず10番手にダウン。上位16人によるスーパーポールに挑むことになった。そして、スーパーポールでは、エドワーズが4番手につけてフロントローを確保。岡田も9番手にポジションを上げて決勝に挑むことになった。ポールポジションはコルサー(A)。
迎えた決勝日。朝方まで降っていた雨の影響で、ウォームアップはハーフウエットという難しい路面コンディション。決勝に向けて慎重な走行となったが、岡田は4番手、エドワーズ5番手と、決勝へ期待をつないだ。
第1レースは、依然として厚い雲に覆われていたが、路面は完全にドライ。ホールショットを奪ったのは予選3番手スタートのベイリス(D)。以下、ボストローム(D)、ラコーニ(A)、ホジソン(D)、シャウス(D)、エドワーズ、コルサー(A)、岡田らがトップグループを形成。優勝争いは、完全にこの8台に絞られた。
加速と急減速が要求される典型的なストップ&ゴーのサーキット。抜けそうで抜けないという手に汗を握る戦いが続き、8台のマシンが一本の線となって周回を重ねていく。
中盤になって、その中から、ラコーニ(A)、ベイリス(D)、シャウス(D)の3人が抜け出す。エドワーズと岡田は、やや遅れてセカンドグループの中で激しくポジションを入れ替えた。
終盤になって、優勝争いは、ますます激しさを増す。トップはシャウス(D)。それをピタリとマークするベイリス(D)がラスト2周で転倒、その後ろにいたラコーニ(A)が巻き込まれる形で2台がコース上から姿を消し、2位にコルサー(A)、エドワーズが3位に入った。
岡田は、中盤に一度はエドワーズの前に出るが、シケインで止まりきれずオーバーラン。そのミスが響いて5位に終った。
第2レースは、第1レースの転倒でベイリス(D)が欠場。予選9番手の岡田は2列目からのスタートとなった。
しかし、第2レースも、第1レース同様、激しい優勝争い。ベイリスを欠いたが、7人の選手がトップグループを形成した。
第1レースで3位になりながらも、納得のいかないレースを演じたエドワーズは、序盤から積極的に前に出る作戦。好スタートを切ったラコーニ(A)をピタリとマーク。中盤まで2番手につける好走を見せた。その後、シャウス(D)が追い上げてきて、エドワーズは3番手に落ちるも、終盤での逆転を虎視眈々と狙っていた。
しかし、エドワーズの後方にいたコルサー(A)がシケインの進入で転倒。ライダーがコースを横切ってエドワーズの前に飛んできたために、それを回避するためにエドワーズはコースアウト。そのためにエドワーズは止まりきれずタイヤバリアにぶつかりリタイヤとなった。
一方、スタートでやや出遅れた岡田だが、中盤にはファステストラップを更新してトップグループに肉薄。コルサー(A)とエドワーズがリタイヤしたこともあって3番手に浮上。終盤には、ラコーニ(A)とシャウス(D)の背後に迫ったが、惜しくも3位に終った。
これで2001年のワールドスーパーバイクシリーズは全日程を終了。前戦オランダでエドワーズは総合2位が確定していたが、岡田は最終戦で9位から8位へとポジションアップ。ともに、来年のシーズンに期待を繋いだ。
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