道上龍とNSX、シリーズチャンピオンに!
レースは伊藤/シュワガー組が今季2勝目!

NSXシリーズチャンピオン獲得の記念写真
|
タイトル獲得速報
2000年全日本GT選手権最終戦が三重県鈴鹿サーキットで開催された。GT500クラスでシリーズチャンピオンの可能性を残しているのは、16号車の道上龍と18号車の脇阪寿一及び金石勝智を含む3メーカー5車にわたる9人のドライバー。その決着がこのレースで決まる。
前回MINEサーキットで開催されたシリーズ第6戦でアクシデントのため大破した8号車と64号車はその後修復されたが、64号車の作業は長引き、ようやく鈴鹿サーキットに搬入されたのは練習走行のある金曜日を前にした木曜日夕方のことだった。

レース前の打ち合わせ、光貞と道上
|
金曜日の練習走行は雨になった。ここではトラクションに勝るNSX勢が圧倒的な速さを見せたが、路面が乾いた土曜日の公式予選ではライバルもタイムを縮め激戦となった。ここでコースレコードを叩き出しポールポジションを獲得したのは100号車の飯田章/服部尚貴組だった。もっとも飯田はスーパーラップの後、サスペンショントラブルからコースオフ、マシンを損傷してしまった。2位には64号車の伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組、5位に16号車の道上龍/光貞秀俊組、7位に18号車の脇阪寿一/金石勝智組、8位に8号車の鈴木亜久里/土屋圭市組がつけた。
日曜日の決勝レースは曇天の下、行われた。スタートで飛び出したのは100号車の飯田、それに64号車の伊藤が続く。王座を目指す16号車は4位、8号車は9位でレースを始めた。レース序盤、目立った速さを見せたのは8号車の土屋圭市だった。土屋はじりじりと順位を上げ、前半のうちに4位まで進出、鈴木にマシンを譲った。一方110kgというウェイトハンディを背負った18号車はタイヤ消耗が激しく、金石はたまらずスピンして大きく遅れを取る。
上位陣がピット作業を終え後半戦に突入すると、レースの流れはNSX優勢に傾いていることが明らかになる。首位はシュワガーの乗る64号車、2位には服部の乗る100号車、3位には土屋の勢いを引き継いだ鈴木が乗る8号車、そして4位には王座を賭けた道上が乗る16号車が進出してきたのだ。レース終盤、鈴木は服部をかわして2位に上がったがNSXの1-2-3-4態勢は変わらず、そのままチェッカーが振り下ろされた。この結果、道上龍は念願のシリーズチャンピオン、無限×童夢プロジェクトはチームチャンピオンに輝くこととなった。
残念ながらレース後車検で8号車と100号車が2000JAF国内競技規則第7章5.3.1.1に違反するとして失格裁定を受け、これに対しチームから控訴が為されたため、正式結果は後日JAF裁定の後発表される。
|
|
喜び合う無限×童夢プロジェクトのクルー
|
搬入が遅れた64号車だったが見事に優勝
|
伊藤 大輔(優勝/Mobil 1 NSX)
今年初めてスタートを担当した。飯田さんの動きを見て走っていたけれども、(ウェイトを積んでいる100号車は)おそらくタイヤ消耗が厳しくなるだろうという状況だったので、後半きっと前に出られると思って、ぼくは無理しないでいた。ピットでドミニクに交代した瞬間、勝ったと思った。
D.シュワガー(優勝/Mobil 1 NSX)
チームがグレートな仕事をしてくれて、クルマが間に合った。クルマはパーフェクトな状況だった。前半はソフトタイヤ、後半はハードタイヤで走るという作戦がうまくいった。気楽に行け、と言われたけれども後半8号車が迫ってきたので、ハードプッシュしなければならなかったよ。
道上 龍(2位/Castrol 無限 NSX)
今シーズン1勝もできなかったけれど、確実にポイントを取ろう、と監督と話してやってきた結果がこういう形で出たんだと思う。中子さんのおかげでもあるし光貞選手のおかげでもあると思うので二人には感謝しています。
|